Fine Romance 79.5/100
2009年8月14日 コミューンと記録メモと書くことその頃、ムラハシは手に入れた散弾銃の試し打ちをしている。
さっきの小銃とは比べ物にならないくらい大きな衝撃が両手が揺れる。
店の中の椅子や机が壊れるのを見ていると、これを何か人に向けて打ってみたくなった。
Saeri「肢体も減らしたから遊べるよ。外に出て来なよ。」
Murahasi「緊張する」
Saeri「すぐに慣れるよ」
Murahasi「何にでも慣れるもんだ」
その直後に2階に駆け上がる音がする。
Saeri「今から一体追い込むから、自動ドアが開く瞬間を打って。」
さっき一気に叩いたチームのなかから逃げ出したやつを、サエリは銃撃が当たらないように、なおかつ、逃げずにはいられないような火力差で敵を追いかけまわしていた。
追いかけられるほうのレーダーにはムラハシの機影も表示されているだろうが、きっと向こうは、見えない敵に確実に仕留められるよりかはマシだと思っているはずだ。
ドアが開いたときに、向こうが手に何も持っていなかったことに気付いたが、ムラハシは躊躇わずに砲火した。
炸裂する銃弾が防弾チョッキを中心に、手足や頭に命中して、即座に後ろに跳ね上がって倒れた。
Saeri「レーダーからまだ消えてないわ。もう一発打って。」
Murahasi「倒れてるけど。」
Saeri「はやく」
倒れていた男が立ち上がりながらナイフを抜くと、異常に速い動きでこっちに向かってきた。gainモード!
すぐ目前に突きつけられたナイフが、届くそのギリギリでショットガンが相手の顔面で炸裂して、頭が背中に吹っ飛んで反動で前後に揺れながら倒れて、身体が震えている。
あまりのリアリティーに目を背けたくなった。顔がグチャグチャになっていて、見ているだけで痛そうだ。原形が無くなっている。こんなことにも慣れるんだろうか。
Saeri「無事?」
Murahasi「君はどこ?」
Saeri「Neglected children are made to feel invisible.」
Murahasi「?」
Saeri「さっさとそいつの武器を剥ぎ取っちゃいなさい。あなたに必要なのはもっと強力な武器と沢山の経験よ。」
ムラハシはナイフと防弾チョッキを取って、身につけた。外では、銃撃音がずっと続いているが、戦車が大砲を打つ音が他の音をかき消す。
Murahasi「窓から見てたけど、あいつら全部やっつけたのは君?」
Saeri「そう」
Murahasi「もしかして女の子のユーザーなの?」
Saeri「女がゲームをしちゃだめ?」
Murahasi「まさか」
サエリは戦車と装甲車の設計図を眺めながら(webモードで兵器オタクの友達にさっき映像をキャプチャーして設計図を送り返してもらった)、襲撃の機会をうかがっていた。
装甲車の中から、蟻の群れみたいに次から次に新しい肢体が湧いて出てくる。
しかも、さっき、ビルの屋上から攻撃したのを見ていたほかのやつらが気付いて、どのビルの屋上にも敵が占拠するような状態になったし、鉢合わせした違うチームが同士打ちをするせいで、安全ではなくなっていた。
Saeri「あの戦車を殺ったら、ほかのエリアに行かない?」
Murahasi「いいけど、戦車をどうやって倒すの?」
Saeri「見てて」
レーザーライフルの出力を最大まで引き上げて、サエリはどこからともなく飛び降りて、戦車の真上に乗り、設計図と照らし合わせながら、銃を戦車に向ける。
ムラハシが窓から戦車を見ていると、戦車の上の部分が強い光を発して、動きが止まった。
戦車には黒い穴が空いている。それを覗けば地獄が見えそうだ。サエリはそう思った。
サエリは戦車がぴたっと動きを止めたのを確認して、次の戦車に飛び乗り、そして同じように、同じ場所を打ち抜いた。
Saeri「やっつけた!」
Muharasi「凄いね」
Saeri「すごいでしょ」
ムラハシのポケットの携帯電話が何度もバイブレータで揺れている。
ふと、今日はデートだったことを思い出した。
Murahasi「急用が入った。また会えるかな?」
chatモードにサエリのbeliever登録の通知が表示された。Saeriという名前と一緒に子供の白熊のアイコンが表示されている。
Saeri「登録しといて。ログインしたら、あなたのところに移動する。」
現実の携帯電話がまだ鳴っている。
Murahasi「なんでこんなに助けてくれた?」
Saeri「なんとなく」
ユキは考えていた。誰かを救いたいと思う人間ほど、自分を救ってほしいと思う、その思考について。
Murahasi「またね」
Saeri「じゃあね」
そしてムラハシは転送ポイントにgainモードで走り、ログアウトして、現実世界に戻り、サエリは、戦場に残り、戦い続けた。
