Fine Romance 95/100
2010年4月15日 コミューンと記録メモと書くことミサイルを目前にした透明の影はその場を動かず、爆炎と一緒に消えた。塵ひとつ残さなかったし、ミダスの熱感知のレーダーもその影を補足しなかった。
二人は息を切らして映画館やカフェが混在するビルにいて、カフェのテレビモニターには臨時速報として、白い飛行機や美術館のオブジェのような黒い物体を放映していて、それに目を凝らしていると、二人の足元によちよち歩きの機械仕掛けのペットが歩いてきた。
「やつは倒した。」
僕は驚いて「あの飛行機も同時に操作できるのかい?」と訊いた。
「僕自身をコピーして搭載した。自己複製だよ。」
まだ呼吸が整っていない彼女は「じゃあ彼らも生きてるの?」と言った。少し怒っているようにも見えた。
僕は「行こう。死にたくないだろ。」と二人に言った。
僕たちはTRの端末に座って、入力装置を装着しながら彼女に言った。
「もう会えないの?」
TRに不慣れの僕のために装置を身につける手伝いをしながら彼女は微笑んだ。
「あなたのことも好きよ。」と彼女は言った。
ミダスは何も言わなかった。さっきから向こう側への回路を構築していたが、実際は二人の会話を聞き流すようにするための方便のようにも思えた。
HMDをかぶせると、彼女はそっと僕に口づけをした。
二人は息を切らして映画館やカフェが混在するビルにいて、カフェのテレビモニターには臨時速報として、白い飛行機や美術館のオブジェのような黒い物体を放映していて、それに目を凝らしていると、二人の足元によちよち歩きの機械仕掛けのペットが歩いてきた。
「やつは倒した。」
僕は驚いて「あの飛行機も同時に操作できるのかい?」と訊いた。
「僕自身をコピーして搭載した。自己複製だよ。」
まだ呼吸が整っていない彼女は「じゃあ彼らも生きてるの?」と言った。少し怒っているようにも見えた。
僕は「行こう。死にたくないだろ。」と二人に言った。
僕たちはTRの端末に座って、入力装置を装着しながら彼女に言った。
「もう会えないの?」
TRに不慣れの僕のために装置を身につける手伝いをしながら彼女は微笑んだ。
「あなたのことも好きよ。」と彼女は言った。
ミダスは何も言わなかった。さっきから向こう側への回路を構築していたが、実際は二人の会話を聞き流すようにするための方便のようにも思えた。
HMDをかぶせると、彼女はそっと僕に口づけをした。
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