Fine Romance 97.5/100
2010年5月28日 コミューンと記録メモと書くこと目の前に出現したぼんやりとした陽炎と向かい合ったコメディアンがとっさに考えたことは3つだった。「なぜこちらの動きが察知されたのか」「察知していたとしたら射撃の直前まで動かなかったのか」「もしここで私が死ねば取り返しがつかない」。
光る"刀"を横に振ったユキの肢体を、コメディアンは糸の外れた人形のようにしゃがんでよけた。その刹那、コメディアンは加速を開始した。ゲインモード。
下段回し蹴り(膝関節)→中段回し蹴り(脇腹)→下段足刀(膝)→踏み砕き(足甲)→上段足刀(顎)→左上段順突き(顔面)→右中段掌底(鳩尾)→右上段孤拳(顎)→右下段回し蹴り(膝関節)→左中段膝蹴り(脇腹)→左上段順突き(顔面)→右中段掌底(鳩尾)→右上段孤拳(顎)→右下段回し蹴り(膝関節)→左中段膝蹴り(脇腹)→下段回し蹴り(膝関節)→中段回し蹴り(脇腹)→下段足刀(膝)→踏み砕き(足甲)→上段足刀(顎)
2秒間の間にとてつもない速度で何も見えない空間に連打を叩き込んだあと、コメディアンは最後にポケットからハンドガンを抜いてありったけの弾を打ち込んだ。弾丸は空間にめり込んで、見えなくなった。
光る"刀"を横に振ったユキの肢体を、コメディアンは糸の外れた人形のようにしゃがんでよけた。その刹那、コメディアンは加速を開始した。ゲインモード。
下段回し蹴り(膝関節)→中段回し蹴り(脇腹)→下段足刀(膝)→踏み砕き(足甲)→上段足刀(顎)→左上段順突き(顔面)→右中段掌底(鳩尾)→右上段孤拳(顎)→右下段回し蹴り(膝関節)→左中段膝蹴り(脇腹)→左上段順突き(顔面)→右中段掌底(鳩尾)→右上段孤拳(顎)→右下段回し蹴り(膝関節)→左中段膝蹴り(脇腹)→下段回し蹴り(膝関節)→中段回し蹴り(脇腹)→下段足刀(膝)→踏み砕き(足甲)→上段足刀(顎)
2秒間の間にとてつもない速度で何も見えない空間に連打を叩き込んだあと、コメディアンは最後にポケットからハンドガンを抜いてありったけの弾を打ち込んだ。弾丸は空間にめり込んで、見えなくなった。
Fine Romance 97/100
2010年5月27日 コミューンと記録メモと書くことカタギリくんが叫ぶと同時にユキの肢体の頭がすこしよろけるみたいに、右から左何かが通り抜けて、そのまま倒れた。弾道を辿ると、そこにはライフルを構えたコメディアンが立っていた。目を向けたその瞬間に2発目の弾丸が発射されて、ミダスの肉体を乗っ取った何者かを打ち抜いた。
「リモートよ。」とコメディアンは言った。
それから僕の足元にもう一匹の機械仕掛けの猫が歩いてくる。
「時間がない早くはじめよう。」とミダスは言った。
「滅茶苦茶だな。」とカタギリくんは言った。
コメディアンと僕はは自分の死体をどかして、血まみれの操縦席に座って、もう一度HMDをかぶる。悪夢のようなリプレイだ。
暗くなっていく床を眺めながら、ユキは次世代のTRのリアリティについて考えていた。少しずつ少しずつ暗くなっていく。孤独感。途中まで暗くなった画面が止まって、声が聞こえる。「いまあなたの時間は止まっているの。」と画面に表示される。「サエリ?」とユキは声に出す。「テレビゲームはデータをセーブして、もしゲームオーバーになっても、セーブデータをロードして途中からやり直せるでしょ。」「私が彼らのゲームを終わらせることは、元々決まってたってこと?」「データの性質上、あなたが頭を打ち抜かれる直前までしかロードはできないけど、それで十分でしょ。」「あなたって残酷よ。」「3、2、1、」
カタギリくんが叫ぶと同時にユキの肢体が右上方向に跳ね上がって、それと同時に銃声が聞こえる。
「リモートよ。」とコメディアンは言った。
それから僕の足元にもう一匹の機械仕掛けの猫が歩いてくる。
「時間がない早くはじめよう。」とミダスは言った。
「滅茶苦茶だな。」とカタギリくんは言った。
コメディアンと僕はは自分の死体をどかして、血まみれの操縦席に座って、もう一度HMDをかぶる。悪夢のようなリプレイだ。
