Fine Romance 95.5/100
2010年4月16日 コミューンと記録メモと書くこと「私、向こうに行ったら彼と結婚するの。」と彼女は隣で装着を始めながら言った。
「神父の前でアイボと並んで愛の誓いをするのか。」
彼女は少し笑った。
「準備できたよ。」とM氏は言った。
突然、排水口から水が逆流して泡を吐き出すようなごぽっという音が聞こえた。僕はそれがTRが向こうに繋がる合図の音だと思ったが、ヘッドフォン越しにMの「嘘だろ。」という言葉が聞こえた。「そんな」と彼は言った。不吉に感じた僕はHMDを外すと、コメディアンの喉に刀くらいの長さの発光する棒が刺さっていて、そのそばには、その棒より背の低い子どもが、TRの黒い筐体の上に立って、その光る棒の柄の部分を片手で握って、Mを見下ろしていた。
「さよなら。」とさっきまでは透明だっただろう、骨のように白い強化外殻を身にまとった子どもがいった。声変わり前の女の子の声だ。頭までボディースーツに覆われていて、目はなく、目と口に穴はなかった。こんなときにカタギリくんはまた場違いに、どうやって声を発したんだろうという疑問を持った。
「神父の前でアイボと並んで愛の誓いをするのか。」
彼女は少し笑った。
「準備できたよ。」とM氏は言った。
突然、排水口から水が逆流して泡を吐き出すようなごぽっという音が聞こえた。僕はそれがTRが向こうに繋がる合図の音だと思ったが、ヘッドフォン越しにMの「嘘だろ。」という言葉が聞こえた。「そんな」と彼は言った。不吉に感じた僕はHMDを外すと、コメディアンの喉に刀くらいの長さの発光する棒が刺さっていて、そのそばには、その棒より背の低い子どもが、TRの黒い筐体の上に立って、その光る棒の柄の部分を片手で握って、Mを見下ろしていた。
「さよなら。」とさっきまでは透明だっただろう、骨のように白い強化外殻を身にまとった子どもがいった。声変わり前の女の子の声だ。頭までボディースーツに覆われていて、目はなく、目と口に穴はなかった。こんなときにカタギリくんはまた場違いに、どうやって声を発したんだろうという疑問を持った。
PLAYER(初回限定生産盤)(DVD付)
2010年4月15日 音楽
capsule!!
kawaii!!!!!!!
『Can I have a word』を気に入って最近何度も何度も聴いてる
http://www.youtube.com/watch?v=Z6RlxD6lhqo
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『Can I have a word』を気に入って最近何度も何度も聴いてる
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SAW ソウ DTSエディション [DVD]
2010年4月15日 映画Fine Romance 95/100
2010年4月15日 コミューンと記録メモと書くことミサイルを目前にした透明の影はその場を動かず、爆炎と一緒に消えた。塵ひとつ残さなかったし、ミダスの熱感知のレーダーもその影を補足しなかった。
二人は息を切らして映画館やカフェが混在するビルにいて、カフェのテレビモニターには臨時速報として、白い飛行機や美術館のオブジェのような黒い物体を放映していて、それに目を凝らしていると、二人の足元によちよち歩きの機械仕掛けのペットが歩いてきた。
「やつは倒した。」
僕は驚いて「あの飛行機も同時に操作できるのかい?」と訊いた。
「僕自身をコピーして搭載した。自己複製だよ。」
まだ呼吸が整っていない彼女は「じゃあ彼らも生きてるの?」と言った。少し怒っているようにも見えた。
僕は「行こう。死にたくないだろ。」と二人に言った。
僕たちはTRの端末に座って、入力装置を装着しながら彼女に言った。
「もう会えないの?」
TRに不慣れの僕のために装置を身につける手伝いをしながら彼女は微笑んだ。
「あなたのことも好きよ。」と彼女は言った。
ミダスは何も言わなかった。さっきから向こう側への回路を構築していたが、実際は二人の会話を聞き流すようにするための方便のようにも思えた。
HMDをかぶせると、彼女はそっと僕に口づけをした。
二人は息を切らして映画館やカフェが混在するビルにいて、カフェのテレビモニターには臨時速報として、白い飛行機や美術館のオブジェのような黒い物体を放映していて、それに目を凝らしていると、二人の足元によちよち歩きの機械仕掛けのペットが歩いてきた。
「やつは倒した。」
僕は驚いて「あの飛行機も同時に操作できるのかい?」と訊いた。
