書くことについて(仮) 9/100
2008年5月1日 コミューンと記録メモと書くことムラハシのことを好き(そう確信したのは、彼女がタニハシなんとかが昔プロデュースした女の子のことを好みだと、彼女に言ったとき、その次イベントに会ったとき(それはコスプレしてないと入れないという趣旨のイベントだった。僕は『寄生獣』のシンイチ君の格好(入口で「コスプレしてない」と、止められかけた。)をしていて、ムラハシは同じく『寄生獣』のミギーの格好をしていた。)、そのアイドルと全く同じ髪型をしていたからだ。彼女はとても可愛い。)な女の子を挟むような並び方で、僕はムラハシに挨拶して、それからビールを頼んだ。最近毎日酒を飲んでいる気がする。ムラハシがじっと睨むようにしてみていたいテレビに映っていたのは、ムラハシの好きなアイドルだった。どうりで。「あのアイドルのどこが気にいってる?」と、僕からムラハシへ。「昔好きだった女の子に似てるところ。」「どんな子?」とムラハシを好きな(半年前、ムラハシが偶然そのテレビに映るのアイドルとそのクラブで話したとき、その横で、彼女は突然僕とずっと前から親しかったといった風に酔ったフリをして抱きついたことがある。そのあいだムラハシはそのことに気付いてすらいなかった。)女の子。「うーん。説明が難しいね。現実離れしてる。人が思いつかないようなことをしてみせては、みんな驚かしてて、誰からも好かれてた。でも、目立ちたいとか、そういった風には見えなかったかな。.....顔が、似てるんだ。その子に。性格は似てないと思う。」ムラハシは、ウィスキーを一口飲んで斜め上45度の角度に吊るされてるテレビを引き続き見ていた。ムラハシのことを好きな(というのは、彼女もまたムラハシの好きな同じ色のウィスキーを飲んでいたからだ。)女の子はグラスを両手で挟んで、考えことをしているようだった。宙に浮く練習でもすればいいのかしら。カウンターから振り返ると双子の女の子と、ゲイの集まりと、原宿で美容師してますって感じの男と、そして、山下のどか、そう、現実離れしたほうの山下のどかがいた。彼女は笑って僕に手を振っている。なんてことだ。ムラハシとムラハシを好きな(映像を凝視するムラハシを凝視していた)を置いて、彼女のもとに向かった。
****************昔、僕が高校生の時に、講演に来た男は四肢を麻痺していた。首から下が動かない。彼は車椅子に乗って演壇に現れ、付添人が彼の車椅子の位置にマイクを合わせる。自己紹介を済ませ、いくつかの話をしたあと、彼が言ったセリフが今でも僕の中で何度も何度も繰り返されている。「夜、早く眠るようにしています。暗い考えはいつも夜に思いつきます。」と。夜中の3時、僕はこの文章を書いていて、もし自分が彼の立場に立つことを考えています。僕たちが語る不幸というのは、一種の前提の上に成り立っていて、それはあなたは触れたいと思うものに触れることができて、あなたは誰にも気をかけずにどこかに行くことができて、それから、山に登り、海で泳いで、夜になれば音楽にあわせて踊ることもあるかもしれません。恋をしたとき自分の立場というものを意識することがあるでしょうか。どこかで働きたいと思ったときに、それを断念する理由は私ほど深刻ではないでしょう。本当は、あなたが思っているほど、世界はあなたが思っているほど、辛い場所ではないはずです。少なくとも私には、あなたはそう望むなら、簡単に手に入れることが沢山あります。私の本棚のなかの一冊にこういった本があります。その小説の中の男は、どこにでもいる平凡な男で、故郷があって、そこには恋人と母親がいます。やがて戦争が始まり、他の多くの男たちと同じように彼も戦争に駆り出されます。いくぶんのためらいがあったが、国(そして、愛する人たちを)を守るため(という名目)に、従軍します。いくつかの戦闘があり、ある戦場で急襲され、一瞬のうち、その一瞬は彼にとって、人生を彼をそれ以前とそれ以後に分けます。数日間の意識の混濁を経て、気付いたとき男は地獄にいました。私は首より下を動かすことができません。あなたは自分が首だけの生き物になってしまったことが想像できるでしょうか?その男は地獄にいました。肩から下、腰から下、視覚?無い。嗅覚?これも無い。口は下顎が跡形も無く、耳は抉れている。男は何度も何度も何度もそれが夢であることを望み、眠りに付こうとして、それを幾度となく繰り返して、そしていつかそれを受け入れざるえなくなりました。彼に残っていたのは意識だけです。気は狂っていませんでした(私は彼の気が狂ってしまっていれば、救いがあったように思えますが。)。彼はベッドの上で感じる振動のみを頼りにして、その状況であれ、経験していきます。ある看護婦は彼のために涙を流して、クリマスの夜、男に寄り添うように眠ったこともありました。そして、物語のクライマックスで、男はひとつの情報の伝達手段を持っていることに気付きます。モールス信号です。男は身体全身で意識を伝えようとします。何度も何度も彼はそれらの意味することを解せず、気が狂っていると。しかし、それを諦めた瞬間に彼は伝達を失った死人に戻ってします。何度も何度も何度も、彼は試みます。そして、ついにそのときは来ました。男の元に表れたのは軍人です。そして、男は軍人にこう告げます。「俺を見世物にしろ。」と。そこには自由があります。彼は世界に出ることができます。自由をくれ。俺に自由を、くれ。ここではない場所に解き放ってくれ。軍人は「きみはなにを言ってるんだ?」と男に。そして男は絶望します。これが私の本棚にある唯一価値のある書物です。時計はam03:31を表示している。自由、自由、自由、自由。*****************************「もう会えないかと思ってました。」「そう?」「電話しましたよ。あの番号に。」「楽しかった?」「すこし怒るってるみたいでした。」手元にある赤い色のカクテルを飲みながら少し考えるように目を右上を向いた。「教えてほしいんです。あなたは誰なんですか?」「私は私よ。むかし読んだ文章に"人は全て環境によって作られた結果"っていうのがあったわ。」「それ、僕が書いた言葉です。」「そうね。じゃあ、私の考えの中にあなたの言葉が根ざしてるわけね。」「それも僕の文章です。」嬉しそうに彼女は笑った。ずっとこのまま彼女と居れればいいのに。ムラハシはモニタに映った少女を眺め続けていて、ムラハシを好きな(彼女はムラハシの気を引くためにムラハシの反対に立つ男と楽しそうに見えるように喋っていた。)女の子はいつものようにその位置から動かないままだ。「’山下さん’とは知り合いなんですか?」僕は彼女のことを何も知らない。「彼女のどこが好きなの?」「誠実なところが。」「容姿じゃなくて?」僕のブログに書いたのが、この山下のどかだとしたら、彼女には僕が褒めちぎっていたのがルックスだけだったことは知っているだろう。「あなたの書く物語が。」「どんなところが?」ムラハシはこっちを向いた。ムラハシのことを好きな女の子はいまや反対側の男(職業が何か検討がつかない)の腰に手を回されている。「視点が好きです。世の中にあることはあることのままです。どこがでいつも何かが起こってる。例えば、」言いかけて、彼女の表情から、話を続ける許可をもらう。「例えば、あなたがチベットの密教の寺院を男と二人で詣でるために、えんえんと山奥をずっとずっと進みつづけています。隣には旅をともにするアメリカ人の男がいて、彼はipodを聞きながら登山をしています。その寺院はマスコミが一度も踏み込んだことの無い場所で、そこに辿り着いたとき、あなたはその場所にしか無い時間を過ごそうとします。