下巻もかなり面白い

上巻を読み始めたときはスタンウェイ弾いてるおっさんって描写がダサくて(というより僕が大好きな作家達に比べて文学的な文章が下手。それが気になったのは、これを読む直前に『カメレオンのための音楽』を立ち読みしていたからだと思う。)、これが新宿の、ブックファースト(3店舗全て)、紀伊国屋、ジュンク堂、ハイペリオン上巻がどの店でも売り切れってどんだけだよ(しかも発売は10年以上前のSF小説が)、って思ってたけど、読み始めたらページを手繰るのが止まらなくなって納得して、しかも、読ませる文章の書き方を模索していたから、ちょうどよく参考になってる。

いま『ハイペリオンの没落』の上巻を読み終えたところ。

今まで読んで面白いと思ったSF小説は『ハイペリオン』を除いて『アッチェレランド』だけで、それまで『2010年宇宙の旅』とか『タイムマシン』とか『にぎやかな未来』とか『チグリスとユーフラテス』とか、手に取って読んではみたんだけど、つまらないのばかりでSF小説=退屈、みたいな固定観念が正直あった。
けど、『ハイペリオン』がSFとして、というより物語として、ここまで強烈にエンターテインメント性と、さらにSFの妙味も兼ね備えていて(『没落』に至っては前述の文学としての文章の技巧まで織り込まれている)、村上春樹にまず夢中になって、それから英米文学の扉をいくつも開いていた頃の、耕されていない豊かな土地が広がる風景を目の前にした開拓者みたいな気持ちになっている。

というわけで、ローカス賞_SF長篇部門にのめり込む予定。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9%E8%B3%9E_SF%E9%95%B7%E7%AF%87%E9%83%A8%E9%96%80

楽しみ!!!!!

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