可愛くて小さいおしゃれな女の子が、雰囲気や服のセンスが近い男の子と立ち止まっていて、僕は彼らを追いかけるような形で後ろから眺めていた。
ひょろっとした男の子は右側に立っていて、女の子の右手の薬指にだけ指輪がはまっていた。男の子は唇を少しすぼめて、遠くを見てた。

女の子が何か言ったようで、男の子は女の子と少し距離を置くようにして、また彼らは神宮前の方向に歩き始めた。
しばらくすると、女の子は男の子の指を握るようにして、二人は手を結んだ。僕は苛立って、「あの女の無神経さなら、顔に唾を吐きかけられたって、気にしやしないだろう。」って、考えていた。

夕暮れは、すれ違う人たちの無表情をさらに無表情にしていった。

交差点で彼らは立ち止まって、女の子と男の子は交互に僕のほうを振り返ったけれど、街は夜を向かえ始めていたから、気のせいかもしれなかった。

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