礼讃を済ませて、辺り見回すと、僧侶が経を唱え、あたりにはお香の煙の匂いがしていて、食事をとっていると、ふと、さっき同行者のポケットから垂れ下がったイヤフォンに目が止まって、それを聴くと、マイケル・ジャクソンがシャウトしてる。」僕はハイネケンを一口飲んで酔いが進むのを感じた。’山下’は僕の話のまとめを待っていた。「つまり、あらゆる場所があり時間があり出来事があり、そういった物事の全てをまとめあげようとしてるような、あなたの物語が好きなんです。」彼女は深く頷いた。
ある種のバイタリティーのようなものを考えるときに、僕はいつも自分を含む’人種’のようなものに触れてしまう。「生きていくの勇気なんて必要ない。」と断言した人を知っていて、彼女はやはり僕とは違う’人種’に含まれているように思える。いつも何かしらの不安を抱えて生きていくことを、僕は口にせずにはいられない。不安という名の獣が暗闇のほうから僕を喰い千切ってやろうと睨んでいるような、そういった不安。その方向に進むほど、それは後退りして、追い払おうとしても、それでも睨んだまま、いつか、いつかお前を喰ってやる、と唸っている。本当はそんなものは存在しないことを頭は知っている。知っているが、身体中がそれを意識させる。目隠しを付けられて、それでも手に入れようとしたものに裏切られて傷ついてしまったこと記憶なんかが。お前は恐れている。何を?人から見捨てられてしまうことさ。そんなことない。いや、お前は恐れている。大丈夫さ。どうかな、何度も何度も裏切る瞬間に立ち会ってきただろ。そう、お前がその引き金を引いていた。そうだ。間違いないよ。でも、僕はただ恋をしていたんだ。間違ってたかな?正しさなんて無いのさ。ただお前は幕の裏側を覗いた。そしてその代償を払ってるのさ。そんなもの本当は見たくなかったよ。お前が望んだことだ。そう、知ってしまったら、知らなかったときに戻ることはできない。答えろ、欲しいものはなんだ?醜い真実か?それとも、美しく脆弱な欺瞞か?僕はある種のバイタリティーについて考えるとき、彼らが持ち合わせない幻想を思い知る。そこには、ただ、ルールがあって、効率良くそれらが処理されていくだけなのだ。僕は彼らのグループにもなれなかった。だからといって、目をつむることもできなかった。「私はどこにもいないわ。」男は煙草の火を消して、答える「君はそこにいる。君のイメージは沢山の人の心のなかにコピーされていく。君の望んだことだろ。」「そうね。そうかもしれない。でも、彼らの目を見てよ。彼らは私にも、いや、もしかしたら、彼女の書いた物語にすら興味は無いのよ。」「そうかな。」「彼らの頭を開いてもそこには何も無いのよ。あいつら、狂ってるわ。」男はすこし微笑んだ。彼女がちょっとおかしくなったとき、いつも嬉しかった。「記号、記号、記号、そう、彼女も言ってたわ。あいつらは消費しているのよ。次から次に飽き足らず、ワイドショー、週刊誌、去年流行ったアイドルもニュースも覚えてないわ。」「君は、自分で、望んで、ここにいる。そしてこれからもずっとここにいようとしている。」次の煙草を取り出して火を付ける。そう、消費、そして、消費だ。彼女は苛立っているように見えた。どこまでいっても不誠実だったが、彼らほどではないし、ましてや僕とは比べようもない。僕は彼女のこういった弱さが好きだ。愚かに振る舞うことと、愚かでいることは、まったく別のことだった。「ねぇ、あなたは有名になりたいとか、思ったことないの。」「ここでこうやって君と話しているのがその結果じゃないかな...。心理学でそういう現象に呼び名がありそうだ。『欲求の代替処理』とか。」「私があなたの代替処理をしてるわけね。」「さて。....彼らの欲求を処理する時間だ。」二人は煙草を灰皿に押し付けて、女は控え室から出る。
****************昔、僕が高校生の時に、講演に来た男は四肢を麻痺していた。首から下が動かない。彼は車椅子に乗って演壇に現れ、付添人が彼の車椅子の位置にマイクを合わせる。自己紹介を済ませ、いくつかの話をしたあと、彼が言ったセリフが今でも僕の中で何度も何度も繰り返されている。「夜、早く眠るようにしています。暗い考えはいつも夜に思いつきます。」と。夜中の3時、僕はこの文章を書いていて、もし自分が彼の立場に立つことを考えています。僕たちが語る不幸というのは、一種の前提の上に成り立っていて、それはあなたは触れたいと思うものに触れることができて、あなたは誰にも気をかけずにどこかに行くことができて、それから、山に登り、海で泳いで、夜になれば音楽にあわせて踊ることもあるかもしれません。恋をしたとき自分の立場というものを意識することがあるでしょうか。どこかで働きたいと思ったときに、それを断念する理由は私ほど深刻ではないでしょう。本当は、あなたが思っているほど、世界はあなたが思っているほど、辛い場所ではないはずです。少なくとも私には、あなたはそう望むなら、簡単に手に入れることが沢山あります。私の本棚のなかの一冊にこういった本があります。その小説の中の男は、どこにでもいる平凡な男で、故郷があって、そこには恋人と母親がいます。やがて戦争が始まり、他の多くの男たちと同じように彼も戦争に駆り出されます。いくぶんのためらいがあったが、国(そして、愛する人たちを)を守るため(という名目)に、従軍します。いくつかの戦闘があり、ある戦場で急襲され、一瞬のうち、その一瞬は彼にとって、人生を彼をそれ以前とそれ以後に分けます。数日間の意識の混濁を経て、気付いたとき男は地獄にいました。私は首より下を動かすことができません。あなたは自分が首だけの生き物になってしまったことが想像できるでしょうか?その男は地獄にいました。肩から下、腰から下、視覚?無い。嗅覚?これも無い。口は下顎が跡形も無く、耳は抉れている。男は何度も何度も何度もそれが夢であることを望み、眠りに付こうとして、それを幾度となく繰り返して、そしていつかそれを受け入れざるえなくなりました。彼に残っていたのは意識だけです。気は狂っていませんでした(私は彼の気が狂ってしまっていれば、救いがあったように思えますが。)。彼はベッドの上で感じる振動のみを頼りにして、その状況であれ、経験していきます。ある看護婦は彼のために涙を流して、クリマスの夜、男に寄り添うように眠ったこともありました。そして、物語のクライマックスで、男はひとつの情報の伝達手段を持っていることに気付きます。モールス信号です。男は身体全身で意識を伝えようとします。何度も何度も彼はそれらの意味することを解せず、気が狂っていると。しかし、それを諦めた瞬間に彼は伝達を失った死人に戻ってします。何度も何度も何度も、彼は試みます。そして、ついにそのときは来ました。男の元に表れたのは軍人です。そして、男は軍人にこう告げます。「俺を見世物にしろ。」と。そこには自由があります。彼は世界に出ることができます。自由をくれ。俺に自由を、くれ。ここではない場所に解き放ってくれ。軍人は「きみはなにを言ってるんだ?」と男に。そして男は絶望します。これが私の本棚にある唯一価値のある書物です。時計はam03:31を表示している。自由、自由、自由、自由。*****************************「もう会えないかと思ってました。」「そう?」「電話しましたよ。あの番号に。」「楽しかった?」「すこし怒るってるみたいでした。」手元にある赤い色のカクテルを飲みながら少し考えるように目を右上を向いた。「教えてほしいんです。あなたは誰なんですか?」「私は私よ。むかし読んだ文章に"人は全て環境によって作られた結果"っていうのがあったわ。」「それ、僕が書いた言葉です。」「そうね。じゃあ、私の考えの中にあなたの言葉が根ざしてるわけね。」