アイアン・サンライズ
2010年7月4日 読書
『アッチェランド』『シンギュラリティ・スカイ』に引き続きストロス3冊目なんだけど、この作家のなかで今んところ自分のなかでベスト。まず、SFっぽい専門用語が少ないところがいい!笑
緊張感が最初から最後まで持続できてて、その手法は小説だとチャンドラーとか映画監督でいったらテリー・ギリアムとか使う手法なんだけど(いわゆる"サスペンス"(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B9))、それをSFの世界に持ち込んできちんとキャラが立ってるうえに、感情の描き方もきちんとしてた。欲をいえばクライマックスはもっと壮絶にしたほうがよかったっぽい。
それと、この作品は『シンギュラリティ・スカイ』の続編なんだけど、前作のキャラクタとかが出てくると「おぉ」ってなって、愛着が湧くっていうのはあると思った。
あと、最近気付いたんだけど、自分は小説や映画や音楽や、そういう物を全て娯楽として受け取ってるんだなぁって気付いた。自分を飾る手段とかアイデンティティの表現とか流行に同調して群れて楽しむものとか、そういうのには興味がなくて、楽しいとか気持ちいいから触れるんであって、評価として"良い"ということにされている、退屈なものには興味がないんだって気付いた。だから要知識、的なSFも、文学してます!みたいな文壇の内輪のオナニーも難しい言葉でなんちゃら言ってる連中も興味ないと思った。
緊張感が最初から最後まで持続できてて、その手法は小説だとチャンドラーとか映画監督でいったらテリー・ギリアムとか使う手法なんだけど(いわゆる"サスペンス"(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B9))、それをSFの世界に持ち込んできちんとキャラが立ってるうえに、感情の描き方もきちんとしてた。欲をいえばクライマックスはもっと壮絶にしたほうがよかったっぽい。
それと、この作品は『シンギュラリティ・スカイ』の続編なんだけど、前作のキャラクタとかが出てくると「おぉ」ってなって、愛着が湧くっていうのはあると思った。
あと、最近気付いたんだけど、自分は小説や映画や音楽や、そういう物を全て娯楽として受け取ってるんだなぁって気付いた。自分を飾る手段とかアイデンティティの表現とか流行に同調して群れて楽しむものとか、そういうのには興味がなくて、楽しいとか気持ちいいから触れるんであって、評価として"良い"ということにされている、退屈なものには興味がないんだって気付いた。だから要知識、的なSFも、文学してます!みたいな文壇の内輪のオナニーも難しい言葉でなんちゃら言ってる連中も興味ないと思った。
Fine Romance 99/100
2010年7月1日 コミューンと記録メモと書くことユキは待っていた。
ホッパーの画のような夜中のファミレスで、本を読んでいた彼女を迎えに来た僕は、彼女の前に座って何も言わず彼女の顔を見ていた。のどかが死んでから3日経っていた。あの話をした帰り道、二人乗りでバイクに乗っていた僕たちは馬鹿げたピンク色の乗用車に僕たちは轢かれて、偶然生き残ったのは僕だけだった。のどかは即死だった。病院で形を整えられた死体を呆然と眺めていたユキは「トイレに行ってくる」と行って、そのまま行方不明になった。
本を閉じてアイスクリームが溶けきったクリームソーダをかき混ぜながら「トイレが見つからなくて」と悪気がなさそうにユキは僕に言った。僕は何も言えなかった。言えることなんて何もなかった。「何読んでたの?」と僕はユキに訊いた。「『ピギー・スニードを救う話』」とユキは答えた。「トイレは見つかった?」と訊くと「そういうえば『トレインスポッティング』で主人公がトイレの中に落としたヘロインか何かを潜って探す話があったけど。」そう言いながらユキは笑った。笑った顔は母親と見分けがつかなかったし、「ねぇ」とユキが続けると、その口調は全くのどかと同じものだった。「私あなたと暮らしたい」「君には父親がいる」「これは私も知らなかったことなんだけど、彼は本当はお母さんのお姉さんのことが好きみたいなの。」「どういうこと?」彼女は流暢なドイツ語で何か言った。ドイツ語を話せるなんて知らなかった。「私は誰の代わりにもなれなかったし、必要とする誰かもいないってこと。」「君のお父さんに相談しなきゃいけない。」「お父さんって?どっちの?」意地悪そうにユキは言った。顎に片手を当てて退屈そうな顔をする彼女がもう一度のどかに見えた。それから彼女は続けた。「もう連絡はしてある。『パパが私の顔を見て嫉妬を感じる必要はもう無いのよ。』って。」彼女は大した話じゃないといった感じでそう言った。「ファミレスって凄い名前だと思わない。ファミリーレストランの略よ。」とユキは言った。急に話が飛ぶのまで似ていた。どこかで意味が繋がっている脈絡の無い話。
ホッパーの画のような夜中のファミレスで、本を読んでいた彼女を迎えに来た僕は、彼女の前に座って何も言わず彼女の顔を見ていた。のどかが死んでから3日経っていた。あの話をした帰り道、二人乗りでバイクに乗っていた僕たちは馬鹿げたピンク色の乗用車に僕たちは轢かれて、偶然生き残ったのは僕だけだった。のどかは即死だった。病院で形を整えられた死体を呆然と眺めていたユキは「トイレに行ってくる」と行って、そのまま行方不明になった。
本を閉じてアイスクリームが溶けきったクリームソーダをかき混ぜながら「トイレが見つからなくて」と悪気がなさそうにユキは僕に言った。僕は何も言えなかった。言えることなんて何もなかった。「何読んでたの?」と僕はユキに訊いた。「『ピギー・スニードを救う話』」とユキは答えた。「トイレは見つかった?」と訊くと「そういうえば『トレインスポッティング』で主人公がトイレの中に落としたヘロインか何かを潜って探す話があったけど。」そう言いながらユキは笑った。笑った顔は母親と見分けがつかなかったし、「ねぇ」とユキが続けると、その口調は全くのどかと同じものだった。「私あなたと暮らしたい」「君には父親がいる」「これは私も知らなかったことなんだけど、彼は本当はお母さんのお姉さんのことが好きみたいなの。」「どういうこと?」彼女は流暢なドイツ語で何か言った。ドイツ語を話せるなんて知らなかった。「私は誰の代わりにもなれなかったし、必要とする誰かもいないってこと。」「君のお父さんに相談しなきゃいけない。」「お父さんって?どっちの?」意地悪そうにユキは言った。顎に片手を当てて退屈そうな顔をする彼女がもう一度のどかに見えた。それから彼女は続けた。「もう連絡はしてある。『パパが私の顔を見て嫉妬を感じる必要はもう無いのよ。』って。」彼女は大した話じゃないといった感じでそう言った。「ファミレスって凄い名前だと思わない。ファミリーレストランの略よ。」とユキは言った。急に話が飛ぶのまで似ていた。どこかで意味が繋がっている脈絡の無い話。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]
