True Religion 31
2010年4月17日 コミューンと記録メモと書くこと『Modern Bohemian 2』
「はい」と言って渡したのはNUMBER GIRLの『SAPPUKEI』というアルバムだった。「なにこれ?」と彼女は言う。
「前になんかCD貸してって言ってたじゃん。」
「あぁ。」
「NUMBER GIRL。向井秀徳っていうフクロウみたいな顔の変人が「かっこのよろしい歌ば作り、聴いてもらえりゃ万々歳。」って本人曰く作ったバンドのアルバム。タワレコの連載の話が異常に面白い。3人のギャル男が海に行って3人組の女の子を口説いてうまくいったところで、いきなり工作員とか潜水艦とかが現れてギャル男達が殺されたりする話を書いたりしてた。」(http://www.bounce.com/article/article.php/2022)
「小説も書くミュージシャンなの?」
「どうかな。そんときだけじゃない?良い音楽を作るやつは、良い文章を書く。不思議とその逆はいない。」
「ふぅん」と彼女は言った。僕はその口調にどことなく退屈の響きを感じて、違う話をしようと思った。
この前ハーレムってヒップホップとかブラックミュージックばかりが流れる渋谷のラブホ街のクラブで知り合った女の子に、僕の家の近くの(下心!!!)お洒落っぽい雰囲気のあるバーに連れてきて、僕はそんなことを話していて、彼女はナッツをかじっていた。ギャル。
彼女は23才で、高円寺に住んでて、この前知り合ったときは、彼女は自分が軽い性格に見られるように振舞っていたのが僕には印象深かった。彼女は僕を真面目な性格だと言った。マリナという名前で、それは僕が小学校の時に好きだった、当時僕よりずっと背の高かった(小学校6年生当時で165センチくらいあった)女の子と同じ名前だった。このマリナも同じくらいの伸長だった。
そのクラブの夜。
平凡と凄い美人の中間くらいの顔で、バイタリティのある、そして、自分から男を口説ける女の子で、男が好きそうな足の見えるピンクの服を着ていた。話しかけたのは僕からだけど、ほかにDJブースが眺めることのできる場所は空いていたのに、僕のすぐ隣に立ったのだ。整った顔に産んでくれた親に500回目くらいの感謝をした。
僕はDJを眺めながら、ヒップホップ好きじゃないけど、ヒップホップが好きな女の子は好きだと思った。ヒップホップのファッションを自分がするつもりがないけど、それでもその日の僕は格好的にはキレイめのヒップホップに見えた。
ビールを飲みながら彼女の顔を眺めていた。そういうのを見つめるって言うのかもしれない。彼女は見られていることを意識しながらこっちを見なかった。
「よくこのイベント来るの?」と話しかけて僕は会話を始めた。
少しの間彼女と短い言葉のみを使った会話をしてから、彼女に訊いた。
「マリナちゃん、彼氏いるの?」
「いない。」
「好きなひとは?」
「いたんだけど。」
「よくこのクラブ来るの?」
「時々。」
「へー。クラブにはよく行くの?」
「学生の頃、代官山のUNITでイベントやってて、そのイベントのスタッフやってた。」
「そうなんだ。」
「それで、この前結婚式行ったの。そのイベントを一緒にしてたひとの。そのひとのこと好きだったんだけど、二次会に呼ばれなくて。ありえないでしょ?」
「年上?」
「年上。4つ上。」
「気を使ったんじゃない?」
「でも、そういうのってみんな呼ぶでしょ普通。」
「わからない。」
このギャルは秘密でその男と遊んでたんだろう。僕にはなんとなく話の雰囲気で分かった。それから普段何をしているかの話を少しした。なんとなく「なんていうか、強気だよね。」と彼女に言った。彼女のほうからアプローチしているこの状況を確認したかったのかもしれない。
「強気じゃなきゃだめでしょ。」
すこしして、マリナは「彼女いるの?」と訊いた。
「いない。どうやって作るかもわかんない。」
「真面目そうだよね。」
「そうかな。真面目に見えないようにしてるんだけど。」
「なんか真面目って感じする。」
彼女の取って付けたようなちゃらちゃらした態度と、積極さで、実際は彼女こそ真面目な性格なんだと思った。彼女は軽い関係を僕に求めているように見えた。僕はテンションがあがった。
僕はとりあえずセックスできるかな、とか考えながら彼女を眺めていた。
その夜、僕は一緒に来ていた友達と待ち合わせをしていたときに、地面から3センチくらい浮いているように感じるほどの美人に声をかけたけど、相手にされなかった。
「誰か待ってるの?」
「……。」
「ねぇ、君。」
「……。」
「……。」
