菅野静香の個展を観に行って思いついた短編小説『All That Bizz』
2015年7月25日 日常(絵の感想は書かない)
昨日、菅野静香の個展観に行って絵を観て、実際絵がいくつか売れてて、しかも価格が自分が少し頑張れば手が届くくらいだった。
有名になり始めているようだったから、投機目的でひとつかふたつ買っておくのも面白いかなって思った。
帰り道、自分が若い富豪で画廊の絵を全て買い占めてその作者とそのあと作品受け渡しの時に会って、夜、二人で酒を飲みに行く想像をして楽しかった。
「絵が好きってわけじゃないんだ」
「じゃあなんで?」
「全部ビジネスだよ。ひとつ残して他は全部美術系メディアの要人と政治家にプレゼントする。値段を二桁あげてみないかって言いながら。翌月からなぜか各所で持ち上げられて、君の絵の値段は跳ね上がる。僕の友人たちも嬉しい。僕も嬉しい。君も嬉しい。」
彼女がどういう反応をするのか知りたかったけれど、表情には現れなかった。
代わりに「本当に絵が好きじゃない?」と俺に聞いた。
「俺は実際は女々しいんだ。何か理由をこじつけないと会ってみたいひとと会う理由も作れない」
「そう。私の絵は好き?」
「好きだよ。」
4時間、ベッドの上で俺は次の展示の作品を買い占める予約をする。全部はビジネスだからだ。
昨日、菅野静香の個展観に行って絵を観て、実際絵がいくつか売れてて、しかも価格が自分が少し頑張れば手が届くくらいだった。
有名になり始めているようだったから、投機目的でひとつかふたつ買っておくのも面白いかなって思った。
帰り道、自分が若い富豪で画廊の絵を全て買い占めてその作者とそのあと作品受け渡しの時に会って、夜、二人で酒を飲みに行く想像をして楽しかった。
「絵が好きってわけじゃないんだ」
「じゃあなんで?」
「全部ビジネスだよ。ひとつ残して他は全部美術系メディアの要人と政治家にプレゼントする。値段を二桁あげてみないかって言いながら。翌月からなぜか各所で持ち上げられて、君の絵の値段は跳ね上がる。僕の友人たちも嬉しい。僕も嬉しい。君も嬉しい。」
彼女がどういう反応をするのか知りたかったけれど、表情には現れなかった。
代わりに「本当に絵が好きじゃない?」と俺に聞いた。
「俺は実際は女々しいんだ。何か理由をこじつけないと会ってみたいひとと会う理由も作れない」
「そう。私の絵は好き?」
「好きだよ。」
4時間、ベッドの上で俺は次の展示の作品を買い占める予約をする。全部はビジネスだからだ。
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