2010年6月28日 映画
今日、昼飯を会社の友達たちと食ってたら、土日にアニメのエヴァンゲリオンを1話から最後まで観たって言ってて、「根性論ばっかりで面白くなかった」って言ってて、そういう見方をしたことなかったし、そういう見方をしてるひとをみたこともなかったらから、斬新で面白かった。
俺は、エヴァンゲリオン好きなんだけど、ミサトが「使徒と戦えば、あなたは死ぬかもしれない。でも、もしシンジくんが戦わなかったら、間違いなく全人類は今度こそ絶滅する。もちろん人類が全て死ねばあなたも死ぬ。だからあなたが死にたくないならどちらにしろ戦わなきゃいけない。あなたが戦う以外方法はないの。死にたくないでしょ?お願い、エヴァに乗って。」とか論理的に畳みかけたりしたら面白いと思った。
ちなみに、その同僚は攻殻機動隊は面白いって言ってた。そうだろうなって思った。
俺は、エヴァンゲリオン好きなんだけど、ミサトが「使徒と戦えば、あなたは死ぬかもしれない。でも、もしシンジくんが戦わなかったら、間違いなく全人類は今度こそ絶滅する。もちろん人類が全て死ねばあなたも死ぬ。だからあなたが死にたくないならどちらにしろ戦わなきゃいけない。あなたが戦う以外方法はないの。死にたくないでしょ?お願い、エヴァに乗って。」とか論理的に畳みかけたりしたら面白いと思った。
ちなみに、その同僚は攻殻機動隊は面白いって言ってた。そうだろうなって思った。
群像新人賞
http://shop.kodansha.jp/bc/books/bungei/gunzo/literary.html
~400*250 = 100,000文字
400*200 = 80,000文字を想定
ダ・ヴィンチ文学賞
http://web-davinci.jp/contents/literary/index.php
400*100~200 = 40,000~80,000文字
400*150 = 60,000文字を想定
http://shop.kodansha.jp/bc/books/bungei/gunzo/literary.html
~400*250 = 100,000文字
400*200 = 80,000文字を想定
ダ・ヴィンチ文学賞
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400*100~200 = 40,000~80,000文字
400*150 = 60,000文字を想定
True Religion 42
2010年6月17日 コミューンと記録メモと書くことこんな言葉が印字されたTシャツをユキが着ていた。
*************
GOD IS LIKE…
God is like Coke...He’s the real thing.
God is like Pan Am...He makes the going great.
God is like General Electric...He lights your path.
God is like Bayer Aspirin...He works wonders.
God is like Hallmark Cards...He eares enough to send the very best.
God is like Tide...He gets the stains out that others leave behind.
God is like VO5 Hair Spray...He holds through all kinds of weather.
God is like Dial Soap...Aren’t you glad you know Him? Don’t you wish everyone did?
God is like Sear...He has everything.
God is like Alka Seltzer...Try Him, you’ll like Him.
God is like Scotch Tape...You can’t see Him, but you know he’s there.
*************
僕たちは信仰のなかで生きている。
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GOD IS LIKE…
God is like Coke...He’s the real thing.
God is like Pan Am...He makes the going great.
God is like General Electric...He lights your path.
God is like Bayer Aspirin...He works wonders.
God is like Hallmark Cards...He eares enough to send the very best.
God is like Tide...He gets the stains out that others leave behind.
God is like VO5 Hair Spray...He holds through all kinds of weather.
God is like Dial Soap...Aren’t you glad you know Him? Don’t you wish everyone did?
God is like Sear...He has everything.
God is like Alka Seltzer...Try Him, you’ll like Him.
God is like Scotch Tape...You can’t see Him, but you know he’s there.
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僕たちは信仰のなかで生きている。
Fine Romance 98/100
