ブラン・ド・ブラン ソフィア
2012年8月29日 日常
『SOMEWHERE』を観たって感想を初めて話すことになったひとに「ねぇ、ソフィア・コッポラって知ってる?」「うん」「ソフィア・コッポラのSOMEWHEREって映画をこの前観て、そのなかでこういうシーンがあって、パーティーで主人公が初めて会う女の子に「ジョンだ」って会って一言目に自己紹介するシーンがあって、それで女の子が間を置いて「Hi, ジョン」って答えるシーンがあって、それが凄く良くて、真似してみたくてでも俺って『たろう』って名前だから、真似できなくて」って僕は言った。その直後「たろうだ」と僕は言わなかった。「Hi, たろう」とも彼女は言わなかった。その晩僕たちは周りがネッキングをしてるような空間で僕たちはカールスバーグを飲みながらずっとトルコのシャーのことや戦時中のドイツのプロパガンダ映画のことなんかを話していた。どことなく冴えない僕(「大学どこ行ってたの」「行ってないよ。高卒。商業高校。」「どこでそんなこと知ったの?」)と彼女(立教でトルコ史を学んでハケで遺跡を発掘していた美しい所作と健康そうな肌をそれを包む憧れるような隙のないファッションで固めた)はキスもセックスも連絡先を交換することもなかった。彼女の目の奥を覗きこむのに夢中になりすぎたからだ。顔が触れ合うほどの距離でお互いに見つめ合って凄く真剣に会話をしていた。
映画の中でジョンはそのあと挨拶した女の子とファックする。僕はファックする機会を逸した。だから僕は「あさこ」のことを思い出して、後悔しながら、もう忘れることができないんじゃないかって今この文章を書きながら感じている。
という妄想を今している。
映画の中でジョンはそのあと挨拶した女の子とファックする。僕はファックする機会を逸した。だから僕は「あさこ」のことを思い出して、後悔しながら、もう忘れることができないんじゃないかって今この文章を書きながら感じている。
という妄想を今している。
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