ウィルキンソンのジンジャーエールを初台のmid.っていうおしゃれなカフェで飲みながら、この文章を書いている。夜の0時過ぎだ。
今日あった出来事を思い出している。
昨日の夜、家でPCを開いてニンジャスレイヤーの翻訳のバックナンバーを延々と読んでいると電話がなった。iPhone(無くしたって勘違いして手に入れたPSPと引き替えに手に入れた)に"子鹿"って表示される。それは本名ではない。知り合ってから2、3年くらいで、長い付き合いだった。それを維持できたのは彼女が俺が知り合った誰よりも寛容で、誰よりもというほどではないにしても、とてもとても一途だったからだ。
子鹿は新宿で遊んでて、友達と別れたあと、俺に電話した。長い付き合いになると、言葉にしなくても相手の意図をつかめるようなる。「DVD観る?」って子鹿は言った。DVD。隠語である。
それで僕は30分で準備して家を出てすげーかっこいい白のロードバイクで彼女を迎えに行った。
様々な話をしながら、歩いて僕の家に子鹿を連れて帰って、一枚写真を撮ってから、ベッドのいつもの位置で座っている彼女をベッドに転がしてお互いの手を使ってセックスをして、レディーファーストでセックスして、ジェントルセカンドでしたあとに、知らない間に眠っていた。
起きたのは確か10時過ぎだったと思う。
火曜にはDVDを返さなきゃいけないのに、借りたうちで観たのは一本だったからベンジャミン・バトンを消化した。途中で子鹿は眠ってしまった。良い映画だったんだけど。「何が欲しいか分かっていれば人生はそれほど複雑じゃない」。その通りだ。
眠り姫なんて表現はしない。彼女はたぶん睡眠過多の病気だ。15時頃に子鹿は起きた。どこか遠い星の地表みたいな彼女のアトピーでただれてしまったその肌も、今では俺を安心させるものになった。いや、肌ではなく、その彼女の大きな心が。はっきり言うなら、子鹿は美人じゃないし可愛いわけでもない。それでも僕は臆病な人間で、弱い人間で、勇敢になろうって、強くなろうって何度もそうなろうとしたけど、だめだったから、だから、誰かが守ってくれないとだめだ。たぶん彼女の付けまつげが彼女の目を大きく見せていたから、どうしてもセックスがしたくなってセックスをした。
その4時間後くらいに彼女を新宿まで送った。友達から借りた一眼レフを持って写真を撮らせてくれる女の子を探したけど見つからなかった。美人とか可愛い女の子とか。
瓶に入っているジンジャーエールを氷が入ったグラスに移して、グラスに刺さったストローで飲みながらこの文章を書いているうちに、瓶に入ったジンジャーエールは残りわずかになった。
小説は思ったように進んでいない。
『Fine Romance』は最初から書き直して、同じタイトルの全く別の小説になったことは書いたっけ?書いていないと思う。いま書いている小説は『Sabaku』という小説だ。これが世に出てたくさんのひとの目に触れたらいいな、と思っている。
こうやって子鹿のことをたくさん書くのは、彼女を好きでたまらないってわけじゃない。たぶん。彼女のことを書くことが、僕という人間のある一面をとても直接的に説明できるからだ。次は別の女の子について書きたい。女の子について書くのは楽しい。僕は女の子が好きだ。女の子もだいたい僕のことが好きだ。自慢じゃない。ひとつの事実として。ただ、女の子と好意を交換できても、身体を交換することはほとんどない。なんでかっていうと、僕はすごく臆病で、女の子は臆病な男とうまくいくようには出来ていないからだ。ひとつの事実として。

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