「それも僕の文章です。」嬉しそうに彼女は笑った。ずっとこのまま彼女と居れればいいのに。ムラハシはモニタに映った少女を眺め続けていて、ムラハシを好きな(彼女はムラハシの気を引くためにムラハシの反対に立つ男と楽しそうに見えるように喋っていた。)女の子はいつものようにその位置から動かないままだ。「’山下さん’とは知り合いなんですか?」僕は彼女のことを何も知らない。「彼女のどこが好きなの?」「誠実なところが。」「容姿じゃなくて?」僕のブログに書いたのが、この山下のどかだとしたら、彼女には僕が褒めちぎっていたのがルックスだけだったことは知っているだろう。「あなたの書く物語が。」「どんなところが?」ムラハシはこっちを向いた。ムラハシのことを好きな女の子はいまや反対側の男(職業が何か検討がつかない)の腰に手を回されている。「視点が好きです。世の中にあることはあることのままです。どこがでいつも何かが起こってる。例えば、」言いかけて、彼女の表情から、話を続ける許可をもらう。「例えば、あなたがチベットの密教の寺院を男と二人で詣でるために、えんえんと山奥をずっとずっと進みつづけています。隣には旅をともにするアメリカ人の男がいて、彼はipodを聞きながら登山をしています。その寺院はマスコミが一度も踏み込んだことの無い場所で、そこに辿り着いたとき、あなたはその場所にしか無い時間を過ごそうとします。礼讃を済ませて、辺り見回すと、僧侶が経を唱え、あたりにはお香の煙の匂いがしていて、食事をとっていると、ふと、さっき同行者のポケットから垂れ下がったイヤフォンに目が止まって、それを聴くと、マイケル・ジャクソンがシャウトしてる。」僕はハイネケンを一口飲んで酔いが進むのを感じた。’山下’は僕の話のまとめを待っていた。「つまり、あらゆる場所があり時間があり出来事があり、そういった物事の全てをまとめあげようとしてるような、あなたの物語が好きなんです。」彼女は深く頷いた。
ある種のバイタリティーのようなものを考えるときに、僕はいつも自分を含む’人種’のようなものに触れてしまう。「生きていくの勇気なんて必要ない。」と断言した人を知っていて、彼女はやはり僕とは違う’人種’に含まれているように思える。いつも何かしらの不安を抱えて生きていくことを、僕は口にせずにはいられない。不安という名の獣が暗闇のほうから僕を喰い千切ってやろうと睨んでいるような、そういった不安。その方向に進むほど、それは後退りして、追い払おうとしても、それでも睨んだまま、いつか、いつかお前を喰ってやる、と唸っている。本当はそんなものは存在しないことを頭は知っている。知っているが、身体中がそれを意識させる。目隠しを付けられて、それでも手に入れようとしたものに裏切られて傷ついてしまったこと記憶なんかが。お前は恐れている。何を?人から見捨てられてしまうことさ。そんなことない。いや、お前は恐れている。大丈夫さ。どうかな、何度も何度も裏切る瞬間に立ち会ってきただろ。そう、お前がその引き金を引いていた。そうだ。間違いないよ。でも、僕はただ恋をしていたんだ。間違ってたかな?正しさなんて無いのさ。ただお前は幕の裏側を覗いた。そしてその代償を払ってるのさ。そんなもの本当は見たくなかったよ。お前が望んだことだ。そう、知ってしまったら、知らなかったときに戻ることはできない。答えろ、欲しいものはなんだ?醜い真実か?それとも、美しく脆弱な欺瞞か?僕はある種のバイタリティーについて考えるとき、彼らが持ち合わせない幻想を思い知る。そこには、ただ、ルールがあって、効率良くそれらが処理されていくだけなのだ。僕は彼らのグループにもなれなかった。だからといって、目をつむることもできなかった。「私はどこにもいないわ。」男は煙草の火を消して、答える「君はそこにいる。君のイメージは沢山の人の心のなかにコピーされていく。君の望んだことだろ。」「そうね。そうかもしれない。でも、彼らの目を見てよ。彼らは私にも、いや、もしかしたら、彼女の書いた物語にすら興味は無いのよ。」「そうかな。」「彼らの頭を開いてもそこには何も無いのよ。あいつら、狂ってるわ。」男はすこし微笑んだ。彼女がちょっとおかしくなったとき、いつも嬉しかった。「記号、記号、記号、そう、彼女も言ってたわ。あいつらは消費しているのよ。次から次に飽き足らず、ワイドショー、週刊誌、去年流行ったアイドルもニュースも覚えてないわ。」「君は、自分で、望んで、ここにいる。そしてこれからもずっとここにいようとしている。」次の煙草を取り出して火を付ける。そう、消費、そして、消費だ。彼女は苛立っているように見えた。どこまでいっても不誠実だったが、彼らほどではないし、ましてや僕とは比べようもない。僕は彼女のこういった弱さが好きだ。愚かに振る舞うことと、愚かでいることは、まったく別のことだった。「ねぇ、あなたは有名になりたいとか、思ったことないの。」「ここでこうやって君と話しているのがその結果じゃないかな...。心理学でそういう現象に呼び名がありそうだ。『欲求の代替処理』とか。」「私があなたの代替処理をしてるわけね。」「さて。....彼らの欲求を処理する時間だ。」二人は煙草を灰皿に押し付けて、女は控え室から出る。
Weeeeeeeeeeeeee
2008年4月29日 日常moldy peachesのLazy Confessions
I forgot見つからなかった
http://www.youtube.com/watch?v=QgFX80N34Fc
こっちはoperation ivyのI got no
http://www.youtube.com/watch?v=HBQyvR25AXc
Tony Hymasは見つからなかった
が、超名曲。
I forgot見つからなかった
http://www.youtube.com/watch?v=QgFX80N34Fc
こっちはoperation ivyのI got no
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Tony Hymasは見つからなかった
が、超名曲。
2008-04-28 2
2008年4月28日 愛だの恋だの男だの女だのと翻訳今日は作文はお休み。
名づけようのないものことを我々はちゃんと知っていて、それを目指して、それを愛でたくて、そのまわりを言葉を使ってぐるぐる彷徨しているだけなのだ。
― 未映子の純粋悲性批判
女の子’に’「『好き』って言ってよ!」って言って絶句されたことがある。
― god is nowhere
2008-04-27
2008年4月27日 日常あなたはきっと理解できないだろうけれど、弱いからと言って自分を騙すこともできなくて、強くなろうと試みてもうまくいかず、出し抜く器用さを持つことにすら失敗するほど不器用で、誰に対しても公平であろうとするほど自分を傷つける、そういった人間がいるのです。
孤独のあまり、ただ涙を流すだけしか術を持たない人も、いることを。
こんなとき、本当に、本当に僕は消えて無くなってしまいたい。
孤独のあまり、ただ涙を流すだけしか術を持たない人も、いることを。
こんなとき、本当に、本当に僕は消えて無くなってしまいたい。
書くことについて(仮) 8/100
