かわいい女 (創元推理文庫 131-2)
2011年6月2日 読書
無駄な文章って書いてから思い出したのが、先週読んだチャンドラーの小説。
例えばこれだ
これは、この場面の前で、拳銃を持った変装した女にマーロウが殴り倒されて、その女だと思っている場面のセリフだ。簡潔で、話が淀まず、意味を持ち、洒落ていて、美しい。無駄がない、っていうのはそういうクオリティという意味で。
例えばこれだ
「さあ、帰ってちょうだい」
「僕は用事があって来たんだ」
「わかってるわ。でも、私、あなたに会ったこともないし、会いたくもないわ。たとえ、会いたいとしても、日も、時間も、都合がわるいわ」
「時も、ところも、そして、恋するものも」
「なんですって......」
「ブラウニングだ。詩人だぜ。拳銃のブラウニングじゃない。君は拳銃のほうが好きだそうだが......」
これは、この場面の前で、拳銃を持った変装した女にマーロウが殴り倒されて、その女だと思っている場面のセリフだ。簡潔で、話が淀まず、意味を持ち、洒落ていて、美しい。無駄がない、っていうのはそういうクオリティという意味で。
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