暗くなっていく床を眺めながら、ユキは次世代のTRのリアリティについて考えていた。少しずつ少しずつ暗くなっていく。孤独感。途中まで暗くなった画面が止まって、声が聞こえる。「いまあなたの時間は止まっているの。」と画面に表示される。「サエリ?」とユキは声に出す。「テレビゲームはデータをセーブして、もしゲームオーバーになっても、セーブデータをロードして途中からやり直せるでしょ。」「私が彼らのゲームを終わらせることは、元々決まってたってこと?」「データの性質上、あなたが頭を打ち抜かれる直前までしかロードはできないけど、それで十分でしょ。」「あなたって残酷よ。」「3、2、1、」
カタギリくんが叫ぶと同時にユキの肢体が右上方向に跳ね上がって、それと同時に銃声が聞こえる。
True Religion 37
2010年5月24日 コミューンと記録メモと書くこと僕たちは車に乗り込んで移動している。
夕暮れのなか、奇妙な組み合わせの集団に紛れ込んで、この車が今この直後、事故に遭って一瞬で全員死ぬかもしれないことに気付いた。もし来週に世界が終わってしまうとしたら、好きなひとのそばにいたいと思った。もし来年あたりに世界が終わるとしても愛しいひとのそばにいたいと思った。もし明日死ぬことを知らないまま、本当は好きじゃないひとと一緒にいるとしたら、それが小説になるとしたら絶望的な物語じゃないかと思った。それは失敗した人生じゃないかと思った。
「何か躊躇する理由でもあるの?」と僕は無意識を声に出してしまう。居所の無い言葉が車内に浮かんで、その見えない音の揺らぎの残像に触れたユキが「躊躇うことなんてなにもないよ。」と答えて僕の肩に小さな身体を静かに寄せた。
夕暮れのなか僕たちはそれぞれの終わりに向けて移動していた。
夕暮れのなか、奇妙な組み合わせの集団に紛れ込んで、この車が今この直後、事故に遭って一瞬で全員死ぬかもしれないことに気付いた。もし来週に世界が終わってしまうとしたら、好きなひとのそばにいたいと思った。もし来年あたりに世界が終わるとしても愛しいひとのそばにいたいと思った。もし明日死ぬことを知らないまま、本当は好きじゃないひとと一緒にいるとしたら、それが小説になるとしたら絶望的な物語じゃないかと思った。それは失敗した人生じゃないかと思った。
「何か躊躇する理由でもあるの?」と僕は無意識を声に出してしまう。居所の無い言葉が車内に浮かんで、その見えない音の揺らぎの残像に触れたユキが「躊躇うことなんてなにもないよ。」と答えて僕の肩に小さな身体を静かに寄せた。
夕暮れのなか僕たちはそれぞれの終わりに向けて移動していた。
オンライン→オフライン
2010年5月23日 日常自分の書いてるほぼ無名のこのブログが、けっこう有名なひとに読まれていて、たぶんほぼ間違いなくそのひとだろうと思える無記名のコメントもらったりしたこともあって、僕もそのひとのブログのことをけっこう気に入って読んでて、それでたしか2年以上お互いをウェブ上で観察しあってて、周囲の人達にはその奇妙な交友関係が知られないまま続いてる。今日そのひとがあるイベントに行くらしくて、向こうが僕に会いたいかどうかは知らないけど、このままお互いにお互いのことを気に入ってることが分かりきってるなら、糸で繋がってた関係を実際に握手できる関係に置き換えたいと思って、それで会って仲良くなりたくて、って思って出かける。
なんか変な感じがする。暗黙の了解で相手と初めて知るみたいに話すんだろうし、それに僕は文章を書くみたいにうまく喋れない、向こうはウェブで書いてる文章しか知らないから、それでがっかりされたらあれだし、だからといって、このまま間接的に伝わる文章で遊んでるのも良いけど、直接言葉を交わして話してみたいことがあるし、生み出したい会話がある。
いずれにしろ、遅かれ早かれオフラインで知り合うことになるんだろうし、それなら今日だっていい。