2008年4月27日 コミューンと記録メモと書くこと******************サイン会が終わったあと、僕は公園のベンチに座って名刺を眺めていた。本当に本当にあった話だ。今日、僕は『山下のどか』のサイン会に行った。彼女と翻訳家のトークショウがサイン会の前にあって、サイン会が始まる前、座席に座ってると、隣に、もう夢みたいな(夢に出てくるような、ではなく。夢のような。)女の子が僕の隣に座った!座ったんだけど、もうびっくりしていつもの挙動不審状態。ショートカットに金色と黒と茶色を混ぜたような髪の色をしてて、輪郭は信じられないくらいシャープ、白地に黄色と灰色と黒の大きな水玉柄のワンピース、そのワンピースが小さくて、そのひとの真っ白な足がたった今生えてきたような調子で、それで、彼女が僕のかたを叩いて「ねぇ、隣いいかしら?」だ、なんて、彼女のイタリア(行ったことないけど、)の下町の男の子みたいな好奇心を抑えられない大きな目で僕を覗き込んだ時、僕はもう恋したことに気付いた。先週読んだ、『お気に召すまま』のオーランドゥよろしく僕は狂って、その時僕が彼女にひと目で恋に落ちたことさえ彼女には予定調和、調和するような、世界のあらゆる種類の魅力が含まれた場所について語るような声で、僕に話しかけてくれたときは、もう5回ほど、彼女の前で僕は生まれ変わった。僕が自分自身の破壊と再生を繰り返し続けている間、僕は何かを喋った気がするけれど、覚えてない。それで、その15分ばかりの瞬きの間、その間が通り過ぎて、僕は夢見心地で、本を持って、サインをしてもらおうとしたのに、彼女はにっこり笑って(何も喋らなかったけれど、それは「あなただけで行っていいわ。」の意を口を何度か開くだけでそれを解することができた。彼女は一度も言葉を発せずにも生きてゆけるんじゃないかと思う。)それで、サインが済まされて、(サインは自動販売機でコカコーラを買うよりシンプルで洗練された動きの一連で、終了した。)僕が席に戻ると、彼女はいなかった。トイレに行ったかと思ったけれど、その書店にはトイレが無かったことことに気づいて、それで、どうしたものだろうか、僕はそこで、彼女買った本が誰かに持っていかれないように抱えようとすると、本から名刺が落ちて、それで、要請と了解の完了。しかし、何よりも何よりも、公園のベンチに座って、名刺に書かれた名前を凝視していると、想像力と梃にかけた、魔法がかかってることに気付いたんだ。さぁ、わたしのまえではねまわってみせて、と言わんばかりだ。*******その記事に書かれたコメント********ずっと前からあなたのことを知っていたわ。あなたの’距離’というものを信じていないところが好きよ。もし、あなたが望むなら、手に入るわ。************************
僕がフルカワに名刺を渡した。フルカワは表を眺めて、裏を眺めて、それから、また表を眺めて、また裏を眺めて、それから表を少しの間眺めて、僕に返した。「君はツイてる。」「記憶は傷である。たしか、フルカワさんが言った言葉じゃなかったかな。」「まったく付いてる」僕の言葉を無視して、PCに映った文字を眺めた。それらの言葉は僕たちの知らない、どこかに置いてあるPCの中のひとつの部品に物理的に書き込まれている。存在しているのだ。コメントした日時とともに"2008年4月27日3時47分 金色と黒と茶色"とハンドルネームが書かれている。「どう、思いますか?」「最高だ。」僕は笑って、机の上に置かれた名刺を取り上げて、それから仕舞った。確かに最高だったけれど、逃れようの無い最悪な何かがこれらの出来事に先にちらちらと姿を見せては隠れていた。帰ることを伝えて、それから、いつ訪れても慣れないレコードの柱の数々(前に一度、どこに何があるのか覚えているのか訊いたことがあるか尋ねたことがある。ためしに、僕がMoldy Peachesの『I forgot』の入ったレコードを探してもらおうとしたが、それはレコード化されてないと即答されて、代わりにOperation Ivyの『I got no』が入ったレコードを持ってきた。その時、「全部分別されてるんです?」と訊くと、「されていない。」と答えた。フルカワが言った言葉だ「別けることは分かることだ。分かることが所有することだ。別けられたときや、命名をされ分類されたとき、それらはある種の支配を受ける。別けることはつまり、支配することだ。もし、支配されたくないと、自由でありたい望むら、どんなことがあっても、何かの分類の中に含まれよう、とはするな。」)を通り抜けて、玄関に出ると、ちょうど、フルカワの奥さんが玄関を開けて入ってきた。僕は彼女に罪悪感(フルカワに紹介した、僕の知り合いの女の子のことを思ってだ。いまや、フルカワと僕は兄弟だ(そのことをフルカワは知らないが)。)挨拶をして、フルカワに向かって「フルカワさん、最近恋してますか?」と訊くと、フルカワは笑って首を横に振ったが、フルカワの奥さんは僕を睨んだような気がした。そのあと、電車に揺られながら、僕は世界の構造を想像しようとした。きっと想像できないような構造をしてるのだろう。’僕’は今六本木のスターバックスにいて、文章をさらに前へ前へ進めようとしている。ハプニングバーで働いている女の子にメールをすると、今日から、お泊まり。と返事。彼女は実在する。僕も実在する。そして、文章を綴るほど、この現実への肌触りが薄められていく。僕がたった一人浮かび上がっている気分にさせられるのだ。これを読むあなたは存在するんだろうか?それは僕にとってはより濃密で精密な語られる物の中で、だろうか。あなたのその目の裏側で僕は浮かび上がり、そして5万枚のレコード、それらの作者はもう死んでしまい、そして、夢は消え去るが、それと同じようにレコードのトラックのように、、僕はあなたに存在しようとしている。家で赤の顔を眺めていて、果ては彼ら、カロリーメイツのプロモーションビデオまで眺めていた。小さいおっさんがいる考え付いたような振り付けのダンスが印象的だった。彼らが赤→青→黄の順番でホットドッグを頬張る映像がチカチカと移り変わるシーンで、一瞬何かが見えた気がして、何度も何度も何度もそのホットドッグを丸飲みにする映像を眺めていた。何か、何かがそこには映っていた。30分、それを繰り返して、やめた。ベッドに寝そべって、ぼんやり天井を眺めていた。1000の矢が僕を突き抜けていくが、ひとつを捉えようとするが、それは滑り抜けて、また違う矢が僕に向かって飛んできて、ということの繰り返しで、何ひとつ掴めない。おい、お前はそれだけ立派な面構えで、恋した女は全員君に惚れてたんだぜ?知ってるか?知ってるよ。分かってる。じゃあ、なんで、お前はそこでうずくまってるんだ?意味なんて無いぜ。楽しめよ。分かってる。でも、それでも、そうだな、うまく言えないけど。問題ないさ。君は君の欲しがるものを全てに手に入れるよ。ありがとう。僕は目を開けて、それからPCでpepsico inc.の年次報告書5年分を印刷して、プリンタから流れ出す紙が何かを訴えていた。