2010年6月16日 コミューンと記録メモと書くこと コメント (2)何も映らないHMDを眺めながらユキは「ちょっと悔しいんだけど」と呟いた。「ちょっともう一回時間戻して」と言うとコメディアンの目の前に立っているところから再開された。ユキは動作をキャプチャしたデータを解析して自分の所作セットに組み込んだ。動きが再現されてコメディアンに全部の蹴りを打ち込んで、カタナを突き刺してとどめをさした。「それ、デコイよ。」とサエリが信じられないといった口調でユキに言った。「デコイ?」「おとり。」「さらに言うと私が捕まえたミダスもそう。」「じゃあ私たちは偽物を追いかけてたってこと?」「そうみたい。」「本体は?」「いない。」「いない?」「どういうこと?」「あの子凄いわ。私が作ったシステムの復元の機能、見てるそばから見よう見真似で同じプログラムをこの短時間で作り上げて、それを応用して、過去に戻って自分たちだけ違う未来、私たちが邪魔をしない未来に分岐して進んでいったの。私たちが相手をしていた場面とは違う現在で活動していたの。」「じゃあこれは?」「ただのデータよ。そうはいってもどちらか本物っていうことはないの。全く同じデータであれば。」そこでミダスが喋った。「もう僕たちは向こう側に行ったよ。残ったのは分岐した未来に行けなかった僕と、そこにいる彼だ。コメディアンのデータはマスターデータは消し去ってある。」「これよ」とサエリが言った。心底嬉しそうだった。「ねぇ、知ってた?エージェントのシステム達の中だけでも生存本能を持っているのはあなたとその恋人だけなのよ?こうやって私の裏をかいて素晴らしい仕組みを作って管理者である私を欺いてその上を行けるのは。」「それで俺たちはどうなる?」とカタギリくんは言った。「どうもしないわ。ミダスくんに関しては消しちゃうわ。」「ちょっと待って。」とユキは言った。「なんかそれって可哀想。その機械人形にインストールできないの?」「うーん。勝手にこの世界の破壊工作されても困るのよね。」「じゃあ彼も私の中に入れて。」「それ本気で言ってるの?」「この際私のなかにいるのが二人でも三人でも変わらないわ。」「いいけど…。本当に気が狂っちゃうかもしれないのよ?」「別に。」「そう。じゃあ始めるわよ。」「え、もう?」「何か躊躇うことなんてあるの?10秒で終わるわ。」「ねぇ、そういえばそこにいる彼ももしかして二人いるってこと?」「うん。」「殺しちゃうの?」「んー、面白いからこの世界で初めて同一の、同じ遺伝子と同じ記憶を持った存在として、私の下で働いてもらうわ。」カタギリくんは笑い始めた。そして・・・
HMDを外したユキは立ち上がってフラフラと歩き始めた。全てが新鮮だ。
HMDを外したユキは立ち上がってフラフラと歩き始めた。全てが新鮮だ。
最初に載ってる『彼氏島』ってのが凄い面白くて、設定だけ考えて最終的にオチをどうつけようか悩んであんな感じにしたと思うんだけど、面白かったわ。端的にいうと、男(かっこいい男だけ)しかいない島に漂流した女の子の話。文体とか日本の年くった女が無理やり若い感じ出して書いた文章とか、若いには若いんだけど教室の隅で本を読んでばっかりの眼鏡かけた女の子って感じの娘が書いたって感じじゃなくて、洋服が好きで適度に男と遊んでてそれなりに派手な女友達(notわざとらしい派手さ)が多くてユーモアもそれなりにあるししかも文才もある、みたいな女の子が遊びで適当に書いてみましたーって感じの文章で(実際にそういうタイプのひとかは知らんけど、そういうのって文章の節々が想像で誤魔化せない気がする。)大好物。それ系で言ったら『ブロンド娘の野望』とかも大好き。(そういう小説書いてる日本の女の子いないかな。『わたし彼女』は違うし、『蛇にピアス』のひとも似て非なる。)
つか、俺もこの設定パクって短編書きたいわ。漂流して行き着いたら超魅力的な女の子しかいなくてさぁどうなる!みたいな話。
つか、外人の女の子が小説で「トムってマジでキュート」とか書くけど、日本人の女の子が小説で男のことを「タカシくんって超かわいい」とは書かないし、海の向こうの女の子達は男の可愛さとかに重きを置くけど、日本の女の子はあんまり男で可愛いとか興味ないっぽいな。
(よくよく考えたら、これってイケメンパラダイスってことじゃないですか…。)
で、調べてみました、『彼氏島』の作者ステイシー・リクター。
オフィシャルサイト
http://www.staceyrichter.com/
wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Stacey_Richter
顔
http://www.counterpointpress.com/images/authors/richter.jpg
オフィシャルサイトがカワイイぜ
つか、年齢が45!!!笑
つか、俺もこの設定パクって短編書きたいわ。漂流して行き着いたら超魅力的な女の子しかいなくてさぁどうなる!みたいな話。
つか、外人の女の子が小説で「トムってマジでキュート」とか書くけど、日本人の女の子が小説で男のことを「タカシくんって超かわいい」とは書かないし、海の向こうの女の子達は男の可愛さとかに重きを置くけど、日本の女の子はあんまり男で可愛いとか興味ないっぽいな。
(よくよく考えたら、これってイケメンパラダイスってことじゃないですか…。)
で、調べてみました、『彼氏島』の作者ステイシー・リクター。
オフィシャルサイト
http://www.staceyrichter.com/
wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Stacey_Richter
顔
http://www.counterpointpress.com/images/authors/richter.jpg
オフィシャルサイトがカワイイぜ
つか、年齢が45!!!笑
レベルE 1 (ジャンプ・コミックス)
2010年6月12日 読書 コメント (2)
久々に読み直したら(つか、ここで前にレビューした気がする)、異常に面白かった。
天才って呼ばれる冨樫義博の作品のなかでもさらに群を抜いて面白い。あと、これを読むとどれだけ絵が上手いのかよく分かる。凄すぎて比べることのできるマンガの作品がほとんどないからあれなんだけど、あえて挙げるとしたら遠藤浩輝の『EDEN』とか新井英樹の『ワールドイズマイン』(もしくは『Rin』)とかそのへんくらいしか思い浮かばない。
ちなみに、これを読んだあとに『潔く柔く』を読んだ。女の子って幸せな生き物だと思った。
つか、マンガを読むたびに思うんだけど、凄いマンガに比べると、凄い小説って少なすぎると思った。なんでだろう。
天才って呼ばれる冨樫義博の作品のなかでもさらに群を抜いて面白い。あと、これを読むとどれだけ絵が上手いのかよく分かる。凄すぎて比べることのできるマンガの作品がほとんどないからあれなんだけど、あえて挙げるとしたら遠藤浩輝の『EDEN』とか新井英樹の『ワールドイズマイン』(もしくは『Rin』)とかそのへんくらいしか思い浮かばない。
ちなみに、これを読んだあとに『潔く柔く』を読んだ。女の子って幸せな生き物だと思った。
つか、マンガを読むたびに思うんだけど、凄いマンガに比べると、凄い小説って少なすぎると思った。なんでだろう。
True Religion 41
2010年6月12日 コミューンと記録メモと書くこと*************