なんか変な感じがする。暗黙の了解で相手と初めて知るみたいに話すんだろうし、それに僕は文章を書くみたいにうまく喋れない、向こうはウェブで書いてる文章しか知らないから、それでがっかりされたらあれだし、だからといって、このまま間接的に伝わる文章で遊んでるのも良いけど、直接言葉を交わして話してみたいことがあるし、生み出したい会話がある。
いずれにしろ、遅かれ早かれオフラインで知り合うことになるんだろうし、それなら今日だっていい。
シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)
2010年5月17日 読書True Religion 36
2010年5月17日 コミューンと記録メモと書くことカフェに入ると偶然、さっきのカメラを撮っていた外国人がいてユキと話をしている。外国人とガイド兼通訳の男とユキ。外国人の女はとてもユキを気に入っていた。放っておいたら本国まで連れて帰りそうだ。
その隣で彼らに断りを入れて僕は仕事をしていた。「青山に彼女のサロンがあります。」と男はユキに通訳していた。僕は期限を守るために無心に小説を書き続ける。こんな内容だ。
*************
ヤリマンの韓国人の美女とヤラずに帰ってきた。
13才の頃に暴走族でDucati乗り回してたとか父親が韓国の政治のナンバー3とか4ヶ国語喋れる(韓国語・中国語・英語・日本語)とかホストの彼氏と出来た子を流産が2回でうつ病になったとか彼氏に浮気されてたとかIQが170くらいあった(日本に来て一ヶ月で新聞読める)とかマフィアとか芸能人とか政治家とデートして一晩15万円とか殺人現場に立会ったことがあるとかコカインと覚せい剤(足の親指人差し指の間と耳の後ろに針の痕残ってた)とか韓国にセフレが100人以上いるとかバイで女の子と寝たとかリストカット(左手は手術で痕を消してて右手に最近の痣が残ってた)とかハードロックバンドのボーカルやってた(目と唇のピアスの痕残ってた)とかボクシングと剣道やってたとか血を飲むのが好き(「AB型が淡白な味で好き」)とかクリスチャンだとか権力と金が欲しい(「でも政治は汚いからやらない」)とか起業して困ってる人達を助けたいとか霊が見えるとか心臓病で酒飲み過ぎると死ぬとかビール7杯くらい平気で飲んでたとかマフィアの構成員だったとか「こんど韓国料理作ってあげるね」とか暗殺してみないかって誘われたとか刺青入れたい(北京の大学で学んだデザインの知識を活かした十字架とバイブルの一句)とか一時期多重人格だったけど病院行かずに気合いで治した(「私とジェシカとソフィア」)とか整形したい(今でも十分可愛い。友近を10倍くらいレベルあげた感じ。)とか、面白い話の宝庫だったんだけど、向こうが生理だったみたいでその子の大井町の一人暮らしの家で布団別で(ベッドは彼女の甘い匂いがした)セックスなしで帰ってきた。
現実離れし過ぎてて話盛りすぎてるか虚言癖かって思いながら話を聞きながら考えてたけど、暴力衝動(自身に向けるものであれ他人に向けるものであれ)は本物だと思った。
いま携帯で撮った彼女の顔を眺めている。かわいい。
その夜、彼女が僕に死後の世界の話(死ぬと素晴らしい世界があると彼女は言った)をしたとき、僕は彼女にいま書いている小説のあらすじを多少脚色して話した。
「これは個人的な意見なんだけど。」と彼女と宗教のことや死生観の違いで争いたくなかったので(そんなのナンセンスだ)何度か念を押した。
「死後の世界はないと思ってる。死んだら何もない。」彼女が死ぬのは怖くないと言ったり、死んでもいいと思っていると言っていたから、僕がそれを回避させるためにそう言った気もする。「だからもっと自分を大切にしたいし、良いものに沢山触れたいと思ってる。思い残したくないんだ。」
「いま小説を書いていて、その世界にある宗教のことなんだけど。その宗教はどれだけの数の人間の命を救ったかを数値化して徳を図る宗教なんだ。神さまもいないし、教義があるとしたら、点数化されているところくらいか。それで罪はマイナスの点数になって、浮気とか万引きとか小さな罪をマイナスの点として評価したりする。でも、寄付をしてアフリカの子どもの命を救ったりすると、それで帳消しにできる。人の命は誰かを殴ったり横領したりするマイナスの点よりずっと大きな得点になる。その小説の主人公もその宗教の信者でネットゲームの会社を興す。韓国だとラグナロクオンラインとかあったかな。その世界、仮想の世界では、ゲームキャラクターが殺し合いをするんだけど、その世界から生まれる利益は全部寄付に回って現実の人間の現実の命を救う。」