フルカワに電話をして、カロリーメイツの『ホットドッグディスコ』の映像の2分20秒から2分40秒までの映像をできるかぎり、多くのコマ送りで再生して、全ての画像のファイルを送ってもらうように頼んだ。「コカ・コーラのマーケティングの効果に関する研究に必要なんだ。」とだけ、なぜそうするのかへの返答をすると、フルカワはそれ以上質問せずに「分かった。」とだけ言った。しばらくあとに画像の置き場所のURLとともに文面には、「最高だ。」と書いてあった。それがフルカワの口癖だった。画像をめくるように表示させていくと、僕の勘は当たった。その画像の中には一枚だけ僕が夢で見た赤の挿げ替えられた顔の赤の顔が映っていた。画像から画像へ映る一枚当たりの時間は100分の1秒だった。その表情は恍惚としていて、破滅を暗示させるような画像だった。真っ暗な黒い色と濃い赤と黒に近い灰色のを織りまぜた背景に、腐った土のような肌の色のをした女性だった。僕はそのビデオを調べるために何度も検索をかけて、調べたが結局、それが誰かは分からなかった。サブリミナル効果(サブリミナルこうか)は潜在意識、意識と潜在意識の境界領域に刺激を与える事で表れるとされる効果。ただし科学的にはまだ証明されておらず、効果を疑問視する学者も多い。映画やテレビ放送などでは、使用を禁止されている。発端:歴史は古く、19世紀半ばから実証研究が始まった。当初は知覚心理学だけの領域であったが、現在は広告研究、感情研究、社会心理学、臨床心理学等幅広く様々な関心から研究されている。未だに謎は多いが、長年の研究の蓄積は大きい。1957年にマーケティング業のジェームズ・ヴィカリが、ニュージャージー州フォートリーの映画館で上映された映画「ピクニック」のフィルムに「コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」とメッセージが写ったコマを5分ごとに繰り返し挿入し、売上に影響があるかを測定した実験が有名である。フィルムの一コマを人間が認識する事は不可能と考えられる(後述)が、この映画を上映したところコーラとポップコーンの売上が増大したとされる。だがこの実験がどのような環境で行われたか、アメリカ広告調査機構の要請にも関らず、きちんとした論文は存在しない。1962年、ヴィカリ自ら「マスコミに情報が漏れ過ぎた。実験には十分なデータが集まっていなかった」と実験結果の懐疑性を告白している。原理:外界から入力された視覚的情報は、諸々の神経伝導路を経て大脳皮質の視覚野で知覚される。この伝導にかかる時間はおよそ0.1秒である。また大脳皮質の視覚野の時間的な二点弁別能もおよそ0.1秒であり、それより短い時間で完結した現象は不正確にしか認識することができないとされる。一方、サブリミナル効果を与える時間はおよそ0.03秒である。0.1秒よりも短い0.03秒では大脳皮質視覚野が感知することのできる閾値を下回っており、サブリミナル効果をその意図した通りに認識することは原理上不可能であると考えられている。しかし、視覚野に障害のある皮質盲の患者の一部では、患者の前に何かのものが入ったガラスケースと何も入っていないガラスケースを置きどちらにものが入っているかを答えさせると高率に正解するという実験結果や、「4以下ならAボタンを、5以上ならBボタンを押せ」というタスクを課したとき、「6」を0.03秒見せた後に「2」を0.1秒見せたときのAボタンの反応よりも、「6」を0.03秒見せた後に「9」を0.1秒見せたときのBボタンの反応が有意に早いという実験結果などから、視覚野に到達する伝導路よりも素早く伝わる他の知覚野の存在が示唆される(しかしそれは現在まで発見されていない)。従って、もしこれが証明されればサブリミナル効果は存在すると言える。
土色の肌の女の顔は、二人の女性の顔が合成されていた。観客と壇上の山下のどかの二人の中間の顔だ。その第三の顔を眺めていると、めまいがしてきた。僕がwebでそのプロモーションビデオの製作者を調べよたが、どこを調べてもその名前は出来なかった。僕は、そのビデオに隠された秘密に気付いた誰かがほかにいないかwebで何度も検索して、それらの検索結果のいくつかで、その顔を発見したことが、それが誰かを調べようとする人はいなかった。もちろん、気付いた人もいなかった。なにしろ、世の中には存在しない人の肖像。時計を見るとam00:30を指していた。山下の小説のなかに出てくる小説家が、物を書くときは人が死から再生へ移るそのとき、と書いていたことを思い出した。携帯電話の発信履歴からその番号をさがして(名前は"山下のどかという名前の女"で登録していた。)、彼女にコールする。コールしている間、彼女がセックスの最中に電話にでないことを願った。彼女が電話に出た。「はい。」「こんばんは。」「こんばんわ。」「どなた?」僕は誰だろう。僕は僕だけど、それはいつもどこか作られたものだって、思っていた。ある映画のなかで一人の男の誕生した時点から、ずっと生放送の番組として、一種の疑似生活空間のなかでその番組のなかで俳優達に囲まれて生きて、そして、そのことに気付かないという映画があった。男はある日、その偽装に気付き、確信する。それと同時に昔、一度だけ、ほんの一瞬、喋っただけのある女性(その女性は彼をその欺瞞から救い出したいと考えていた。)に再び会いたいと願う。どういったエンディングだったろうか。
「"あなたの本"を拾った物です。」つかのま、彼女は黙って、それから、「なんでこの番号を知ってるの?」僕は混乱した。この番号は名刺をわざと挟み込んだ彼女のしたことじゃなかったんだろうか。「あなたの電話番号が裏側に書かれた名刺が拾った本のなかに挟まってたんです。」しばしの沈黙。「ねぇ、ちょっと待って、その本、どこに落ちてたの?」会場の場所といつだったを伝えた。「ん。ねぇ、私はあなたの本にサインを書いたはずよね。」彼女は、真夜中の海の底のような色の目をしたほうの山下のどかだ。起きた顛末を話すかどうか迷った。迷ったけれど、ここで話さずに、「あなたの名刺を持った誰かの悪戯だったみたいですね。」と僕が言ってしまったら、そこで、名前を失った短い髪のほうの山下との繋がりは完璧に切れてしまうかもしれない。少なくとも今話している山下から名刺を貰う機会のあった誰かなのだ。僕はその時の出来事を白昼夢のことを省いて話した。「ちなみに、僕はあなたにサインを貰いました。覚えていないでしょうけど。」「どんな格好だった?」少し苛立ったような声色で彼女はたずねた。「フビライハンみたいな感じの吊り目の男です。黒いジャケットを着てました。あなたの目の色みたいに真っ黒の。」「列の最後のほうにいた?」「はい。」「なるほど。」太ったアイドルグループのビデオの話もしようとも思ったがやめた。「さっき話した女性のことは知ってますか?」「知っているといえば、知っているわ。彼女ならこんなこともやりかねないわ。」彼女の声の苛立ちは増しているようだった。「茶目っ気のある人なんですね。」「ちょっとおかしいのよ。」僕はまた現実感を失っていることに気付いた。もしかして、僕もあの映画の男のようになったような気分だった。「フビライハン似の君は、彼女に会いたい?」「できることなら。」「考えておくわ。用事があるから、電話切るけど。」「ありがとう。」「どういたしまして。」電話が切れて、僕はベッドに仰向けになって、自分と、他人との距離を考えていた。
僕は仕事をしながら、いつも想像をしている。できる限り、常識の範囲を越えない、あり得たはずの、実際には起こらない物語だ。僕の向かいには痩せ細った利口そうな茶色い目をした女の子が、ドイツ製のプラスチックの椅子に座って、僕と彼女を挟んで置かれた真っ白な机を凝視している。机を凝視する彼女を凝視する僕は、彼女の白い肌と、いつか僕の隣に座った、建築を学んでいる、黒い服を着た女の子を思い出す。彼女は自分をアーティストとして定義していた。10代特有の神経質で透明な感受性が学歴に洗練され、ある種の個人主義の支配に置かれて完成した自己定義だ。向かいに座った女の子は、凝視した目をさらに凝視する。真っ白な机の上には、何も無かった。何もなかった。
「 神 闇闇闇光闇闇闇 神
※ ※ 鳥
▲ ※ ‖ ‖ ▲
‖ ‖ ‖ ‖ 人 人 ‖ 」
僕は答える。
「喜
悲 不faweofuおうFAEWabl;k 恐 時 勇
faかうowおやふぇeu 恐awef;がえljaふぁうぇjfefa
色 eaあお;えふぁfw 滅 言 苦
温 fea` {音 女 痛 f aw
=kan=awefhh ++falewa愛lu
eawefawula ae感faあgらwj音 無 無AW#!!1jfao怒窮;eえあwfrlufa
時+awe` ふぉあうえfale;uk;じゃ 記
思..
