書くことについて(仮) 28/100
2008年7月10日 コミューンと記録メモと書くこと寝過ごしたとき見た夢を反芻していた。沢山の子供達が様々な色の洋服を自分たちで作り、歌を歌い、踊り、絵を描き、花を編み、そこでは誰も何かに怒らず、眠りたいときに眠って、起きたいときに起きて遊んで過ごしいた。そこでは僕も彼らと同じように子供でベッドの上で跳ね回って、オリジナルの呪文を唱えて、周りに集まって僕を見つめて、くすくす笑う連中に呪文をかけていた。目が回って男の子も女の子も構わず、キスをしまくって、部屋を出るとそこには彼女がいた。"赤"が僕を誘い出して手引っ張っていく。それは今までした草原とは違う、彼女の洋服に似た、どす黒い血に似た花の匂いのようだった。その家の階段を降りていくと、取り返しもつかないほど沈んでいくのに気付いた。いつか、声が出なくなることが解っていた僕は自分自身に最後の魔法をかける。それに気付いた彼女は僕のほうを振り返って、悲しそうな目をして、闇に溶けて消えていった。取り残された僕は声をあげようと、必死に試みようとする。そこで夢は終わり、僕は自分が降りるべき駅を通り越していたことに気付いた。誰もいない車内で、声を出だした。「あ、あ、あああ、あ。」とさっきまで目の前のいたはずのどもりがちなあの男のように。
2008/7/10 23:49渋谷ツタヤと複合のスターバックスの二階でこの文章を書いている。さっきまでヘンリーダーガーの映画を見ていた。ヘンリー・ダーガー(Henry Darger, 1892年4月12日 - 1973年4月13日)は『非現実の王国で』の作者である。英語での発音は「ダージャー」であるとの説もあるが、不明。誰に見せることもなく半世紀以上自分の妄想を書き続けたが、死後にそれが発見され、のちにアウトサイダー・アートの代表的な作家として評価されるようになった。略歴
* 1892年4月12日シカゴで生まれる。
* 4歳になる直前に生母と死別、さらに8歳で父親とも死別し、少年期をカトリックの少年施設で過ごす。
* 12歳の頃、感情障害の兆候が現れたという理由で知的障害児の施設に移される。
* 16歳で施設を脱走、皿洗い兼掃除人として働き始める。
* 19歳の時『非現実の王国で』の執筆を開始。執筆はダーガーの死の半年前まで続けられた。
* 1973年4月13日死去。
このスターバックスに入る前、僕は赤い服を着た女の子と目があったけれど、彼女は僕と会話を望んでいたように見えたけれど、それは怒らなかった。僕がこうやって空想を文章のなかで生み出すのは孤独が生み出す孤独感のせいだろうか。僕は音楽を聴きながら、リズムをとってこの文章を書いている。夜の街は僕にわけのわからない興奮を与えてくれる。何かが起こりそうな予感。夜がそらの遠くから孤独と興奮を降らす。闇は恐怖を引き起こし、それに抗うように僕たちは街を電灯で眩しく輝かせる。ある人は家に帰り、そこに休息し、ある人は、夜の中で酒を飲み、意識の混沌を目指す。ダーガーはその絵と物語のなかで現実と戦い続け、そして、老人になり、死んだ。彼の少年時代の悪夢、疎外感と現実の厳しさが彼の力になった。その草原にいる子供達は、身長の3倍くらいもありそうなスピーカーを10人くらいで運んで、古いカセットプレーヤーに吹き込んだロックを鳴らして、踊る。遠くで大人の厳粛で何の価値も無い、毎日の繰り返しできしむ心が聞こえるが、それらでさえ彼らにとっては余興に過ぎない。僕が魔法をかけた連中は空に浮かんだり、頭で想像した生き物を頭の上に浮かんだ吹き出しから取り出して遊んだり、潜在する力を使いだした。
僕は彼らが遊び回る草原から少し離れたところにある丘の上で眺めていた。目を閉じると、赤の声が聞こえる。「こっちに来なさいよ。そんなものは存在しないのよ。欲しいんでしょ。私にはちゃんと分かるのよ。」
客はさっきよりずっと減っている。何組かのカップル、酔ったサラリーマン、派手な服装の女の子の二人組。言葉、言葉、言葉。見えない壁はあなたを守るかもしれない。変化は君の見方をしないかもしれない。秩序が自らを再構成しようとする力によって君は滅びてしまうかもしれない。進化に適応できなかった不格好な鳥は、幼い時、悪夢を見るといつも現れた。その鳥の目が僕を不安にさせた。言いようのない不安を訴えかけた。象徴は象徴でしかない。遠く遠く声が聞こえる。赤は呼びかける。「分かるのよ。あなたが欲しがるあらゆる力がね。横暴、強欲、傲慢、狂乱。そして、あなたはその気になれば、それを手にいれることができることが自分で分かってるのよ。破滅が怖い。でも、それすらあなたが望むものうちよ。私が醜いと思ってるんでしょ?でも私を呼んだのはあなたなのよ。