彼女は身を乗り出して、嬉しそうな優しそうな目で僕を見つめる。彼女は優しい人間だと思う。それは宗教の影響だろうか、彼女が感じる現実の痛みが彼女に与えた長所だろうか。
*************
そこまで書いたところで、ユキが「ねぇ、いまから、今日このひとの家でパーティーがあるんだって。一緒に行こう?いいでしょ?」少し考えて僕は「いいよ。」と答えた。
その隣で彼らに断りを入れて僕は仕事をしていた。「青山に彼女のサロンがあります。」と男はユキに通訳していた。僕は期限を守るために無心に小説を書き続ける。こんな内容だ。
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ヤリマンの韓国人の美女とヤラずに帰ってきた。
13才の頃に暴走族でDucati乗り回してたとか父親が韓国の政治のナンバー3とか4ヶ国語喋れる(韓国語・中国語・英語・日本語)とかホストの彼氏と出来た子を流産が2回でうつ病になったとか彼氏に浮気されてたとかIQが170くらいあった(日本に来て一ヶ月で新聞読める)とかマフィアとか芸能人とか政治家とデートして一晩15万円とか殺人現場に立会ったことがあるとかコカインと覚せい剤(足の親指人差し指の間と耳の後ろに針の痕残ってた)とか韓国にセフレが100人以上いるとかバイで女の子と寝たとかリストカット(左手は手術で痕を消してて右手に最近の痣が残ってた)とかハードロックバンドのボーカルやってた(目と唇のピアスの痕残ってた)とかボクシングと剣道やってたとか血を飲むのが好き(「AB型が淡白な味で好き」)とかクリスチャンだとか権力と金が欲しい(「でも政治は汚いからやらない」)とか起業して困ってる人達を助けたいとか霊が見えるとか心臓病で酒飲み過ぎると死ぬとかビール7杯くらい平気で飲んでたとかマフィアの構成員だったとか「こんど韓国料理作ってあげるね」とか暗殺してみないかって誘われたとか刺青入れたい(北京の大学で学んだデザインの知識を活かした十字架とバイブルの一句)とか一時期多重人格だったけど病院行かずに気合いで治した(「私とジェシカとソフィア」)とか整形したい(今でも十分可愛い。友近を10倍くらいレベルあげた感じ。)とか、面白い話の宝庫だったんだけど、向こうが生理だったみたいでその子の大井町の一人暮らしの家で布団別で(ベッドは彼女の甘い匂いがした)セックスなしで帰ってきた。
現実離れし過ぎてて話盛りすぎてるか虚言癖かって思いながら話を聞きながら考えてたけど、暴力衝動(自身に向けるものであれ他人に向けるものであれ)は本物だと思った。
いま携帯で撮った彼女の顔を眺めている。かわいい。
その夜、彼女が僕に死後の世界の話(死ぬと素晴らしい世界があると彼女は言った)をしたとき、僕は彼女にいま書いている小説のあらすじを多少脚色して話した。
「これは個人的な意見なんだけど。」と彼女と宗教のことや死生観の違いで争いたくなかったので(そんなのナンセンスだ)何度か念を押した。
「死後の世界はないと思ってる。死んだら何もない。」彼女が死ぬのは怖くないと言ったり、死んでもいいと思っていると言っていたから、僕がそれを回避させるためにそう言った気もする。「だからもっと自分を大切にしたいし、良いものに沢山触れたいと思ってる。思い残したくないんだ。」