「えっと、俺は嘘をついた。渋谷のアトムを5時に出て、渋谷のオルガンバーに行った。本当になんとなくで無意識が会いたいひと達に会いたいって言っていた。そこでKというミュージシャンが今晩は珍しく5時ごろまでDJをしていた。暗闇にDJブースを照らす照明から反射する光がいつもみたいに孤独な横顔を照らしてたし、そう、大切な友人Kもうそうだけど、アルコール一晩10杯目の勢いで僕は隣に立ったAという女性に声をかけた。いつだったか、それは文章にして公開したはずだけど、僕が仕事をやめて金もなくなって、という頃に『次、新宿のイベントで会おう』と約束したまま、金がなくて、ちょうどその頃表向きは甲斐性ないことを理由に失恋していた僕は、表向きの理由を表向きのまま受け取って、失意のまま、金のないままAに会えないと思って、Aにそのまま会えなかった。そして、職に就いて、夜遊びができるようになったのはその8ヵ月後くらいだったけど、話しかけた僕をAは無視した。当然といえば当然だけど、僕は彼女に許されることをずっと待っていて、それでやっとAに声をかけることができた。彼女の肩のあたりをそっと指で触れて僕は『久しぶり』と言った。本当に久しぶりだった。ずっと彼女と話したいと思っていた。それはリプレイだった。初めて彼女が僕の腕を引き寄せて、腕を絡めたときも、その場所だった。シンプルな顔の作りで割と男にしたら男前っぽくて、素直な性格で、音楽を聴くとき時々目をつむって少し顔を上にそらして官能的な表情をした。そして、あのときみたいに彼女は僕の腕に腕を絡めた。ちょうど1年半ぶりくらいか。『げんきにしてた?』と彼女に訊くと、すこし考えて『ぼちぼち』と言った。前には見なかった目じりの皺が、僕の知らない彼女の生活や事情や悩みを物語ってもいたし、ともかく僕はやたらと懺悔したかった。『お酒おごるよ。』と僕は言った。『別にいいよ。』『詫びたい気持ちなんだ』『なにそれ』『とにかく詫びたい気持ちなんだよ。おごらせて。』『じゃー、飲むってことは君も飲むんだよ。』と言って僕たちはカウンターに向かった。『ここ来るまで何してたの?』とグラスに注がれたメニュー表にない特別な日本酒を飲みながら彼女は僕に訊いて、そして僕は嘘をついた。『朝まで友達と飲んでたんだよ。』『どのへんで?』女のカンってやつか、だって、『別のイベントでフロアで踊りながら女の子と腰を擦り合わせていた』なんて言えるわけない。『センター街の入り口あたりの、ブックファーストの近くのやる気茶屋。で、友達は別にクラブとか好きじゃないから。解散してこっち来た。』僕は話を変える。『旦那さんは?』と訊くと『向こうの方』と言って真っ暗なフロアを指差して言った。『真っ暗だから見えない』とAは言った。そのあと細々としたことを少し喋って僕の携帯電話の番号を伝えた。彼女の携帯電話に僕の番号を打ち込んで、電話をかけて僕の右ポケットが揺れるまで待った。『そっちから電話かけてよ』と僕は言って、『俺って頭よくない?』と笑いながら言った。『平日の夜8時過ぎと土日はいつも空いているから。』と僕は言った。『土日は無理だけど、平日なら!』と少し明るい表情でAは言った。そのあと、Aの旦那がフロアから現れて、それと前後して兵庫に住んでるベーシストの女の子とKもラウンジに戻ってきた。ベーシストの女の子に会うのは2ヶ月ぶりで、僕は矢継ぎ早に質問と会話をして、合間にKさんがお酒を奢ってくれた。初めて見る凄く可愛い女の子もいた。テキーラショットを飲んだあとの僕はいつもの僕100人分くらいの言葉を吐き出して、途中でベーシストの子も僕に『ここ来るまで何してたの?』と訊いた。世界中の全ての女の子に同じ嘘の話をしなきゃいけなくなるかと思った。そのあとAと、その旦那は帰って、さらにそのあとベーシストの女の子と僕はKさんに朝ごはんに誘われて近くのランプ亭に行った。いつもより喋れる、とKさんに伝えていたので僕が主に朝食の話題を話した。横浜に住んでた頃好きだった靴屋の女の子の話と、その女の子に渋谷のツタヤで最悪の再開をした話。靴屋のもうひとりの髪の黒い女の子がその彼氏と二人で歩いてたのを見かけた話。要すると、話としては失恋した相手の女の子の恋人が冴えなくていまだに納得できてないし、そのせいで僕は歪んだ。という話だった。あとは僕が女の子に対する最後の一押しが弱い話を3つか4つ。好きだった女の子と同じベッドで寝て、胸を触ろうとしたら押しのけられて、セックスを諦めたら翌日からその女の子と連絡がとれなくなったとかいろいろ。らんぷ亭を出ると7時過ぎで、ベーシストの女の子に夕方浅草に行こうと誘ったけど、断られて、そのあとマンガ喫茶に行った。もしかしたら、彼女に強引にデートに誘ったらうまくいったんじゃないかと、いまこの文章を書きながら気づいた。リプレイ。そう、あとひとつ、書くことがあって、ベーシストの子と話をしながら、Kさんに『どうすればKさんみたいになれますか?』と訊いて『あんまり喋らなきゃいいんじゃない?』と言われた。らんぷ亭でも『黙っていればモテる』と言われた。けれど、その言い分は凄くよく分かるし、実際そうなんだろうけど、喋らないことで女が寄ってくるとしても、秘密にすべきことを秘密にしたとしても、喋りたいこと、いや、書きたいことを書きたいように書けなくなったり、女の子のいる前で恋愛遍歴をべらべら喋らないのは賢いし正しい選択だろうけど、それはやっぱり何か違う、と思ったし、そう思ったことを僕は言った。」
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「えっと、俺は嘘をついた。渋谷のアトムを5時に出て、渋谷のオルガンバーに行った。本当になんとなくで無意識が会いたいひと達に会いたいって言っていた。そこでKというミュージシャンが今晩は珍しく5時ごろまでDJをしていた。暗闇にDJブースを照らす照明から反射する光がいつもみたいに孤独な横顔を照らしてたし、そう、大切な友人Kもうそうだけど、アルコール一晩10杯目の勢いで僕は隣に立ったAという女性に声をかけた。いつだったか、それは文章にして公開したはずだけど、僕が仕事をやめて金もなくなって、という頃に『次、新宿のイベントで会おう』と約束したまま、金がなくて、ちょうどその頃表向きは甲斐性ないことを理由に失恋していた僕は、表向きの理由を表向きのまま受け取って、失意のまま、金のないままAに会えないと思って、Aにそのまま会えなかった。そして、職に就いて、夜遊びができるようになったのはその8ヵ月後くらいだったけど、話しかけた僕をAは無視した。当然といえば当然だけど、僕は彼女に許されることをずっと待っていて、それでやっとAに声をかけることができた。彼女の肩のあたりをそっと指で触れて僕は『久しぶり』と言った。本当に久しぶりだった。ずっと彼女と話したいと思っていた。それはリプレイだった。初めて彼女が僕の腕を引き寄せて、腕を絡めたときも、その場所だった。シンプルな顔の作りで割と男にしたら男前っぽくて、素直な性格で、音楽を聴くとき時々目をつむって少し顔を上にそらして官能的な表情をした。