「僕自身をコピーして搭載した。自己複製だよ。」
まだ呼吸が整っていない彼女は「じゃあ彼らも生きてるの?」と言った。少し怒っているようにも見えた。
僕は「行こう。死にたくないだろ。」と二人に言った。
僕たちはTRの端末に座って、入力装置を装着しながら彼女に言った。
「もう会えないの?」
TRに不慣れの僕のために装置を身につける手伝いをしながら彼女は微笑んだ。
「あなたのことも好きよ。」と彼女は言った。
ミダスは何も言わなかった。さっきから向こう側への回路を構築していたが、実際は二人の会話を聞き流すようにするための方便のようにも思えた。
HMDをかぶせると、彼女はそっと僕に口づけをした。
PSP「プレイステーション・ポータブル」 ピアノ・ブラック(PSP-3000PB)
2010年4月15日 ゲーム
会社のビンゴ大会で新品のPSP(白)を当てた友達から、今ままで使ってた中古のPSP(黒)を今度5000円(定価17000円、中古12000円を)で買い取ることになったー。
いい取引したぜ。
『MGS PW』とか超たのしみ。モンハンもやりたいな。
そういや、『1Q84』のブック1・2をただで友達にあげたら(基本的に小説は2度読みしないし、ハードカバー場所とるから)、ブック3発売したら買ってまず俺に貸してくれるとかで、Wii本体を1万円(定価2万円)で売ってもらったり(会社と僕の家が近いので会社帰りにみんなで遊ぶとかできるようになった)とか、良い取引ができるのを特技にしたいな。
お金=手間暇だとして、取引=人間関係だとしたら、人間関係を構築する良い方法は、タイミングを抑える技術とお互いのメリットを見つける技術なんだろうな。
いい取引したぜ。
『MGS PW』とか超たのしみ。モンハンもやりたいな。
そういや、『1Q84』のブック1・2をただで友達にあげたら(基本的に小説は2度読みしないし、ハードカバー場所とるから)、ブック3発売したら買ってまず俺に貸してくれるとかで、Wii本体を1万円(定価2万円)で売ってもらったり(会社と僕の家が近いので会社帰りにみんなで遊ぶとかできるようになった)とか、良い取引ができるのを特技にしたいな。
お金=手間暇だとして、取引=人間関係だとしたら、人間関係を構築する良い方法は、タイミングを抑える技術とお互いのメリットを見つける技術なんだろうな。
オナシスの生涯―欲しいものはすべて手に入れた男 (新潮文庫)
2010年4月13日 読書
ブックオフで100円で購入。読了。
面白い。629ページの分厚さを感じないほど読み進めさせる濃い話。
人物伝記の面白さはその対象に律速するとして、アリストテレス本人が言うように「とてつもない物語」だった。
これを読めばざっくりとした概略は分かる。
http://loan.money.jp.msn.com/special_fugo.php?num=20081112
アリの「考える力を持ったときが取引きを始めるときだ」の一言にシビれた。
それと、この文章は、本人とその家族の検閲が入っていないのが何よりも優れている点だと思う。
面白い。629ページの分厚さを感じないほど読み進めさせる濃い話。
人物伝記の面白さはその対象に律速するとして、アリストテレス本人が言うように「とてつもない物語」だった。
これを読めばざっくりとした概略は分かる。
http://loan.money.jp.msn.com/special_fugo.php?num=20081112
アリの「考える力を持ったときが取引きを始めるときだ」の一言にシビれた。
それと、この文章は、本人とその家族の検閲が入っていないのが何よりも優れている点だと思う。
機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]
2010年4月12日 映画
全体的にかっこいい映画で好き。
初代のほうも一緒に観て、そっちはつまらなかったけど、こっちは良かった。
基本的に、マンガのほうは能動的に楽しもうと思わないと楽しくないマンガだから、手っ取り早く、かっこいい映画を観たいひとはこっちを。
絵良し、話良し、細かいギャグ(テレビ番組の恐怖映像のパロディーとか)とか、あえて短所をあげるとしたら、話を動かすためにキャラが動くような頭でっかちさがあったところとか。
パトレイバーの大立ち回りがもっとあれば娯楽としてはポイント高かった気がするけど、そもそも警察のロボっていう時点で、がつがつ戦闘させるっていうのに無理があったっぽい。
あと、最近映画観る度に、悪役が魅力が物語の魅力だと思うようになってきた。