「いま小説を書いていて、その世界にある宗教のことなんだけど。その宗教はどれだけの数の人間の命を救ったかを数値化して徳を図る宗教なんだ。神さまもいないし、教義があるとしたら、点数化されているところくらいか。それで罪はマイナスの点数になって、浮気とか万引きとか小さな罪をマイナスの点として評価したりする。でも、寄付をしてアフリカの子どもの命を救ったりすると、それで帳消しにできる。人の命は誰かを殴ったり横領したりするマイナスの点よりずっと大きな得点になる。その小説の主人公もその宗教の信者でネットゲームの会社を興す。韓国だとラグナロクオンラインとかあったかな。その世界、仮想の世界では、ゲームキャラクターが殺し合いをするんだけど、その世界から生まれる利益は全部寄付に回って現実の人間の現実の命を救う。」
彼女は身を乗り出して、嬉しそうな優しそうな目で僕を見つめる。彼女は優しい人間だと思う。それは宗教の影響だろうか、彼女が感じる現実の痛みが彼女に与えた長所だろうか。
*************
そこまで書いたところで、ユキが「ねぇ、いまから、今日このひとの家でパーティーがあるんだって。一緒に行こう?いいでしょ?」少し考えて僕は「いいよ。」と答えた。
True Religion 35
2010年5月15日 コミューンと記録メモと書くこと混ざり合う潮の流れのような交差点で、二人で立っていると、さっき立ち去ったはずの外国人が戻ってきて、望遠レンズをつけた一眼レフカメラでこっちを撮ろうとしている。嬉しそうに僕のほうを眺めたユキは携帯電話で向けて、お互いを写し始めた。携帯電話をポケットにしまうと、今度は「真空波動拳」と言いながら外国人に向けて見えないレーザービームを飛ばし始めた。「あのひと笑ってる」とユキは言った。やがて、信号が点滅しはじめて、横断歩道を渡った。
ユキは「沢山ひとがいると、人じゃない何かに見えてくるのかな。」と言った。僕は少し考えて言った。「むかし女の子を何人か(控え目に言った)口説いていたときに、彼らには共通する性質があることに気づいたんだよ。ルールがあるところにゲームは生まれるし、ゲームがあるとこには攻略の仕方、効率の良いやり方が生まれるんだ。」歩道を渡り切ると、外国人のひとはいなくなっていた。「効率の良いやり方っていうのを繰り返すうちに、作業みたいになっていく。彼らの性質にたいして僕が感情のない作業をするようになっていく。不思議とそれはうまくいくんだ。それはたぶん恋愛でもなんでもないんだけど、それでも、僕が女の子のことを何も分かってなくて女の子を傷つけていたときより、彼らはずっと幸せそうに見えた。高慢に聞こえるだろうけど、結局、彼らは自分の見たくない本当のことを見せる正直者より、見たいものを見せてくれる嘘つきのほうが好きなんだ。」「例えばどんな性質?」「そうだなぁ。街のそのへんで女の子を口説くとき、女の子の近くで観察していて、女の子が男の子を意識するときシグナルを出すんだ。向こうに渡っていいっていう信号みたいなもんだよ。信号は自分が信号だってことを知らなくても、青と黄と赤の表示をする。まずひとつは、髪を触る。つぎに動きに落ち着きがなくなる。だいたい手か足とか。この場合、足の動きが落ち着かなくなる。気になる異性に向けて足を組む。足の甲を外側に立てるみたいにすることもある。それとか目が濡れる。瞳孔が開いて黒目が大きくなる。あぁ、これは怒って興奮した場合も同じかな。あとは同じ行動を取ったりする。これはどっちかっていうと意識的。それと声が高くなったり、その男性を見ることが多くなったりする。」ユキは僕の目を見つめる。瞳孔を確認してるんだろう。「身体は嘘をつけない、ってね。」と僕が言ったら「そうかもしれない。」とユキは僕が言った言葉のセクシャルな意味に気付かずに答えた。「あるところまでいったら、あとは理性とか論理なんて関係なくなって生理反応の問題になるんだよ。」
「シニカルー」とユキはコメントした。「そうかもしれない。でも、こういうことがあったんだよ。『好きって言ってくれなきゃ好きかどうかなんて分からない』って言われて、『好きかどうかなんて言葉にしないでも分かりきってる。』って答えたら、その子は納得してなかったみたいだった。確かに好意を感じとれないならそうかもしれない。それなら好き好き言っておけば全然好きじゃなくても好きってことになるって。そのあと70人くらいの女の子とセックスした男が『女子高生とかは好き好きいっておけば馬鹿だから勘違いして簡単に落とせる』って。別に良いとか悪いとか判断するつもりはないけど、その生理反応はある面で言葉よりずっと大事だって思ってる。」「でも、それって相手の目が見えてないことを利用するか、自分の目が見えていることを利用するかだけの違いだけじゃない。」僕はすこしだけ肩をすくめた。その通りだ。