そして、あのときみたいに彼女は僕の腕に腕を絡めた。ちょうど1年半ぶりくらいか。『げんきにしてた?』と彼女に訊くと、すこし考えて『ぼちぼち』と言った。前には見なかった目じりの皺が、僕の知らない彼女の生活や事情や悩みを物語ってもいたし、ともかく僕はやたらと懺悔したかった。『お酒おごるよ。』と僕は言った。『別にいいよ。』『詫びたい気持ちなんだ』『なにそれ』『とにかく詫びたい気持ちなんだよ。おごらせて。』『じゃー、飲むってことは君も飲むんだよ。』と言って僕たちはカウンターに向かった。『ここ来るまで何してたの?』とグラスに注がれたメニュー表にない特別な日本酒を飲みながら彼女は僕に訊いて、そして僕は嘘をついた。『朝まで友達と飲んでたんだよ。』『どのへんで?』女のカンってやつか、だって、『別のイベントでフロアで踊りながら女の子と腰を擦り合わせていた』なんて言えるわけない。『センター街の入り口あたりの、ブックファーストの近くのやる気茶屋。で、友達は別にクラブとか好きじゃないから。解散してこっち来た。』僕は話を変える。『旦那さんは?』と訊くと『向こうの方』と言って真っ暗なフロアを指差して言った。『真っ暗だから見えない』とAは言った。そのあと細々としたことを少し喋って僕の携帯電話の番号を伝えた。彼女の携帯電話に僕の番号を打ち込んで、電話をかけて僕の右ポケットが揺れるまで待った。『そっちから電話かけてよ』と僕は言って、『俺って頭よくない?』と笑いながら言った。『平日の夜8時過ぎと土日はいつも空いているから。』と僕は言った。『土日は無理だけど、平日なら!』と少し明るい表情でAは言った。そのあと、Aの旦那がフロアから現れて、それと前後して兵庫に住んでるベーシストの女の子とKもラウンジに戻ってきた。ベーシストの女の子に会うのは2ヶ月ぶりで、僕は矢継ぎ早に質問と会話をして、合間にKさんがお酒を奢ってくれた。初めて見る凄く可愛い女の子もいた。テキーラショットを飲んだあとの僕はいつもの僕100人分くらいの言葉を吐き出して、途中でベーシストの子も僕に『ここ来るまで何してたの?』と訊いた。世界中の全ての女の子に同じ嘘の話をしなきゃいけなくなるかと思った。そのあとAと、その旦那は帰って、さらにそのあとベーシストの女の子と僕はKさんに朝ごはんに誘われて近くのランプ亭に行った。いつもより喋れる、とKさんに伝えていたので僕が主に朝食の話題を話した。横浜に住んでた頃好きだった靴屋の女の子の話と、その女の子に渋谷のツタヤで最悪の再開をした話。靴屋のもうひとりの髪の黒い女の子がその彼氏と二人で歩いてたのを見かけた話。要すると、話としては失恋した相手の女の子の恋人が冴えなくていまだに納得できてないし、そのせいで僕は歪んだ。という話だった。あとは僕が女の子に対する最後の一押しが弱い話を3つか4つ。好きだった女の子と同じベッドで寝て、胸を触ろうとしたら押しのけられて、セックスを諦めたら翌日からその女の子と連絡がとれなくなったとかいろいろ。らんぷ亭を出ると7時過ぎで、ベーシストの女の子に夕方浅草に行こうと誘ったけど、断られて、そのあとマンガ喫茶に行った。もしかしたら、彼女に強引にデートに誘ったらうまくいったんじゃないかと、いまこの文章を書きながら気づいた。リプレイ。そう、あとひとつ、書くことがあって、ベーシストの子と話をしながら、Kさんに『どうすればKさんみたいになれますか?』と訊いて『あんまり喋らなきゃいいんじゃない?』と言われた。らんぷ亭でも『黙っていればモテる』と言われた。けれど、その言い分は凄くよく分かるし、実際そうなんだろうけど、喋らないことで女が寄ってくるとしても、秘密にすべきことを秘密にしたとしても、喋りたいこと、いや、書きたいことを書きたいように書けなくなったり、女の子のいる前で恋愛遍歴をべらべら喋らないのは賢いし正しい選択だろうけど、それはやっぱり何か違う、と思ったし、そう思ったことを僕は言った。」
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さいきん全然面白いことない。
恋愛って、っていうよりか女の子が面倒で辛い。普通に連絡先交換してデートして手をつないでちゅーちゅーしたりするまでが異常に面倒。いや、1億歩譲ってそういう手間は許せるとして、その女がほかの男と普通にセックスとかして、俺とはその異常に面倒なその恋愛ごっこをしたがるのが糞。駆け引きしたいとかそのへんの路肩に頭ぶつけて死ねよ。とか思っても書いちゃだめだ。あうあー
まぁいいや。こうやって不満を書いておかないと実際的に傷つけたくなるし。
あと仕事の残業が地味にウザい
金か時間か、なんだけどどっちも余裕がない。転職したい。
あと引越ししたい。たぶん初台あたり。
『ブラヴォー・ツー・ゼロ』っていうノンフィクションの文庫本をブックオフで買って読んでる。面白い。本は良い。なぜなら、面倒な糞が何一つない。文字さえ読めれば本を開いて文章を読むだけだし、必要なときに必要な娯楽を望む限りいつも与えてくれる。何より本を読んでいて傷つくことはない。
恋愛って、っていうよりか女の子が面倒で辛い。普通に連絡先交換してデートして手をつないでちゅーちゅーしたりするまでが異常に面倒。いや、1億歩譲ってそういう手間は許せるとして、その女がほかの男と普通にセックスとかして、俺とはその異常に面倒なその恋愛ごっこをしたがるのが糞。駆け引きしたいとかそのへんの路肩に頭ぶつけて死ねよ。とか思っても書いちゃだめだ。あうあー
まぁいいや。こうやって不満を書いておかないと実際的に傷つけたくなるし。
あと仕事の残業が地味にウザい
金か時間か、なんだけどどっちも余裕がない。転職したい。
あと引越ししたい。たぶん初台あたり。
『ブラヴォー・ツー・ゼロ』っていうノンフィクションの文庫本をブックオフで買って読んでる。面白い。本は良い。なぜなら、面倒な糞が何一つない。文字さえ読めれば本を開いて文章を読むだけだし、必要なときに必要な娯楽を望む限りいつも与えてくれる。何より本を読んでいて傷つくことはない。
True Religion 40
2010年6月8日 コミューンと記録メモと書くことそして僕はさらに小説の続きを書く。
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20100527220507
先週クラブで知り合った女の子、番号交換したときに緊張して全然うまく喋れなかったし、これは電話しても絶対にうまくいかないだろ、って思ってた女の子に2時間くらい前に電話かけたんだけど、やっぱり電話繋がらなくて、はぁ、でもしょうがない、って思ってたんだけど、いま折り返し電話が来て
「もしもし」
「もしもし」
「誰ですか?」
「先週atomでお酒おごった」
って感じで言ったらちゃんと覚えててくれた!!
バイトの休憩中で「また明日電話していい?」って訊いて、明日また電話することになった。
やったーーーーーーー!!!!!!!!!!
