書くことについて(仮) 23/100
2008年7月2日 コミューンと記録メモと書くことベロベロに酔っぱらった僕たちを午前3時半に着いたフルカワがおぞましい物を見るような目つきで睨んで、僕は「ようこそ。」と、ムラハシとムラハシのことを好きな(ムラハシの腕に腕が当たっては息を飲み込んでいた)女の子のことを紹介した。ムラハシが驚異的な勇敢さでもってビールグラスに注いだテキーラのショットを、ムラハシのことを好きな(彼女はまるでムラハシの優秀な助手のようだった)女の子は、上目遣いの目つきで無言でフルカワに勧めた。これが僕かムラハシだったらきっぱりと断っていただろう。そういう男なのだ。3時頃、その髪の黄色い男がクラブに入ってきて、あーあれは隣の家の女の子が連れ込んだ男だ、と思ったら、ムラハシが男を指差して、「おい、あれが今日のイベントのDJ」と言った。「うそだろ。あれが『食肉ディスコ作った?』」「そう。」ふらついている足下を眺めながら、ここはとんでもない世界だと思った。椅子に座ってフルカワがムラハシのことを好きな(ムラハシのほうをちらちら見ながらフルカワに身体を寄せている。それは悪手だ。)女の子が喋っているのをみている。フルカワはさっきから30分ほど一度も止まらずに自分がいかにして今の地位を築いたかを話していた。DJがブースに入って、ヘッドフォンをかけた。「おい、ムラハシ、見ろよ。お前の女だろ。」と指差して焚き付けると、「だからどうした?」と気のない返事をして、ずれた眼鏡をもとに戻した。ビル・エヴァンスとレイモンド・チャンドラーを足して2で割って坊主刈りにしたような男(いまRothmansの煙草をマッチで火をつけた。)で、こいつと初めて会ったとき、姿勢を僕のほうに向けながらも、口元は奇妙に歪んでいて、話をしたいのかそれともさっさとどっかに行ってくれという態度なのか見極めがつかなかった。そのとき以来、興味を持ち続けているが未だに何も解らない。死ぬまで理解できる人間はこの世にいないんじゃないだろうか。
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