ユキは「沢山ひとがいると、人じゃない何かに見えてくるのかな。」と言った。僕は少し考えて言った。「むかし女の子を何人か(控え目に言った)口説いていたときに、彼らには共通する性質があることに気づいたんだよ。ルールがあるところにゲームは生まれるし、ゲームがあるとこには攻略の仕方、効率の良いやり方が生まれるんだ。」歩道を渡り切ると、外国人のひとはいなくなっていた。「効率の良いやり方っていうのを繰り返すうちに、作業みたいになっていく。彼らの性質にたいして僕が感情のない作業をするようになっていく。不思議とそれはうまくいくんだ。それはたぶん恋愛でもなんでもないんだけど、それでも、僕が女の子のことを何も分かってなくて女の子を傷つけていたときより、彼らはずっと幸せそうに見えた。高慢に聞こえるだろうけど、結局、彼らは自分の見たくない本当のことを見せる正直者より、見たいものを見せてくれる嘘つきのほうが好きなんだ。」「例えばどんな性質?」「そうだなぁ。街のそのへんで女の子を口説くとき、女の子の近くで観察していて、女の子が男の子を意識するときシグナルを出すんだ。向こうに渡っていいっていう信号みたいなもんだよ。信号は自分が信号だってことを知らなくても、青と黄と赤の表示をする。まずひとつは、髪を触る。つぎに動きに落ち着きがなくなる。だいたい手か足とか。この場合、足の動きが落ち着かなくなる。気になる異性に向けて足を組む。足の甲を外側に立てるみたいにすることもある。それとか目が濡れる。瞳孔が開いて黒目が大きくなる。あぁ、これは怒って興奮した場合も同じかな。あとは同じ行動を取ったりする。これはどっちかっていうと意識的。それと声が高くなったり、その男性を見ることが多くなったりする。」ユキは僕の目を見つめる。瞳孔を確認してるんだろう。「身体は嘘をつけない、ってね。」と僕が言ったら「そうかもしれない。」とユキは僕が言った言葉のセクシャルな意味に気付かずに答えた。「あるところまでいったら、あとは理性とか論理なんて関係なくなって生理反応の問題になるんだよ。」
「シニカルー」とユキはコメントした。「そうかもしれない。でも、こういうことがあったんだよ。『好きって言ってくれなきゃ好きかどうかなんて分からない』って言われて、『好きかどうかなんて言葉にしないでも分かりきってる。』って答えたら、その子は納得してなかったみたいだった。確かに好意を感じとれないならそうかもしれない。それなら好き好き言っておけば全然好きじゃなくても好きってことになるって。そのあと70人くらいの女の子とセックスした男が『女子高生とかは好き好きいっておけば馬鹿だから勘違いして簡単に落とせる』って。別に良いとか悪いとか判断するつもりはないけど、その生理反応はある面で言葉よりずっと大事だって思ってる。」「でも、それって相手の目が見えてないことを利用するか、自分の目が見えていることを利用するかだけの違いだけじゃない。」僕はすこしだけ肩をすくめた。その通りだ。
TRのあらすじいい加減作るかなぁ
FRはあらすじなしで、100回なんてすぐ終わると思ってたらもう2年くらいかかってるし、TRにはちゃんとあらすじを作ってあげよう。つか、今までの分どうしよう。解体して貼っつけて、無駄なところは消すか。
どうにもこうにも。
妄想を書きたいように書くだけだけど、どうしてもまとまり出ないし。
あらすじ書いて、その線路のうえで好き勝手遊んで書いたほうがちゃんと出来るっぽい。
FRはあらすじなしで、100回なんてすぐ終わると思ってたらもう2年くらいかかってるし、TRにはちゃんとあらすじを作ってあげよう。つか、今までの分どうしよう。解体して貼っつけて、無駄なところは消すか。