普通の物語では主人公は道徳とか法律とかに縛られるけど、それを無視して話を作り上げるのは悪役で、だから悪役の発想や人物像で仕掛ける問題の形や大きさで、それが話の幅を決まる。
マンガのパトレイバーの内海みたいなキャラクタが出てきたらよかったかなぁと思った。内海かっこよすぎた。
いまさらだけど、Wikipediaのパトレイバーの内容眺めてたら、マンガがどれだけ作りこまれた作品なのか思い知っていて、頭が下がる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC
初代のほうも一緒に観て、そっちはつまらなかったけど、こっちは良かった。
基本的に、マンガのほうは能動的に楽しもうと思わないと楽しくないマンガだから、手っ取り早く、かっこいい映画を観たいひとはこっちを。
絵良し、話良し、細かいギャグ(テレビ番組の恐怖映像のパロディーとか)とか、あえて短所をあげるとしたら、話を動かすためにキャラが動くような頭でっかちさがあったところとか。
パトレイバーの大立ち回りがもっとあれば娯楽としてはポイント高かった気がするけど、そもそも警察のロボっていう時点で、がつがつ戦闘させるっていうのに無理があったっぽい。
あと、最近映画観る度に、悪役が魅力が物語の魅力だと思うようになってきた。
普通の物語では主人公は道徳とか法律とかに縛られるけど、それを無視して話を作り上げるのは悪役で、だから悪役の発想や人物像で仕掛ける問題の形や大きさで、それが話の幅を決まる。
マンガのパトレイバーの内海みたいなキャラクタが出てきたらよかったかなぁと思った。内海かっこよすぎた。
いまさらだけど、Wikipediaのパトレイバーの内容眺めてたら、マンガがどれだけ作りこまれた作品なのか思い知っていて、頭が下がる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC
True Religion 30
2010年4月11日 コミューンと記録メモと書くこと『Modern Bohemian』
彼女は人間になりたかった。彼女の故郷の星では何もかもが理性的に行われて、感情とは動物的であり排除すべきもので、理性と計画がその世界を作り上げていた。合理性が何にもまして尊ばれていた。そしてそれが彼女の星の発展を止めていた。彼女は未発展の星に派遣されたエイリアンのひとりだった。最初、彼女は地球を身体の芯から嫌悪していた。争い続ける人間、無秩序な発展、近視眼的な公共政策、嫉妬や怒りや差別といった何も生み出さない感情に動かされ、それらを代表していたのは恋愛だった。彼女の星では恋愛という不合理で直情的で、暴力欲求に並んで性欲と恋愛感情は危険視されていて、暴力と性への欲求はプログラム上で抑制されていた。暴力性が生み出す発展への欲求は、社会的義務に置き換えられ、性や恋愛はなくなり、工場では社会に最適なデータライブラリを配合されたエイリアン達がそこで管理され、製造されていた。とはいっても、彼らの姿形は足は腕というものはなくて、彼らそのものといえるものは四角い1センチメートルに満たない小さな黒いチップだった。彼らの肉体は用途に応じて作られて、その用途に応じた肉体をチップがチップ対肉体の1対1の遠隔操作で制御するという仕組みだった。地球への伝送速度が地球人の肉体を操作するにはデータをやりとりするには距離がありすぎて、彼女は地球人の肉体に直接内蔵されていた。
初めて彼女が彼に出会ったとき、それは恋と呼べるようなものではなかった。彼女が担当となり調査している地球人のうちのひとりでしかなかった。彼女に与えられた役目は、男性の人類の頭に脳波を無線でレポートする機器を差し込むことだった。機器は小さく、後頭部に刺されたときに少しチクッとするだけで、指されると、皮膚に同化して外見上も見つからず、地球の医療機器でも検出されないウェットウェアだったが、問題はそれをどうやって差し込むかだった。
彼女が本部から受け取った指令はシンプルだった。その未開の星の下等生物と寝ること。
クールなスパイというより、それ以上視覚的に高めようのない、そして感情と表情のない、美しい、美しい女。彼女は地球の何百本もの映画から抽出された所作と会話セットのプログラムとインストールして、統計的に日本人男性にいちばん受け入れられやすいとコンピュータが判断した服装と、対象となった男の目線を解析して得た好み女性のファッションの中間をデータとして取り出した。肉体はあらかじめ作られていたもので変えようがなかったが、それは汎用性のためにどの人種にも受け入れられやすい一つのタイプが作られていた。彼女と全く同じ顔と肉体を持った女が地球には何人かいて、彼女と同じような任務にあたっていた。彼女の星には美しいという概念はなかった。色彩というものもなかったし、心地よく感じられる形状も、匂いも、温度もなかった。街を歩きながら何人もの男が、場違いにすら感じられるほどのその女を見た。