はぁ。嬉しいぜ。
名前が分からなくて、奢ったお酒の名前を冠して「かみかぜ」って名前で僕の携帯に登録されてる、こしじまとしこ似のギャルのあの子と仲良くなりたい。
20100529065833
昨日の夜、電話したら、繋がった直後に電話切れたんだけど、なんだったんだろう。あんまりいい感じじゃない。
20100608073000
たったいま電話かかってきて起こされた・・・。
電話の内容はこんな感じだった
かみかぜ:もしもし
俺:はい(超寝起きの声)
かみかぜ:寝てた?
俺:寝てないよ(嘘)
かみかぜ:寝てたでしょ
俺:寝てないよ。っていうか電話かけてきてくれると思わなかった
かみかぜ:誰かわかんなくて
俺:誰でしょう!!??
かみかぜ:えーわかんないー
俺:わかんないのかよーーー
かみかぜ:わかんないから電話したんだもん
俺:デートしよーぜー(寝起きのテンションで若干どうでもいい)
かみかぜ:写メ送って
俺:わかんねーのかよ
かみかぜ:アトムで会ったでしょ
俺:そうそう(あー、ほかにもそういうのが沢山いるのか)
かみかぜ:髪なに色?
俺:髪の色って!!!(滅茶苦茶だな)
かみかぜ:なに色?
俺:黒。っていうか写メ送るアドレスわかんない
かみかぜ:ドコモでしょ。ショートメール送って
俺:了解。いまサイゼいるでしょ?(後ろで雑音がうるさい)
かみかぜ:なんで分かったの?
俺:俺もよくいくもん。で、フォカッチャ食ってんでしょ
かみかぜ:なんとかチキン食べてたよ(雑音でよく聞こえなかったけどたぶん「チキン」って言ってた)
俺:そっかー、俺の名前登録しといて
かみかぜ:名前知らないし
俺:***だよー
かみかぜ:おー
俺:じゃあまたね
かみかぜ:うん。じゃあねー
デートの判断基準に写メ送らせるとか笑える・・・
*************
*************
20100527220507
先週クラブで知り合った女の子、番号交換したときに緊張して全然うまく喋れなかったし、これは電話しても絶対にうまくいかないだろ、って思ってた女の子に2時間くらい前に電話かけたんだけど、やっぱり電話繋がらなくて、はぁ、でもしょうがない、って思ってたんだけど、いま折り返し電話が来て
「もしもし」
「もしもし」
「誰ですか?」
「先週atomでお酒おごった」
って感じで言ったらちゃんと覚えててくれた!!
バイトの休憩中で「また明日電話していい?」って訊いて、明日また電話することになった。
やったーーーーーーー!!!!!!!!!!
はぁ。嬉しいぜ。
名前が分からなくて、奢ったお酒の名前を冠して「かみかぜ」って名前で僕の携帯に登録されてる、こしじまとしこ似のギャルのあの子と仲良くなりたい。
20100529065833
昨日の夜、電話したら、繋がった直後に電話切れたんだけど、なんだったんだろう。あんまりいい感じじゃない。
20100608073000
たったいま電話かかってきて起こされた・・・。
電話の内容はこんな感じだった
かみかぜ:もしもし
俺:はい(超寝起きの声)
かみかぜ:寝てた?
俺:寝てないよ(嘘)
かみかぜ:寝てたでしょ
俺:寝てないよ。っていうか電話かけてきてくれると思わなかった
かみかぜ:誰かわかんなくて
俺:誰でしょう!!??
かみかぜ:えーわかんないー
俺:わかんないのかよーーー
かみかぜ:わかんないから電話したんだもん
俺:デートしよーぜー(寝起きのテンションで若干どうでもいい)
かみかぜ:写メ送って
俺:わかんねーのかよ
かみかぜ:アトムで会ったでしょ
俺:そうそう(あー、ほかにもそういうのが沢山いるのか)
かみかぜ:髪なに色?
俺:髪の色って!!!(滅茶苦茶だな)
かみかぜ:なに色?
俺:黒。っていうか写メ送るアドレスわかんない
かみかぜ:ドコモでしょ。ショートメール送って
俺:了解。いまサイゼいるでしょ?(後ろで雑音がうるさい)
かみかぜ:なんで分かったの?
俺:俺もよくいくもん。で、フォカッチャ食ってんでしょ
かみかぜ:なんとかチキン食べてたよ(雑音でよく聞こえなかったけどたぶん「チキン」って言ってた)
俺:そっかー、俺の名前登録しといて
かみかぜ:名前知らないし
俺:***だよー
かみかぜ:おー
俺:じゃあまたね
かみかぜ:うん。じゃあねー
デートの判断基準に写メ送らせるとか笑える・・・
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True Religion 39
2010年6月7日 コミューンと記録メモと書くこと「んー、こういう話を書いてる。
Aは全体的に冴えない男(禿・オタク・無職・童貞)で、アイドルを追いかけてたんだけど、幼なじみのBがアイドルとして突然ブレイクする。それまで兄弟のように仲の良かった(恋仲ではない)二人は疎遠になる。
手の届かない存在になっていくBを思うけど、どうせ俺はだめだよ、とかそんな感じでAは諦める。BはいまだにAのことが好き。そのことにAは気付かない。
Aはどんどん自暴自棄になって暴飲暴食して禿・オタク・無職・童貞にデブが追加されて、引きこもりが悪化して、そのうえ居酒屋で喧嘩を売られて殴ったり殴られたりになって男前の店長に助けられる。で、その店長に弱音を吐き出す。この場面でAのピュアピュアぶりが語り出される。
話し終えるとテレビでBの姿を見つける。理想の恋人コーナーで書いた似顔絵がAにそっくりで、それで、「お、おれ、やるわ。」つってAは自分を変えようと努力を始める。
でも、元が元だから全然駄目だから心折れちゃうんだけど、そこを男前の店長に活を入れられて復活する。
で、男前の店長が師匠になって、ベスト・キッドばりの修行を経て、最終的に超イケメンになる。でも童貞。
それで偽名でジュノンボーイみたいなやつをくぐり抜けてAも芸能人になる。で、偽名のまんま素性を伏せてBとドラマで共演することになる。BはAがAだってことに気付かないしAはそれでいいと思っている。最後に愛の告白と共にそれを伝えようと考えている。
ドラマの撮影は終わって、Aのことを気に入った番組のプロデューサーにある、偉い人や有名なひとや金持ちが集まる、あるパーティーの招待状を受け取り、そこにBもいると伝えられる。
花束を持った死ぬほど冴えてるAは待ち望んだ夢のようなその瞬間のために生きていた。パークハイアットに入って、ロビーを歩き、エレベーターを登り、貸切のその部屋の扉を開けてそこで見たものは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
っていう、ひとりの人間が完璧に壊れちゃう話を書いていて、どうだろう。」