どうにもこうにも。
妄想を書きたいように書くだけだけど、どうしてもまとまり出ないし。
あらすじ書いて、その線路のうえで好き勝手遊んで書いたほうがちゃんと出来るっぽい。
True Religion 34
2010年5月13日 コミューンと記録メモと書くことユキが最近ハマってるのは格闘ゲームのキャラクタになりきって必殺技を出す遊びで、『斬影拳』からいきなり『昇龍裂破』を出したりしてくる(「金髪つながり」とユキは言った)んだけど、僕はガードして『瞬獄殺』をしたりすると、「超球弾や!」とか言いながら見えない水色の光の球を飛ばしてきたりする。そこで僕がクラーク・スティルの『マウントタックル』で彼女に出して抱きつくと「ズルい!超球弾食らってるから!!」と抗議して、僕はケラケラ笑ってた。
そんなことを二人で渋谷のスクランブル交差点の前でしていると、信号が青に変わって、スターバックスからスクランブル交差点を撮影する外国人が見えて、ユキは面白がって「撮影している外国人を撮影」と言って写真を撮ろうと携帯電話のカメラを取り出した。柱とテーブルの隙間から撮影しようとした外国人がこっちに気付いて、不機嫌そうに写真を撮るのをやめた。「怒った感じだね」と僕が言うと「変なの」とユキは言った。
そんなことを二人で渋谷のスクランブル交差点の前でしていると、信号が青に変わって、スターバックスからスクランブル交差点を撮影する外国人が見えて、ユキは面白がって「撮影している外国人を撮影」と言って写真を撮ろうと携帯電話のカメラを取り出した。柱とテーブルの隙間から撮影しようとした外国人がこっちに気付いて、不機嫌そうに写真を撮るのをやめた。「怒った感じだね」と僕が言うと「変なの」とユキは言った。
http://www.youtube.com/watch?v=-TXLzXSTnsI
基本的に、ひとが勧めてても自分が気に入らなかったら気に入らないんだけど、これはよかった。
で、七尾旅人のほかをyoutubeで探索してたら、これとかも好きかも。
http://www.youtube.com/watch?v=GcM2AUzIfgE
基本的に、ひとが勧めてても自分が気に入らなかったら気に入らないんだけど、これはよかった。
で、七尾旅人のほかをyoutubeで探索してたら、これとかも好きかも。
http://www.youtube.com/watch?v=GcM2AUzIfgE
capsuleの『PLAYER』と相対性理論の『シンクロシニティーン』をTSUTAYAで借りたついでに借りた。
ウィスパーボイスからの安室奈美恵っていうコンボで、『Body Feels Exit』とか『a walk in the park』とか『Don’t wanna cry』とか聴いてテンションあがってる。
つか、いま『TRY ME』聴いてるんだけど、凄いテンションあがってる!!なんだこれは!!!半笑いになる。
http://www.youtube.com/watch?v=MuIvz6qat3w
あぁ、でも『You’re my sunshine』とかもけっこう聴ける。
ウィスパーボイスからの安室奈美恵っていうコンボで、『Body Feels Exit』とか『a walk in the park』とか『Don’t wanna cry』とか聴いてテンションあがってる。
つか、いま『TRY ME』聴いてるんだけど、凄いテンションあがってる!!なんだこれは!!!半笑いになる。
http://www.youtube.com/watch?v=MuIvz6qat3w
あぁ、でも『You’re my sunshine』とかもけっこう聴ける。
百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)
2010年5月9日 読書Hi-Fi
2010年5月7日 愛だの恋だの男だの女だのと翻訳ほかに男がいる女が求める誠実さってなんなんだろう。「君が他の男と寝ていても関係なく僕は君のことだけを見ているし、僕は君以外の女のことは好きにもならないし、何もしようとは思わない。」とか、自分を都合のいい男として一方的に傷つけてほしいっていうマゾヒズムのことを"誠実"って言うのかな。
