書くことについて(仮) 27/100
2008年7月9日 コミューンと記録メモと書くことみえこを追いかけて、歩き始める。日曜の渋谷センター街を渋谷方面に向けて、携帯電話をポケットから取り出して、順序を頭で組んだ。みえこの携帯電話を3コールを3セット鳴らして、応答がないので諦めて、メールで、「また夜メールするよ。」とだけ打ち込んで、無名のあの人に「エアホッケー終わって、いまからレースゲームやるところ。今度一緒に行こう。」とメールして、それから、念のため、みえこにもういちど電話をすると電話に出た。「ごめん、牛飼いっていうのは冗談だったんだけど、全然面白くなかったね。ユキっていうのは僕の姪なんだ。姉が自営業って言ってたでしょ。あれ?言ってなかったっけ。とにかく忙しくて、子守りをまかされるんだ。この前に言ったんだ。ポストカードを今度見せるよ。そのときユキは牛の柵の前で離れなくてね。いやぁ、可愛いんだよユキ。」と、早歩きで早口で伝え終わると20秒くらいの無言状態になった。「ふーん。」「うん。ごめんね。ひとこと断ってから電話に出れば良かったね。ごめん。」スクランブル交差点で立ち止まると沢山の人達に混じってこんなことをしている自分が少し滑稽に思えた。「いまどこにいるの?なんか甘い物食べにいこうよ。ケーキは?おいしいよ?」「あたしアイス食べたい!」「うん。どこにいるの?」と場所を聞き出して、電話を切ると携帯電話が鳴り出して(そこには"元のどか"と表示されている)、電話に出ると、彼女は唐突に「ごめん、もうあなたには会えないわ。ごめんね。さよなら。」と言って、すぐに切れた。もちろん僕は電話をかけ直して、弁解につぐ弁解。どうにか彼女の自己認識(彼女が強い人間じゃないことなんて最初から解ってたんだ)を否定し終えて、言葉を紡ぎおえて、「じゃあ、友達を待たすのは悪いから。またね」で電話を切った直後、西武百貨店の方を振り向くと、みえこが目の前に立っていた。「『君に会えないなんて耐えられないよ』って一日に二人の女の子に言ったりする人ってなかなかいないと思う。」と、泣きそうな目で僕のほうを見た。「ユキが電話に変わってさ、また会いたいって....。」「『手を動かし始めたとき意識あ跳びそうになったんだ。』って...。」「ユキは絵を描くんだ。もう失神しそうなくらい素敵な絵なんだ。いますぐ見せられないのが残念なくらいね。」急に無表情になって「最低。」と言った。でも僕は彼女には"パパ"が二人もいることを僕は知っているし、彼氏は僕を含めて3人いることも知っている。今日、夕方過ぎには、彼女は”家の用事”で三鷹に行く予定がある。それでも僕は冷静に新しい言い訳を考える。そう、僕たちには嘘が必要なのだ。「ねぇ、君にプレゼントがあるんだ。」と言って、彼女にポケットに入ってた50枚の『酢だこさん太郎』を渡して、彼女が「なにこれ!」と言いながら笑いだしたところを見計らって「今日会う前にコンビニにあるのをありったけ買ってきたんだ。喜ぶかなって。」「ちょっとなんでこれ、っていうか、ええー。多いよ!」と言って笑い始めた。「ほら、アイスと一緒に食べたら美味しいよ。」と、適当に根拠の無いことを言っててを引いて109のほうに引いてつれて言ってチョコチップの混ざったアイスを買って渡すと「ごまかそうとしてるでしょ。」と涙目で僕に言った。「そんなことないよ。アイスいらない?」「いる。」と頷くと、彼女がアイスに夢中になっているのを眺めて、どうにかなったと安心した。
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