.
」
彼女の言葉が空気を無限に揺らしている。僕は彼女と寝たいと思う。記憶がフラッシュバックを起こす。また、あの場所だ。黒髪の女の子の真っ黒な瞳は全てを吸い込もうとしている。そして、吸い込まれた一部になった僕はそのなかで夢を見る。僕は横浜駅西口にあるビルの2階にいて、金色と黒と光の当たり方を変えた瞬間に深い緑にも見える、女の子を見つめている。僕は恋をした。
日曜の午前9時38分、横浜駅近くのビルの2階のスターバックスで’僕’はこの文章を書いている。フィリップモリスインターナショナルの英語だらけの年次報告書を読んでいる。と、いま書けば、あなたは僕がその文章の中から、東ヨーロッパの国の煙草の販売数量を調べている姿を想像するだろうけれど、そんな事実は無くて、それはあなたの頭のなかに浮かび上がった想像でしかない。事実を捏造する。この店のすぐそばには靴屋があって、そこには黒い長い髪の女の子と、茶色くて短い髪の女の子が勤めている。文字、文字、文字、何かを物語ることは、願望の稚拙な達成な達成に過ぎない。僕は煙草を吸わない。僕は傷ついていない。ただ、ただ、もどかしいのだ。
電話が鳴っている、誰からかも確かめずに電話に出ると、「今日イベント来ない?」ムラカワからだった。「........あー、なんのイベント?」「新宿の。」「今日か。」「来る?」「行く。」携帯電話を耳から話して、時刻を確認するとam01:12だった。「30分後くらいに着く。」電話を切って、シャワーを浴びて、服を着替えて、髪を乾かして、アパートの鍵を閉めると隣人が帰ってくるところだった。「こんばんわ。」「こんばんわ。」彼女がふらふら歩いている後ろから、黄色い髪の男付いてきた。隣人が僕の顔を酔って濡れた目(垂れ目でいつも何かを訴えかけるように感じた)で覗き込んだかと思うと、ぐっと顔を逸して、自分の家のドアに鍵を差し込んだ。階段を降りて、自転車に乗って、新宿に向かう途中で見ていた夢を思いだそうとした。
「その映画のまた別のシーンでは、果ての見えない大きな倉庫、その床をヒヨコが何千匹、もしかしたら何万匹かもしれませんが、そのたくさんヒヨコの群れ、群れ表現するのが弱すぎるほどの、床一面のヒヨコが養鶏場の社員がバラまく餌をついばんでいます。社員の通ろうとする道をたくさんのヒヨコは道を空け、餌をばらまいた場所には、黄色がその濃密さを増すように寄り集まっていました。また、いくつかのシーンを経て、それらのシーンはヒヨコの代わりに、キャベツや果物なんかの大量生産の過程を喋る言葉が一切無くひたすら、画面が続きます。その大量生産を続ける機械や仕組み、労働に従じる人たちのまったくの効率の良さ、そしてその圧倒的な効率の良さを追求された、’生産する’という点の無駄の無い機能的で効率的な美しさは、まるで、ある種の美があり、まったく、まったくの芸術作品のようでした。場面は、またヒヨコのシーンに戻ります。画面には、ベルトコンベアに乗せられて運ばれてくるヒヨコの雄と雌を識別する係の人、雌雄識別士とでも言えばいいのでしょうか。彼らが一匹一匹をほんの一瞬で分けていきます。どちらかの性別と識別されたヒヨコは識別士のそばにある何段かんつまれたカゴに放りこまれ、その性別ではないヒヨコは彼らの立つ場所から始まるベルトコンベアに放りこまれます。私は一度、卵を産まないヒヨコがどうなるのかを養鶏場の従業員がどうするのかを答えた映像を見たことがあります。彼は『良い肥料になるんですよ。』と無邪気そうな笑顔で答えていていました。もちろん、私は、彼が残酷で恐ろしい人間だ、とは言うつもりはありません。一度、幼い姪を連れて繁華街にあるデパートのレストランで親子丼を食べる彼女が、(彼女はとても聡明な女の子です。私は彼女といると緊張します。もしかしたら、彼女が密かに頭の中に隠し持つ、では私は取り返しようの無い無知で愚かな人のリスト、その列の一行に分類されているかもしれません。)「ねぇ、親子丼ってね、にわとりとそのたまごを一緒にした料理でね、たまごはにわとりの子供なの。」と、私は彼女がそのとき、邪悪な全てをはねのけるような意思の強い、彼女がそういった全ての欺瞞を彼女だけが持つ、強力な槍で貫くような、そういった何かに包む膜のようなものが見えました。そして、そのとき、わたしは、親子丼なんて、何の変哲の無い食事が持つ矛盾や残酷さ欺瞞に気付かされました。そして、彼女にとって私達はその養鶏場の男と変わりない、無神経で偽善的な一群(そう、餌を群れてついばみ、ベルトコンベアに詰まれてよりわけられ、死ぬまで卵を産み続け、肥料にされ、そして’生産’され、そのことは覆い隠され、いつかひとつの食事になることに気付かない、動物のような。)の一匹のように見えたのかもしれません。彼女は14才の時に自殺しました。遺書はなく、彼女の死体は腐っていて、彼女の面影は無かったそうです。もしかしたら、いや、間違いなく、彼女は自分を殺す前に、自分もその一群の一人であることを十分に分かっていたと思います。輪はまた別の輪を持ち、彼らは工場を持ち、その工場を動かす彼らもまた別の仕組みの中を運ばれて生産される人間の農場のひとつであることを。」男はカロリーメイツがライブで歌っているあいだ、その文章を読んでいた。まったく陰気な女だと思った。男がアルバイトで編集の補佐を始めたころ、何度も彼女にゴーストライターとして文章を書く理由を問いたことがあったが、そのたびに、肩をすくめたり、話をごまかしたりして、やがて諦めたが、この文章を読んでいて(といってもまだ文章のずっと最初だが)、彼女が人、人そのものを軽蔑しているかもしれないと思った。彼女は人が持つ愚かさを呪っている。カロリーメイツが『アンチビーガン』を歌っているのが聞こえる。彼らのプロデューサ(曲と歌詞を作っている。彼女達のヒット曲(200万枚売れた)『肉肉肉肉肉野菜』の歌詞はカロリーメイツのメンバーが歌詞を考えることになったが、思いつかないと泣きついてきいて、手伝ったことがある。)のタニハシが彼らの企画をレコード会社に出して、左遷扱い(社長に紹介した愛人が俺のセックスフレンドの一人だったことがバレたせいだ。)で、彼女達のマネージャーになったが、今でも彼らがなんで世の中に受け入れられたのかがいまだに理解できない。クラブに着くと、ムラカワがカウンターでビールを飲んでいて、カウンターにあるビデオの映像をぼんやりと眺めていた。隣にはムラハシのことを好き(なように僕には見える。)な女の子(彼女はシマという有名な美容室のチェーン店の専属のカットモデルをしていて、アメリカからの帰国子女で、歌手を目指していた。)がいたので、僕は挨拶を後回しにして、トイレに行ってそれからフロアに行こうとすると、ムラハシのことを好きな(ようにしか見えない)女の子が僕を呼び止めた。無口な男を喋らせるにはうってつけなんだろう。