そんな感じだ。
「はい」と言って渡したのはNUMBER GIRLの『SAPPUKEI』というアルバムだった。「なにこれ?」と彼女は言う。
「前になんかCD貸してって言ってたじゃん。」
「あぁ。」
「NUMBER GIRL。向井秀徳っていうフクロウみたいな顔の変人が「かっこのよろしい歌ば作り、聴いてもらえりゃ万々歳。」って本人曰く作ったバンドのアルバム。タワレコの連載の話が異常に面白い。3人のギャル男が海に行って3人組の女の子を口説いてうまくいったところで、いきなり工作員とか潜水艦とかが現れてギャル男達が殺されたりする話を書いたりしてた。」(http://www.bounce.com/article/article.php/2022)
「小説も書くミュージシャンなの?」
「どうかな。そんときだけじゃない?良い音楽を作るやつは、良い文章を書く。不思議とその逆はいない。」
「ふぅん」と彼女は言った。僕はその口調にどことなく退屈の響きを感じて、違う話をしようと思った。
この前ハーレムってヒップホップとかブラックミュージックばかりが流れる渋谷のラブホ街のクラブで知り合った女の子に、僕の家の近くの(下心!!!)お洒落っぽい雰囲気のあるバーに連れてきて、僕はそんなことを話していて、彼女はナッツをかじっていた。ギャル。
彼女は23才で、高円寺に住んでて、この前知り合ったときは、彼女は自分が軽い性格に見られるように振舞っていたのが僕には印象深かった。彼女は僕を真面目な性格だと言った。マリナという名前で、それは僕が小学校の時に好きだった、当時僕よりずっと背の高かった(小学校6年生当時で165センチくらいあった)女の子と同じ名前だった。このマリナも同じくらいの伸長だった。
そのクラブの夜。
平凡と凄い美人の中間くらいの顔で、バイタリティのある、そして、自分から男を口説ける女の子で、男が好きそうな足の見えるピンクの服を着ていた。話しかけたのは僕からだけど、ほかにDJブースが眺めることのできる場所は空いていたのに、僕のすぐ隣に立ったのだ。整った顔に産んでくれた親に500回目くらいの感謝をした。
僕はDJを眺めながら、ヒップホップ好きじゃないけど、ヒップホップが好きな女の子は好きだと思った。ヒップホップのファッションを自分がするつもりがないけど、それでもその日の僕は格好的にはキレイめのヒップホップに見えた。
ビールを飲みながら彼女の顔を眺めていた。そういうのを見つめるって言うのかもしれない。彼女は見られていることを意識しながらこっちを見なかった。
「よくこのイベント来るの?」と話しかけて僕は会話を始めた。
少しの間彼女と短い言葉のみを使った会話をしてから、彼女に訊いた。
「マリナちゃん、彼氏いるの?」
「いない。」
「好きなひとは?」
「いたんだけど。」
「よくこのクラブ来るの?」
「時々。」
「へー。クラブにはよく行くの?」
「学生の頃、代官山のUNITでイベントやってて、そのイベントのスタッフやってた。」
「そうなんだ。」
「それで、この前結婚式行ったの。そのイベントを一緒にしてたひとの。そのひとのこと好きだったんだけど、二次会に呼ばれなくて。ありえないでしょ?」
「年上?」
「年上。4つ上。」
「気を使ったんじゃない?」
「でも、そういうのってみんな呼ぶでしょ普通。」
「わからない。」
このギャルは秘密でその男と遊んでたんだろう。僕にはなんとなく話の雰囲気で分かった。それから普段何をしているかの話を少しした。なんとなく「なんていうか、強気だよね。」と彼女に言った。彼女のほうからアプローチしているこの状況を確認したかったのかもしれない。
「強気じゃなきゃだめでしょ。」
すこしして、マリナは「彼女いるの?」と訊いた。
「いない。どうやって作るかもわかんない。」
「真面目そうだよね。」
「そうかな。真面目に見えないようにしてるんだけど。」
「なんか真面目って感じする。」
彼女の取って付けたようなちゃらちゃらした態度と、積極さで、実際は彼女こそ真面目な性格なんだと思った。彼女は軽い関係を僕に求めているように見えた。僕はテンションがあがった。
僕はとりあえずセックスできるかな、とか考えながら彼女を眺めていた。
その夜、僕は一緒に来ていた友達と待ち合わせをしていたときに、地面から3センチくらい浮いているように感じるほどの美人に声をかけたけど、相手にされなかった。
「誰か待ってるの?」
「……。」
「ねぇ、君。」
「……。」
「……。」
そんな感じだ。
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