会場の片隅で初めてあった女のひとに、自分が小説家だと紹介したあと(最初、配管工だって説明したけど、彼女は納得しなかった。)、彼女は「どんな話を書いているの?」と訊かれて、その場で考えたあらすじを話した。多少酔っ払っていたのかもしれない。攻撃的な気持ちになっていた。
彼女は「本当はもっと酷いし醜いし、あなたの考えてることは現実のことに比べたら自分で思ってるほど全然酷くない。」と彼女は言った。彼女は凄く怒っているように見えた。彼女がテレビにも映画にも出ている有名なとても成功した女優だと知ったのはそのあとすぐだった。政治評論家だか馬主だかなんだかの男が彼女に言った社交辞令で知った。僕の部屋にテレビはない。知る必要のない真実と同じくらい不要なものだったからだ。
Aは全体的に冴えない男(禿・オタク・無職・童貞)で、アイドルを追いかけてたんだけど、幼なじみのBがアイドルとして突然ブレイクする。それまで兄弟のように仲の良かった(恋仲ではない)二人は疎遠になる。
手の届かない存在になっていくBを思うけど、どうせ俺はだめだよ、とかそんな感じでAは諦める。BはいまだにAのことが好き。そのことにAは気付かない。
Aはどんどん自暴自棄になって暴飲暴食して禿・オタク・無職・童貞にデブが追加されて、引きこもりが悪化して、そのうえ居酒屋で喧嘩を売られて殴ったり殴られたりになって男前の店長に助けられる。で、その店長に弱音を吐き出す。この場面でAのピュアピュアぶりが語り出される。
話し終えるとテレビでBの姿を見つける。理想の恋人コーナーで書いた似顔絵がAにそっくりで、それで、「お、おれ、やるわ。」つってAは自分を変えようと努力を始める。
でも、元が元だから全然駄目だから心折れちゃうんだけど、そこを男前の店長に活を入れられて復活する。
で、男前の店長が師匠になって、ベスト・キッドばりの修行を経て、最終的に超イケメンになる。でも童貞。
それで偽名でジュノンボーイみたいなやつをくぐり抜けてAも芸能人になる。で、偽名のまんま素性を伏せてBとドラマで共演することになる。BはAがAだってことに気付かないしAはそれでいいと思っている。最後に愛の告白と共にそれを伝えようと考えている。
ドラマの撮影は終わって、Aのことを気に入った番組のプロデューサーにある、偉い人や有名なひとや金持ちが集まる、あるパーティーの招待状を受け取り、そこにBもいると伝えられる。
花束を持った死ぬほど冴えてるAは待ち望んだ夢のようなその瞬間のために生きていた。パークハイアットに入って、ロビーを歩き、エレベーターを登り、貸切のその部屋の扉を開けてそこで見たものは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
っていう、ひとりの人間が完璧に壊れちゃう話を書いていて、どうだろう。」
会場の片隅で初めてあった女のひとに、自分が小説家だと紹介したあと(最初、配管工だって説明したけど、彼女は納得しなかった。)、彼女は「どんな話を書いているの?」と訊かれて、その場で考えたあらすじを話した。多少酔っ払っていたのかもしれない。攻撃的な気持ちになっていた。
彼女は「本当はもっと酷いし醜いし、あなたの考えてることは現実のことに比べたら自分で思ってるほど全然酷くない。」と彼女は言った。彼女は凄く怒っているように見えた。彼女がテレビにも映画にも出ている有名なとても成功した女優だと知ったのはそのあとすぐだった。政治評論家だか馬主だかなんだかの男が彼女に言った社交辞令で知った。僕の部屋にテレビはない。知る必要のない真実と同じくらい不要なものだったからだ。
zazen boyzか銀杏BOYZかbloodthirsty butchersか相対性理論。特に相対性理論。
ここ3年くらいライブ行ってない。
あと、誰かと動物園に行きたい。二人でのんびり歩く象とかキリンとか眺めながら手をつないでいたい。けど、動物園に行って楽しめるひとって少ない。だいたい女の子って動物園より水族館が好きっていうイメージがある。水族館といえば、葛西臨海公園の近くの水族館に小さい頃父親と行って、バカでかいドーナツ型の水槽を回遊するマグロや、触れることのできたヒトデや、クリームソーダのことを思い出す。ストローで息を吹き込んで泡でアイスが転がっていたこととか。
http://www.youtube.com/watch?v=NIW8ar_9uVo
ここ3年くらいライブ行ってない。
あと、誰かと動物園に行きたい。二人でのんびり歩く象とかキリンとか眺めながら手をつないでいたい。けど、動物園に行って楽しめるひとって少ない。だいたい女の子って動物園より水族館が好きっていうイメージがある。水族館といえば、葛西臨海公園の近くの水族館に小さい頃父親と行って、バカでかいドーナツ型の水槽を回遊するマグロや、触れることのできたヒトデや、クリームソーダのことを思い出す。ストローで息を吹き込んで泡でアイスが転がっていたこととか。
http://www.youtube.com/watch?v=NIW8ar_9uVo
True Religion 38
2010年5月31日 コミューンと記録メモと書くこと会場についた僕はまたノートパソコンを開いて続きを書く。
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ヤリマンの女の子はあんまりヤリマンじゃなかった。傷つきやすい傷ついたことのある繊細などこにでもいる女の子だった。特定の恋人以外に寝る相手のいる女の子がヤリマンだっていうなら、程度の問題は別としても、世の中の少なくない女の子がヤリマンだし、実際に女の子に向かって「お前ヤリマンだな」って言ったこともあるけど(僕は彼女のことが好きだった)、非難するなら諸々のそういう女の子達全員を非難しなきゃいけない気もするし、最近、だいたいいつも女の子を軽蔑してる。ともかく、彼女は割と僕のことを気に入ってるみたいだし、彼女の不安を解消するみたいに、関係を深めようと(それを彼女は怖がっているようにも見える。それなのに彼女は人をきちんと好きになるようにできている。自分を軽く見せようとしてる真面目な女の子だと思う。)思ってる。けれど、彼女が僕のことを好きだとしても、他の男と寝てるのは間違いなくて、でも、そのうち彼女が僕に身体を許してくれるときに、何か特別な愛情を示してくれるなら、そういうことだって許せる気がする。