僕がフルカワに名刺を渡した。フルカワは表を眺めて、裏を眺めて、それから、また表を眺めて、また裏を眺めて、それから表を少しの間眺めて、僕に返した。「君はツイてる。」「記憶は傷である。たしか、フルカワさんが言った言葉じゃなかったかな。」「まったく付いてる」僕の言葉を無視して、PCに映った文字を眺めた。それらの言葉は僕たちの知らない、どこかに置いてあるPCの中のひとつの部品に物理的に書き込まれている。存在しているのだ。コメントした日時とともに"2008年4月27日3時47分 金色と黒と茶色"とハンドルネームが書かれている。「どう、思いますか?」「最高だ。」僕は笑って、机の上に置かれた名刺を取り上げて、それから仕舞った。確かに最高だったけれど、逃れようの無い最悪な何かがこれらの出来事に先にちらちらと姿を見せては隠れていた。帰ることを伝えて、それから、いつ訪れても慣れないレコードの柱の数々(前に一度、どこに何があるのか覚えているのか訊いたことがあるか尋ねたことがある。ためしに、僕がMoldy Peachesの『I forgot』の入ったレコードを探してもらおうとしたが、それはレコード化されてないと即答されて、代わりにOperation Ivyの『I got no』が入ったレコードを持ってきた。その時、「全部分別されてるんです?」と訊くと、「されていない。」と答えた。フルカワが言った言葉だ「別けることは分かることだ。分かることが所有することだ。別けられたときや、命名をされ分類されたとき、それらはある種の支配を受ける。別けることはつまり、支配することだ。もし、支配されたくないと、自由でありたい望むら、どんなことがあっても、何かの分類の中に含まれよう、とはするな。」)を通り抜けて、玄関に出ると、ちょうど、フルカワの奥さんが玄関を開けて入ってきた。僕は彼女に罪悪感(フルカワに紹介した、僕の知り合いの女の子のことを思ってだ。いまや、フルカワと僕は兄弟だ(そのことをフルカワは知らないが)。)挨拶をして、フルカワに向かって「フルカワさん、最近恋してますか?」と訊くと、フルカワは笑って首を横に振ったが、フルカワの奥さんは僕を睨んだような気がした。そのあと、電車に揺られながら、僕は世界の構造を想像しようとした。きっと想像できないような構造をしてるのだろう。’僕’は今六本木のスターバックスにいて、文章をさらに前へ前へ進めようとしている。ハプニングバーで働いている女の子にメールをすると、今日から、お泊まり。と返事。彼女は実在する。僕も実在する。そして、文章を綴るほど、この現実への肌触りが薄められていく。僕がたった一人浮かび上がっている気分にさせられるのだ。これを読むあなたは存在するんだろうか?それは僕にとってはより濃密で精密な語られる物の中で、だろうか。あなたのその目の裏側で僕は浮かび上がり、そして5万枚のレコード、それらの作者はもう死んでしまい、そして、夢は消え去るが、それと同じようにレコードのトラックのように、、僕はあなたに存在しようとしている。家で赤の顔を眺めていて、果ては彼ら、カロリーメイツのプロモーションビデオまで眺めていた。小さいおっさんがいる考え付いたような振り付けのダンスが印象的だった。彼らが赤→青→黄の順番でホットドッグを頬張る映像がチカチカと移り変わるシーンで、一瞬何かが見えた気がして、何度も何度も何度もそのホットドッグを丸飲みにする映像を眺めていた。何か、何かがそこには映っていた。30分、それを繰り返して、やめた。ベッドに寝そべって、ぼんやり天井を眺めていた。1000の矢が僕を突き抜けていくが、ひとつを捉えようとするが、それは滑り抜けて、また違う矢が僕に向かって飛んできて、ということの繰り返しで、何ひとつ掴めない。おい、お前はそれだけ立派な面構えで、恋した女は全員君に惚れてたんだぜ?知ってるか?知ってるよ。分かってる。じゃあ、なんで、お前はそこでうずくまってるんだ?意味なんて無いぜ。楽しめよ。分かってる。でも、それでも、そうだな、うまく言えないけど。問題ないさ。君は君の欲しがるものを全てに手に入れるよ。ありがとう。僕は目を開けて、それからPCでpepsico inc.の年次報告書5年分を印刷して、プリンタから流れ出す紙が何かを訴えていた。
フルカワに電話をして、カロリーメイツの『ホットドッグディスコ』の映像の2分20秒から2分40秒までの映像をできるかぎり、多くのコマ送りで再生して、全ての画像のファイルを送ってもらうように頼んだ。「コカ・コーラのマーケティングの効果に関する研究に必要なんだ。」とだけ、なぜそうするのかへの返答をすると、フルカワはそれ以上質問せずに「分かった。」とだけ言った。しばらくあとに画像の置き場所のURLとともに文面には、「最高だ。」と書いてあった。それがフルカワの口癖だった。画像をめくるように表示させていくと、僕の勘は当たった。その画像の中には一枚だけ僕が夢で見た赤の挿げ替えられた顔の赤の顔が映っていた。画像から画像へ映る一枚当たりの時間は100分の1秒だった。その表情は恍惚としていて、破滅を暗示させるような画像だった。真っ暗な黒い色と濃い赤と黒に近い灰色のを織りまぜた背景に、腐った土のような肌の色のをした女性だった。僕はそのビデオを調べるために何度も検索をかけて、調べたが結局、それが誰かは分からなかった。サブリミナル効果(サブリミナルこうか)は潜在意識、意識と潜在意識の境界領域に刺激を与える事で表れるとされる効果。ただし科学的にはまだ証明されておらず、効果を疑問視する学者も多い。映画やテレビ放送などでは、使用を禁止されている。発端:歴史は古く、19世紀半ばから実証研究が始まった。当初は知覚心理学だけの領域であったが、現在は広告研究、感情研究、社会心理学、臨床心理学等幅広く様々な関心から研究されている。未だに謎は多いが、長年の研究の蓄積は大きい。1957年にマーケティング業のジェームズ・ヴィカリが、ニュージャージー州フォートリーの映画館で上映された映画「ピクニック」のフィルムに「コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」とメッセージが写ったコマを5分ごとに繰り返し挿入し、売上に影響があるかを測定した実験が有名である。フィルムの一コマを人間が認識する事は不可能と考えられる(後述)が、この映画を上映したところコーラとポップコーンの売上が増大したとされる。だがこの実験がどのような環境で行われたか、アメリカ広告調査機構の要請にも関らず、きちんとした論文は存在しない。1962年、ヴィカリ自ら「マスコミに情報が漏れ過ぎた。実験には十分なデータが集まっていなかった」と実験結果の懐疑性を告白している。原理:外界から入力された視覚的情報は、諸々の神経伝導路を経て大脳皮質の視覚野で知覚される。この伝導にかかる時間はおよそ0.1秒である。また大脳皮質の視覚野の時間的な二点弁別能もおよそ0.1秒であり、それより短い時間で完結した現象は不正確にしか認識することができないとされる。一方、サブリミナル効果を与える時間はおよそ0.03秒である。0.1秒よりも短い0.03秒では大脳皮質視覚野が感知することのできる閾値を下回っており、サブリミナル効果をその意図した通りに認識することは原理上不可能であると考えられている。しかし、視覚野に障害のある皮質盲の患者の一部では、患者の前に何かのものが入ったガラスケースと何も入っていないガラスケースを置きどちらにものが入っているかを答えさせると高率に正解するという実験結果や、「4以下ならAボタンを、5以上ならBボタンを押せ」というタスクを課したとき、「6」を0.03秒見せた後に「2」を0.1秒見せたときのAボタンの反応よりも、「6」を0.03秒見せた後に「9」を0.1秒見せたときのBボタンの反応が有意に早いという実験結果などから、視覚野に到達する伝導路よりも素早く伝わる他の知覚野の存在が示唆される(しかしそれは現在まで発見されていない)。従って、もしこれが証明されればサブリミナル効果は存在すると言える。