監視役のエイリアンから、男がよく行く寿司屋で寿司と日本酒を3杯飲んで、次にバーに行くところだと彼女に報告した。報告では、男はいつもそのバーでアルコールを5杯飲んでタクシーで帰るのが通例だった。計算では、最適なタイミングは男がそのバーで1杯飲んだあと、口説く女がいないか周りを見回すときだった。先に店に入っていたエイリアンから、対象が酒を飲み終えたと報告があったとき、女は店の前で無言、無表情で、ひとりの男をやりすごしていた。
男はこう声をかけた。
「誰か待ってるの?」
「……。」
「ねぇ、君。」
「……。」
「……。」
彼女の店の前で口説いていた男はそれでも諦めきれず、携帯電話の番号がかかれた紙(ほかに書く紙がなかったんだろう。よりによって5千円札だった。)を彼女は渡された。彼女は店に入った。
店のドアを開いた瞬間から、彼女は所作ライブラリのデータをロードして、往年の女優の良い部分を余す所なく取り入れた女性らしく、甘すぎず、清潔なのに色気のある歩き方で、彼の後ろを通り過ぎて、二つ席を開けてスツールに腰掛けた。男はいっぺんに酔いから醒めた。
彼女は人間になりたかった。彼女の故郷の星では何もかもが理性的に行われて、感情とは動物的であり排除すべきもので、理性と計画がその世界を作り上げていた。合理性が何にもまして尊ばれていた。そしてそれが彼女の星の発展を止めていた。彼女は未発展の星に派遣されたエイリアンのひとりだった。最初、彼女は地球を身体の芯から嫌悪していた。争い続ける人間、無秩序な発展、近視眼的な公共政策、嫉妬や怒りや差別といった何も生み出さない感情に動かされ、それらを代表していたのは恋愛だった。彼女の星では恋愛という不合理で直情的で、暴力欲求に並んで性欲と恋愛感情は危険視されていて、暴力と性への欲求はプログラム上で抑制されていた。暴力性が生み出す発展への欲求は、社会的義務に置き換えられ、性や恋愛はなくなり、工場では社会に最適なデータライブラリを配合されたエイリアン達がそこで管理され、製造されていた。とはいっても、彼らの姿形は足は腕というものはなくて、彼らそのものといえるものは四角い1センチメートルに満たない小さな黒いチップだった。彼らの肉体は用途に応じて作られて、その用途に応じた肉体をチップがチップ対肉体の1対1の遠隔操作で制御するという仕組みだった。地球への伝送速度が地球人の肉体を操作するにはデータをやりとりするには距離がありすぎて、彼女は地球人の肉体に直接内蔵されていた。
初めて彼女が彼に出会ったとき、それは恋と呼べるようなものではなかった。彼女が担当となり調査している地球人のうちのひとりでしかなかった。彼女に与えられた役目は、男性の人類の頭に脳波を無線でレポートする機器を差し込むことだった。機器は小さく、後頭部に刺されたときに少しチクッとするだけで、指されると、皮膚に同化して外見上も見つからず、地球の医療機器でも検出されないウェットウェアだったが、問題はそれをどうやって差し込むかだった。
彼女が本部から受け取った指令はシンプルだった。その未開の星の下等生物と寝ること。
クールなスパイというより、それ以上視覚的に高めようのない、そして感情と表情のない、美しい、美しい女。彼女は地球の何百本もの映画から抽出された所作と会話セットのプログラムとインストールして、統計的に日本人男性にいちばん受け入れられやすいとコンピュータが判断した服装と、対象となった男の目線を解析して得た好み女性のファッションの中間をデータとして取り出した。肉体はあらかじめ作られていたもので変えようがなかったが、それは汎用性のためにどの人種にも受け入れられやすい一つのタイプが作られていた。彼女と全く同じ顔と肉体を持った女が地球には何人かいて、彼女と同じような任務にあたっていた。彼女の星には美しいという概念はなかった。色彩というものもなかったし、心地よく感じられる形状も、匂いも、温度もなかった。街を歩きながら何人もの男が、場違いにすら感じられるほどのその女を見た。