少し前に携帯電話をauからドコモ変えて、ht-03aにしたんだけど、
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/pro/ht03a/
iモードの@docomo.ne.jpが使えなくて困った。
http://ht-03a.windows-keitai.com/?HT-03A%2Fi%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/pro/ht03a/
iモードの@docomo.ne.jpが使えなくて困った。
http://ht-03a.windows-keitai.com/?HT-03A%2Fi%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89
円城塔の小説(twitterの小説除き)初めて読んだ。
『祖母の記録』を渋谷リブロで立ち読み読了。
真面目な文体に切れのあるユーモアが乗っかってて、理論立てて、対象を真面目にふざけて比喩表現してる。
『ライ麦畑でつかまえて』を再表現したみたいな作品があるらしいから、そういう比喩-翻訳的な作品を作ってるみたいだけど、今読んでる『Self-Reference ENGINE』(文庫出てたから。つか『ハーモニー』はさっさと文庫版出てくれないと俺が読めない。)は100年後に発生した新種の大喜利みたいだって感じながら読んでる。
『祖母の記録』を渋谷リブロで立ち読み読了。
真面目な文体に切れのあるユーモアが乗っかってて、理論立てて、対象を真面目にふざけて比喩表現してる。
『ライ麦畑でつかまえて』を再表現したみたいな作品があるらしいから、そういう比喩-翻訳的な作品を作ってるみたいだけど、今読んでる『Self-Reference ENGINE』(文庫出てたから。つか『ハーモニー』はさっさと文庫版出てくれないと俺が読めない。)は100年後に発生した新種の大喜利みたいだって感じながら読んでる。
メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)
2010年5月6日 読書
読了。
発想とか登場するキャラクタとか設定とか、そういう面でのメタルギアソリッドは大好きなんだけど、なにぶんゲーム自体クリアしてないからなんともいえないし、MGSは、えぇと、こいつだれだっけ?ってことになりやすい。結局ナオミ・ハンターも何がしたかったのかよくわかんなかった。
これを読むと逆に『虐殺器官』がどれだけコンパクトな形状で無駄が削がれた鋭い小説だったかが分かる。
つか、『虐殺器官』は何かの間違いみたいに1000万部くらい売れてほしい(作者が早死にして本人がこれ以上どこかに出て自分で宣伝できないっていうのもあるけど)し、それだけの価値のある小説だと(作者が早死したとか全然関係なく)思う。
なんかの適当な小説が、それより圧倒的に優れた物より沢山のひとに読まれているっていうのがやたらと違和感あるし純粋にムカつく。
発想とか登場するキャラクタとか設定とか、そういう面でのメタルギアソリッドは大好きなんだけど、なにぶんゲーム自体クリアしてないからなんともいえないし、MGSは、えぇと、こいつだれだっけ?ってことになりやすい。結局ナオミ・ハンターも何がしたかったのかよくわかんなかった。
これを読むと逆に『虐殺器官』がどれだけコンパクトな形状で無駄が削がれた鋭い小説だったかが分かる。
つか、『虐殺器官』は何かの間違いみたいに1000万部くらい売れてほしい(作者が早死にして本人がこれ以上どこかに出て自分で宣伝できないっていうのもあるけど)し、それだけの価値のある小説だと(作者が早死したとか全然関係なく)思う。
なんかの適当な小説が、それより圧倒的に優れた物より沢山のひとに読まれているっていうのがやたらと違和感あるし純粋にムカつく。