商品への投資を考えながら、それを複雑なことだって言うひとがいたけれど、実際は信じられないくらいシンプルで、「需要と供給」のひとことで説明がつく。
求めるひとが多くて、与えるひとが少なければ、価格は高くなって、逆に、求めるひとが少なくて、与えるひとが多ければ、価格は低くなる。

最近の金や銀や銅、その諸々の鉱物の価格が高くなっているのは、中国の成長、それだけで説明がつく。
2008年のリーマン・ショックで金融危機が起こったとき、商品市場で鉱物にお金を投資するひとが少なくなって(求めるひとが少なくなって)、鉱物の値段は下がる。投資をしていた人達は投資していたお金を銀行預金にしてしまう。
だけど、金融危機が起ころうが、中国の発展は止まらない。需要はそのままだ。投資先を求める金持ちは世の中に常にいる。むしろ増え続けている。経済は世界全体では成長している。金融危機のほとぼりが冷めると、お金持ちは、市場に行って、こう言う。その金をくれ、銀をくれ、プラチナも、パナジウムも、ほら、あそこのデカい国の成金や工場がもっとたくさんくれって言ってる、まず俺が買って、あいつらに売る。それが商品市場。つまり商品先物取引だ。

そこで、ひとつ疑問が浮かぶ。なぜ供給は増えないのか。答えは簡単だ。鉱山を開くのには恐ろしく時間がかかる。少し考えれば分かる。鉱山を開発しようとすれば、新しい鉱床を探すのに数年、政府の許可が必要で、許可を取るのに数年、掘削機械や人員を集めるための資本を集めて会社を興すのに数年、実際に鉱山を掘り続けて鉱物を手に入れるのに数年。供給を増やすのに最低でも10年がかかる。
中国の経済発展がいつまで続くのかは分からない。けれど、参考までに書くと、中国の一人当たりGDPは2010年のタイミングでたったの$4,382で、世界のランキングでは93位、日本は15位の$42,820だ。

僕の個人的な感覚でいえば、これから数回の経済の落ち込みがあったとしても、あと20年は中国は車や宝石を買い求め続けるだろうし、供給が需要を追い越せるのも少なく見積もっても10年はかかるように思える。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110509/mcb1105090504022-n1.htm
http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html

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