自分は悪くないみたいに、右手で簡単に人を裏切って、左手で自分を被害者みたいに見せる。いつも誰だってそうだ。ジレンマ。ほかに男がいる女の子が僕を求めるとき、その女の子は僕に他の女の子と繋がることを許さない。僕が女の子に求めるのは(そして女の子に許してほしいのは)、自分の気持ちに忠実だっていう誠実さで、それを認めれば、最後には相手に伝えることの許されない傷とわだかまりと苛立ちが残る。嘘と無神経さと優しさと欲望がミキサーで混ざったドロドロのそれを、嘘を見抜いたまま、騙されたままでいることを自分に言い聞かせることのできない僕は、そのどこにでもある混ざり合った奇形のクソを崩壊させてしまう。少し後ろに下がって眺めてしまえば、こんなの汚い嘘(不思議と僕は見透かすことができる。そんなことできるようにはなりたくなかったのに。)だらけだってことに気付いて、いつも馬鹿らしくなってシラけた気持ちになる。なんでみんなこんな馬鹿げた劇に本気になれるんだろうって。みんな自分や他人の嘘や裏切りや矛盾に気付かないほど馬鹿なのか、実は気付かないで済むような訓練があって、僕だけそれを受けてないだけなんだろうかって。
本当は、誰かひとりがいて、そのひとだけが僕だけを好きで、僕だけがそのひとだけを好きで、それだけで本当は十分なのに、いつもうまくいかない。本当はそうだったらいいのにっていつも思ってる。
きっと彼女は、いつものように、いままで出会った沢山の女の子達と同様、自分を棚にあげて、僕が浮気したとか傷つけられたとかいって、自分だけが傷ついたって思い込んだまま、いつか僕を捨てて、それからまた同じことを繰り返すのかもしれない。
それは彼女だけのことじゃない。僕だってそうだし、君も同じだ。うまくいけば僕はもっと醒めた人間になることができて、作業のようにバレない嘘をついて、それから器用に自分を騙すことができるようになるかもしれない。耐えられそうにない痛みに無感覚になって、失望することを諦めることができたら、そうやって軽蔑をしないで済むかもしれない。
「別にセックスできれば何でもいいや。」っていつも僕は笑いながら言う。女の子達はそれを聞いて僕を軽い人間だって思い込んで誰も気付かない。そう、僕は彼女と同じだ。だから彼女の苦しさが分かる。まともな神経だったら1秒だって耐えられない悲しみを、誰にも分からない無気力と投げやりな態度で必死に表現している。海の真ん中で溺れかけた人々のように、誰にも伝わることがないって分かりきってるのに、それでも「誰か助けて」って叫んでいる。
OK
大丈夫だ。僕は直感的に分かる。彼女が他の男とセックスしていることに気づいていて、彼女が僕のことを好きなことにも気づいているし、彼女がいつも泣いていることにも気づいている。
*************
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ヤリマンの女の子はあんまりヤリマンじゃなかった。傷つきやすい傷ついたことのある繊細などこにでもいる女の子だった。特定の恋人以外に寝る相手のいる女の子がヤリマンだっていうなら、程度の問題は別としても、世の中の少なくない女の子がヤリマンだし、実際に女の子に向かって「お前ヤリマンだな」って言ったこともあるけど(僕は彼女のことが好きだった)、非難するなら諸々のそういう女の子達全員を非難しなきゃいけない気もするし、最近、だいたいいつも女の子を軽蔑してる。ともかく、彼女は割と僕のことを気に入ってるみたいだし、彼女の不安を解消するみたいに、関係を深めようと(それを彼女は怖がっているようにも見える。それなのに彼女は人をきちんと好きになるようにできている。自分を軽く見せようとしてる真面目な女の子だと思う。)思ってる。けれど、彼女が僕のことを好きだとしても、他の男と寝てるのは間違いなくて、でも、そのうち彼女が僕に身体を許してくれるときに、何か特別な愛情を示してくれるなら、そういうことだって許せる気がする。
自分は悪くないみたいに、右手で簡単に人を裏切って、左手で自分を被害者みたいに見せる。いつも誰だってそうだ。ジレンマ。ほかに男がいる女の子が僕を求めるとき、その女の子は僕に他の女の子と繋がることを許さない。僕が女の子に求めるのは(そして女の子に許してほしいのは)、自分の気持ちに忠実だっていう誠実さで、それを認めれば、最後には相手に伝えることの許されない傷とわだかまりと苛立ちが残る。嘘と無神経さと優しさと欲望がミキサーで混ざったドロドロのそれを、嘘を見抜いたまま、騙されたままでいることを自分に言い聞かせることのできない僕は、そのどこにでもある混ざり合った奇形のクソを崩壊させてしまう。少し後ろに下がって眺めてしまえば、こんなの汚い嘘(不思議と僕は見透かすことができる。そんなことできるようにはなりたくなかったのに。)だらけだってことに気付いて、いつも馬鹿らしくなってシラけた気持ちになる。なんでみんなこんな馬鹿げた劇に本気になれるんだろうって。みんな自分や他人の嘘や裏切りや矛盾に気付かないほど馬鹿なのか、実は気付かないで済むような訓練があって、僕だけそれを受けてないだけなんだろうかって。
本当は、誰かひとりがいて、そのひとだけが僕だけを好きで、僕だけがそのひとだけを好きで、それだけで本当は十分なのに、いつもうまくいかない。本当はそうだったらいいのにっていつも思ってる。
きっと彼女は、いつものように、いままで出会った沢山の女の子達と同様、自分を棚にあげて、僕が浮気したとか傷つけられたとかいって、自分だけが傷ついたって思い込んだまま、いつか僕を捨てて、それからまた同じことを繰り返すのかもしれない。
それは彼女だけのことじゃない。僕だってそうだし、君も同じだ。うまくいけば僕はもっと醒めた人間になることができて、作業のようにバレない嘘をついて、それから器用に自分を騙すことができるようになるかもしれない。耐えられそうにない痛みに無感覚になって、失望することを諦めることができたら、そうやって軽蔑をしないで済むかもしれない。
「別にセックスできれば何でもいいや。」っていつも僕は笑いながら言う。女の子達はそれを聞いて僕を軽い人間だって思い込んで誰も気付かない。そう、僕は彼女と同じだ。だから彼女の苦しさが分かる。まともな神経だったら1秒だって耐えられない悲しみを、誰にも分からない無気力と投げやりな態度で必死に表現している。海の真ん中で溺れかけた人々のように、誰にも伝わることがないって分かりきってるのに、それでも「誰か助けて」って叫んでいる。
OK
大丈夫だ。僕は直感的に分かる。彼女が他の男とセックスしていることに気づいていて、彼女が僕のことを好きなことにも気づいているし、彼女がいつも泣いていることにも気づいている。
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