さっきの小銃とは比べ物にならないくらい大きな衝撃が両手が揺れる。
店の中の椅子や机が壊れるのを見ていると、これを何か人に向けて打ってみたくなった。
Saeri「肢体も減らしたから遊べるよ。外に出て来なよ。」
Murahasi「緊張する」
Saeri「すぐに慣れるよ」
Murahasi「何にでも慣れるもんだ」
その直後に2階に駆け上がる音がする。
Saeri「今から一体追い込むから、自動ドアが開く瞬間を打って。」
さっき一気に叩いたチームのなかから逃げ出したやつを、サエリは銃撃が当たらないように、なおかつ、逃げずにはいられないような火力差で敵を追いかけまわしていた。
追いかけられるほうのレーダーにはムラハシの機影も表示されているだろうが、きっと向こうは、見えない敵に確実に仕留められるよりかはマシだと思っているはずだ。
ドアが開いたときに、向こうが手に何も持っていなかったことに気付いたが、ムラハシは躊躇わずに砲火した。
炸裂する銃弾が防弾チョッキを中心に、手足や頭に命中して、即座に後ろに跳ね上がって倒れた。
Saeri「レーダーからまだ消えてないわ。もう一発打って。」
Murahasi「倒れてるけど。」
Saeri「はやく」
倒れていた男が立ち上がりながらナイフを抜くと、異常に速い動きでこっちに向かってきた。gainモード!
すぐ目前に突きつけられたナイフが、届くそのギリギリでショットガンが相手の顔面で炸裂して、頭が背中に吹っ飛んで反動で前後に揺れながら倒れて、身体が震えている。
あまりのリアリティーに目を背けたくなった。顔がグチャグチャになっていて、見ているだけで痛そうだ。原形が無くなっている。こんなことにも慣れるんだろうか。
Saeri「無事?」
Murahasi「君はどこ?」
Saeri「Neglected children are made to feel invisible.」
Murahasi「?」
Saeri「さっさとそいつの武器を剥ぎ取っちゃいなさい。あなたに必要なのはもっと強力な武器と沢山の経験よ。」
ムラハシはナイフと防弾チョッキを取って、身につけた。外では、銃撃音がずっと続いているが、戦車が大砲を打つ音が他の音をかき消す。
Murahasi「窓から見てたけど、あいつら全部やっつけたのは君?」
Saeri「そう」
Murahasi「もしかして女の子のユーザーなの?」
Saeri「女がゲームをしちゃだめ?」
Murahasi「まさか」
サエリは戦車と装甲車の設計図を眺めながら(webモードで兵器オタクの友達にさっき映像をキャプチャーして設計図を送り返してもらった)、襲撃の機会をうかがっていた。
装甲車の中から、蟻の群れみたいに次から次に新しい肢体が湧いて出てくる。
しかも、さっき、ビルの屋上から攻撃したのを見ていたほかのやつらが気付いて、どのビルの屋上にも敵が占拠するような状態になったし、鉢合わせした違うチームが同士打ちをするせいで、安全ではなくなっていた。
Saeri「あの戦車を殺ったら、ほかのエリアに行かない?」
Murahasi「いいけど、戦車をどうやって倒すの?」
Saeri「見てて」
レーザーライフルの出力を最大まで引き上げて、サエリはどこからともなく飛び降りて、戦車の真上に乗り、設計図と照らし合わせながら、銃を戦車に向ける。
ムラハシが窓から戦車を見ていると、戦車の上の部分が強い光を発して、動きが止まった。
戦車には黒い穴が空いている。それを覗けば地獄が見えそうだ。サエリはそう思った。
サエリは戦車がぴたっと動きを止めたのを確認して、次の戦車に飛び乗り、そして同じように、同じ場所を打ち抜いた。
Saeri「やっつけた!」
Muharasi「凄いね」
Saeri「すごいでしょ」
ムラハシのポケットの携帯電話が何度もバイブレータで揺れている。
ふと、今日はデートだったことを思い出した。
Murahasi「急用が入った。また会えるかな?」
chatモードにサエリのbeliever登録の通知が表示された。Saeriという名前と一緒に子供の白熊のアイコンが表示されている。
Saeri「登録しといて。ログインしたら、あなたのところに移動する。」
現実の携帯電話がまだ鳴っている。
Murahasi「なんでこんなに助けてくれた?」
Saeri「なんとなく」
ユキは考えていた。誰かを救いたいと思う人間ほど、自分を救ってほしいと思う、その思考について。
Murahasi「またね」
Saeri「じゃあね」
そしてムラハシは転送ポイントにgainモードで走り、ログアウトして、現実世界に戻り、サエリは、戦場に残り、戦い続けた。
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