監視役のエイリアンから、男がよく行く寿司屋で寿司と日本酒を3杯飲んで、次にバーに行くところだと彼女に報告した。報告では、男はいつもそのバーでアルコールを5杯飲んでタクシーで帰るのが通例だった。計算では、最適なタイミングは男がそのバーで1杯飲んだあと、口説く女がいないか周りを見回すときだった。先に店に入っていたエイリアンから、対象が酒を飲み終えたと報告があったとき、女は店の前で無言、無表情で、ひとりの男をやりすごしていた。
男はこう声をかけた。
「誰か待ってるの?」
「……。」
「ねぇ、君。」
「……。」
「……。」
彼女の店の前で口説いていた男はそれでも諦めきれず、携帯電話の番号がかかれた紙(ほかに書く紙がなかったんだろう。よりによって5千円札だった。)を彼女は渡された。彼女は店に入った。
店のドアを開いた瞬間から、彼女は所作ライブラリのデータをロードして、往年の女優の良い部分を余す所なく取り入れた女性らしく、甘すぎず、清潔なのに色気のある歩き方で、彼の後ろを通り過ぎて、二つ席を開けてスツールに腰掛けた。男はいっぺんに酔いから醒めた。
「どんな人間にもなりたくないんだけど、これも自意識なのかな?」って訊いたら「自意識でしょ」って即答されたんだけど、何が好きで何が好きじゃないかを突き詰めれば、それがなりたい人間かもしれないって今思った。
ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫)
2010年4月6日 読書 コメント (2)
読了
本の感想を書くとき、感想が多すぎて、どこから手をつけていいのかわからなくて、どうしてもこれだけはっていう部分だけ書こうと思ってるんだけど、ひとつ。
もともとランス・アームストロングが癌に打ち勝ってそのあと競技に戻るつもりで治療に入っていたところ(治療が成功するかどうかは別として)が、そのほうが面白いからっていう理由で「俺はもう自転車に乗れない」ばりのことが書いてあった。復帰後の試合で心折れた、みたいな部分もそういう点で、実際はもっと違う事情があって地元に戻ったんじゃないかと勘ぐった。
話としては凄い面白かった。
あと、もうひとつ。
読み終えてから、この男は結婚しても長続きしないタイプだろうな、って予想したんだけど、いまwikipediaを眺めていたら、この本の刊行後に実際に離婚してて予想が当たっていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0
本の感想を書くとき、感想が多すぎて、どこから手をつけていいのかわからなくて、どうしてもこれだけはっていう部分だけ書こうと思ってるんだけど、ひとつ。
もともとランス・アームストロングが癌に打ち勝ってそのあと競技に戻るつもりで治療に入っていたところ(治療が成功するかどうかは別として)が、そのほうが面白いからっていう理由で「俺はもう自転車に乗れない」ばりのことが書いてあった。復帰後の試合で心折れた、みたいな部分もそういう点で、実際はもっと違う事情があって地元に戻ったんじゃないかと勘ぐった。
話としては凄い面白かった。
あと、もうひとつ。
読み終えてから、この男は結婚しても長続きしないタイプだろうな、って予想したんだけど、いまwikipediaを眺めていたら、この本の刊行後に実際に離婚してて予想が当たっていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0
駄作かどうかが観終わってからじゃないと分からないっていうのが辛い。
本なら、最初のページ読めば、だいたいの面白さは分かる。
うーむ。
あと、バットマンの流れでアメコミヒーローの実写映画を沢山観たい。
本なら、最初のページ読めば、だいたいの面白さは分かる。
うーむ。
あと、バットマンの流れでアメコミヒーローの実写映画を沢山観たい。
あと観たいのは、『パトレイバー劇場版』と『マクロス劇場版』と、あとなんだ、『SAW』も観たい。あと、なにげに『AKIRA』はマンガした読んだことないから、映画も観たい。
バットマン ビギンズ [DVD]
2010年4月1日 映画
観終わった。
やっぱり『ダーク・ナイト』には見劣りするんだけど、それでもけっこう面白かった。バットマンの戦い方がカッコよかったっていうのがひとつと、バットモービルに興奮した。
つか、アメコミは戦う動機とか、なぜ戦うのだ、とか自問自答しちゃうところがけっこういい。
やっぱり『ダーク・ナイト』には見劣りするんだけど、それでもけっこう面白かった。バットマンの戦い方がカッコよかったっていうのがひとつと、バットモービルに興奮した。
つか、アメコミは戦う動機とか、なぜ戦うのだ、とか自問自答しちゃうところがけっこういい。
レディ・アルティメイタム [DVD]