あなたは悪徳を望んでるのよ。全部食べてしまいたいわ!全部、全部よ。」僕は目を開ける。草原では蝶の羽を付けた猫に股がった少年が空を飛ぶ少女を追いかけて笑っている。「自由が欲しいだけなんだ。あんたはお呼びじゃないよ。」「違うわ。あなたが喋る綺麗ごとにはうんざりよ。ほんとはそんな大層なもの、ほんの少しも興味ないんでしょ。あなたがどれかけ渇いているか分かるわ。どんなにがんばってもあなたはあそこにいるあの子達のようにはなれないの。あなたはここに座って眺めているだけ。」
2008/7/10 23:49渋谷ツタヤと複合のスターバックスの二階でこの文章を書いている。さっきまでヘンリーダーガーの映画を見ていた。ヘンリー・ダーガー(Henry Darger, 1892年4月12日 - 1973年4月13日)は『非現実の王国で』の作者である。英語での発音は「ダージャー」であるとの説もあるが、不明。誰に見せることもなく半世紀以上自分の妄想を書き続けたが、死後にそれが発見され、のちにアウトサイダー・アートの代表的な作家として評価されるようになった。略歴
* 1892年4月12日シカゴで生まれる。
* 4歳になる直前に生母と死別、さらに8歳で父親とも死別し、少年期をカトリックの少年施設で過ごす。
* 12歳の頃、感情障害の兆候が現れたという理由で知的障害児の施設に移される。
* 16歳で施設を脱走、皿洗い兼掃除人として働き始める。
* 19歳の時『非現実の王国で』の執筆を開始。執筆はダーガーの死の半年前まで続けられた。
* 1973年4月13日死去。
このスターバックスに入る前、僕は赤い服を着た女の子と目があったけれど、彼女は僕と会話を望んでいたように見えたけれど、それは怒らなかった。僕がこうやって空想を文章のなかで生み出すのは孤独が生み出す孤独感のせいだろうか。僕は音楽を聴きながら、リズムをとってこの文章を書いている。夜の街は僕にわけのわからない興奮を与えてくれる。何かが起こりそうな予感。夜がそらの遠くから孤独と興奮を降らす。闇は恐怖を引き起こし、それに抗うように僕たちは街を電灯で眩しく輝かせる。ある人は家に帰り、そこに休息し、ある人は、夜の中で酒を飲み、意識の混沌を目指す。ダーガーはその絵と物語のなかで現実と戦い続け、そして、老人になり、死んだ。彼の少年時代の悪夢、疎外感と現実の厳しさが彼の力になった。その草原にいる子供達は、身長の3倍くらいもありそうなスピーカーを10人くらいで運んで、古いカセットプレーヤーに吹き込んだロックを鳴らして、踊る。遠くで大人の厳粛で何の価値も無い、毎日の繰り返しできしむ心が聞こえるが、それらでさえ彼らにとっては余興に過ぎない。僕が魔法をかけた連中は空に浮かんだり、頭で想像した生き物を頭の上に浮かんだ吹き出しから取り出して遊んだり、潜在する力を使いだした。
僕は彼らが遊び回る草原から少し離れたところにある丘の上で眺めていた。目を閉じると、赤の声が聞こえる。「こっちに来なさいよ。そんなものは存在しないのよ。欲しいんでしょ。私にはちゃんと分かるのよ。」
客はさっきよりずっと減っている。何組かのカップル、酔ったサラリーマン、派手な服装の女の子の二人組。言葉、言葉、言葉。見えない壁はあなたを守るかもしれない。変化は君の見方をしないかもしれない。秩序が自らを再構成しようとする力によって君は滅びてしまうかもしれない。進化に適応できなかった不格好な鳥は、幼い時、悪夢を見るといつも現れた。その鳥の目が僕を不安にさせた。言いようのない不安を訴えかけた。象徴は象徴でしかない。遠く遠く声が聞こえる。赤は呼びかける。「分かるのよ。あなたが欲しがるあらゆる力がね。横暴、強欲、傲慢、狂乱。そして、あなたはその気になれば、それを手にいれることができることが自分で分かってるのよ。破滅が怖い。でも、それすらあなたが望むものうちよ。私が醜いと思ってるんでしょ?でも私を呼んだのはあなたなのよ。
あなたは悪徳を望んでるのよ。全部食べてしまいたいわ!全部、全部よ。」僕は目を開ける。草原では蝶の羽を付けた猫に股がった少年が空を飛ぶ少女を追いかけて笑っている。「自由が欲しいだけなんだ。あんたはお呼びじゃないよ。」「違うわ。あなたが喋る綺麗ごとにはうんざりよ。ほんとはそんな大層なもの、ほんの少しも興味ないんでしょ。あなたがどれかけ渇いているか分かるわ。どんなにがんばってもあなたはあそこにいるあの子達のようにはなれないの。あなたはここに座って眺めているだけ。」
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