2010年4月1日 映画スチームボーイ 通常版 [DVD]
2010年4月1日 映画True Religion 29
2010年3月30日 コミューンと記録メモと書くこと死んだ人間を蘇らせる方法は少ない。ある時、父は「歴史に名前を遺すには」と言ったことがある(ちなみにこの文章を書いているタイミングでは父親はまだ生きている。生きているがいつか死ぬだろう。僕も死ぬ。みんな死ぬ。いつか死ぬ。)。「歴史に名前を遺すには、発明をするか、政治家になるか、本とか何かを作ることだ。」と言った。もしかしたら少し違っているかもしれない。記憶ってそんなもんだ。その言葉が僕の人生を左右することになるのかどうかは分からない。政治家が宗教家だったかもしれないし、最後のはなかったかもしれない。それで、ずいぶん考えたんだけど、死んだ人間が生き続けるには、チンギス・ハンのように、敗北した部族のいちばん美しい娘を選んで子を孕ませて、1600万人のハンのDNAを持つ子孫を作るか、もしくは1600万人に伝搬させる擬似的な何かが必要で、失った人間を呼び戻す方法も少ない。彼女は僕に何かを喋ったはずだ。僕は彼女に何かを喋ったはずだ。記憶は、その分量の分母の記憶が増えるたびに、砂漠に突き刺さった標識のように、忘れずにいたかったはずのそのときの感情や誰かや、たとえば、あのとき17才だったあの女の子が桜木町駅の前のファミレスで泣いていたこととか、たくさんの記憶が埋もれて見えなくなっていく。忘れるはずはないってそのとき思ったはずなのに。それから、僕はいままで沢山のひとを忘れることで、擬似的に彼らを殺してきた。彼らもまた僕を忘れることで僕は何度も死んだ。忘れ去られることは死ぬことだ。誰かが悪かったわけじゃない。
ツタヤで映画4本借りて観たんだけど、スーパーサイズ・ミーのテンポの良さ以外は特に面白くなかった。
で、geoでカード作って映画を一本100円で借りて観てるんだけど、
『12モンキーズ』観て、面白かった。
『未来世紀ブラジル』を半月くらい前に借りて観て、テリー・ギリアムいいなって思ってて、そういや篠房六郎(『ナツノクモ』(http://74401.diarynote.jp/201002042132093331/)の作者)が、伊藤計劃が死んだときの文章で、モンティ・パイソンについてて触れてて、最近SF小説にハマってる流れで(そもそも円城塔を読むつもりだったんだけど)『虐殺器官』がやたらと目について買ったら、超面白かった(『虐殺器官』は読み終わってすぐにプレゼントした。一緒にプレゼントしたのがトゥーサンの『愛しあう』で、元々はこっちだけをあげるつもりだったけど、面白すぎて前者を思わず押し付けてしまった。エロスとタナトスってわけだ。)。それで、テリー・ギリアム面白いなぁ、ってことで掘り下げてみようっていうのと、あとは伊藤計劃と円城塔。
円城塔に関しては、twitterで知り合った友人がよく読んでるらしくて、彼はテリー・ギリアムも好きだから、いま伊藤計劃も読んでるっぽくて、鉱脈、と思った。
で、こんなの見つけた。伊藤計劃の文章。面白いからおすすめ。
http://randambutter.blog.shinobi.jp/Entry/156/
で、geoでカード作って映画を一本100円で借りて観てるんだけど、
『12モンキーズ』観て、面白かった。
『未来世紀ブラジル』を半月くらい前に借りて観て、テリー・ギリアムいいなって思ってて、そういや篠房六郎(『ナツノクモ』(http://74401.diarynote.jp/201002042132093331/)の作者)が、伊藤計劃が死んだときの文章で、モンティ・パイソンについてて触れてて、最近SF小説にハマってる流れで(そもそも円城塔を読むつもりだったんだけど)『虐殺器官』がやたらと目について買ったら、超面白かった(『虐殺器官』は読み終わってすぐにプレゼントした。一緒にプレゼントしたのがトゥーサンの『愛しあう』で、元々はこっちだけをあげるつもりだったけど、面白すぎて前者を思わず押し付けてしまった。エロスとタナトスってわけだ。)。それで、テリー・ギリアム面白いなぁ、ってことで掘り下げてみようっていうのと、あとは伊藤計劃と円城塔。
円城塔に関しては、twitterで知り合った友人がよく読んでるらしくて、彼はテリー・ギリアムも好きだから、いま伊藤計劃も読んでるっぽくて、鉱脈、と思った。
で、こんなの見つけた。伊藤計劃の文章。面白いからおすすめ。
http://randambutter.blog.shinobi.jp/Entry/156/