土色の肌の女の顔は、二人の女性の顔が合成されていた。観客と壇上の山下のどかの二人の中間の顔だ。その第三の顔を眺めていると、めまいがしてきた。僕がwebでそのプロモーションビデオの製作者を調べよたが、どこを調べてもその名前は出来なかった。僕は、そのビデオに隠された秘密に気付いた誰かがほかにいないかwebで何度も検索して、それらの検索結果のいくつかで、その顔を発見したことが、それが誰かを調べようとする人はいなかった。もちろん、気付いた人もいなかった。なにしろ、世の中には存在しない人の肖像。時計を見るとam00:30を指していた。山下の小説のなかに出てくる小説家が、物を書くときは人が死から再生へ移るそのとき、と書いていたことを思い出した。携帯電話の発信履歴からその番号をさがして(名前は"山下のどかという名前の女"で登録していた。)、彼女にコールする。コールしている間、彼女がセックスの最中に電話にでないことを願った。彼女が電話に出た。「はい。」「こんばんは。」「こんばんわ。」「どなた?」僕は誰だろう。僕は僕だけど、それはいつもどこか作られたものだって、思っていた。ある映画のなかで一人の男の誕生した時点から、ずっと生放送の番組として、一種の疑似生活空間のなかでその番組のなかで俳優達に囲まれて生きて、そして、そのことに気付かないという映画があった。男はある日、その偽装に気付き、確信する。それと同時に昔、一度だけ、ほんの一瞬、喋っただけのある女性(その女性は彼をその欺瞞から救い出したいと考えていた。)に再び会いたいと願う。どういったエンディングだったろうか。
「"あなたの本"を拾った物です。」つかのま、彼女は黙って、それから、「なんでこの番号を知ってるの?」僕は混乱した。この番号は名刺をわざと挟み込んだ彼女のしたことじゃなかったんだろうか。「あなたの電話番号が裏側に書かれた名刺が拾った本のなかに挟まってたんです。」しばしの沈黙。「ねぇ、ちょっと待って、その本、どこに落ちてたの?」会場の場所といつだったを伝えた。「ん。ねぇ、私はあなたの本にサインを書いたはずよね。」彼女は、真夜中の海の底のような色の目をしたほうの山下のどかだ。起きた顛末を話すかどうか迷った。迷ったけれど、ここで話さずに、「あなたの名刺を持った誰かの悪戯だったみたいですね。」と僕が言ってしまったら、そこで、名前を失った短い髪のほうの山下との繋がりは完璧に切れてしまうかもしれない。少なくとも今話している山下から名刺を貰う機会のあった誰かなのだ。僕はその時の出来事を白昼夢のことを省いて話した。「ちなみに、僕はあなたにサインを貰いました。覚えていないでしょうけど。」「どんな格好だった?」少し苛立ったような声色で彼女はたずねた。「フビライハンみたいな感じの吊り目の男です。黒いジャケットを着てました。あなたの目の色みたいに真っ黒の。」「列の最後のほうにいた?」「はい。」「なるほど。」太ったアイドルグループのビデオの話もしようとも思ったがやめた。「さっき話した女性のことは知ってますか?」「知っているといえば、知っているわ。彼女ならこんなこともやりかねないわ。」彼女の声の苛立ちは増しているようだった。「茶目っ気のある人なんですね。」「ちょっとおかしいのよ。」僕はまた現実感を失っていることに気付いた。もしかして、僕もあの映画の男のようになったような気分だった。「フビライハン似の君は、彼女に会いたい?」「できることなら。」「考えておくわ。用事があるから、電話切るけど。」「ありがとう。」「どういたしまして。」電話が切れて、僕はベッドに仰向けになって、自分と、他人との距離を考えていた。
僕は仕事をしながら、いつも想像をしている。できる限り、常識の範囲を越えない、あり得たはずの、実際には起こらない物語だ。僕の向かいには痩せ細った利口そうな茶色い目をした女の子が、ドイツ製のプラスチックの椅子に座って、僕と彼女を挟んで置かれた真っ白な机を凝視している。机を凝視する彼女を凝視する僕は、彼女の白い肌と、いつか僕の隣に座った、建築を学んでいる、黒い服を着た女の子を思い出す。彼女は自分をアーティストとして定義していた。10代特有の神経質で透明な感受性が学歴に洗練され、ある種の個人主義の支配に置かれて完成した自己定義だ。向かいに座った女の子は、凝視した目をさらに凝視する。真っ白な机の上には、何も無かった。何もなかった。
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日曜の午前9時38分、横浜駅近くのビルの2階のスターバックスで’僕’はこの文章を書いている。フィリップモリスインターナショナルの英語だらけの年次報告書を読んでいる。と、いま書けば、あなたは僕がその文章の中から、東ヨーロッパの国の煙草の販売数量を調べている姿を想像するだろうけれど、そんな事実は無くて、それはあなたの頭のなかに浮かび上がった想像でしかない。事実を捏造する。この店のすぐそばには靴屋があって、そこには黒い長い髪の女の子と、茶色くて短い髪の女の子が勤めている。文字、文字、文字、何かを物語ることは、願望の稚拙な達成な達成に過ぎない。僕は煙草を吸わない。僕は傷ついていない。ただ、ただ、もどかしいのだ。
電話が鳴っている、誰からかも確かめずに電話に出ると、「今日イベント来ない?」ムラカワからだった。「........あー、なんのイベント?」「新宿の。」「今日か。」「来る?」「行く。」携帯電話を耳から話して、時刻を確認するとam01:12だった。「30分後くらいに着く。」電話を切って、シャワーを浴びて、服を着替えて、髪を乾かして、アパートの鍵を閉めると隣人が帰ってくるところだった。「こんばんわ。」「こんばんわ。」彼女がふらふら歩いている後ろから、黄色い髪の男付いてきた。隣人が僕の顔を酔って濡れた目(垂れ目でいつも何かを訴えかけるように感じた)で覗き込んだかと思うと、ぐっと顔を逸して、自分の家のドアに鍵を差し込んだ。階段を降りて、自転車に乗って、新宿に向かう途中で見ていた夢を思いだそうとした。
「その映画のまた別のシーンでは、果ての見えない大きな倉庫、その床をヒヨコが何千匹、もしかしたら何万匹かもしれませんが、そのたくさんヒヨコの群れ、群れ表現するのが弱すぎるほどの、床一面のヒヨコが養鶏場の社員がバラまく餌をついばんでいます。社員の通ろうとする道をたくさんのヒヨコは道を空け、餌をばらまいた場所には、黄色がその濃密さを増すように寄り集まっていました。また、いくつかのシーンを経て、それらのシーンはヒヨコの代わりに、キャベツや果物なんかの大量生産の過程を喋る言葉が一切無くひたすら、画面が続きます。その大量生産を続ける機械や仕組み、労働に従じる人たちのまったくの効率の良さ、そしてその圧倒的な効率の良さを追求された、’生産する’という点の無駄の無い機能的で効率的な美しさは、まるで、ある種の美があり、まったく、まったくの芸術作品のようでした。場面は、またヒヨコのシーンに戻ります。画面には、ベルトコンベアに乗せられて運ばれてくるヒヨコの雄と雌を識別する係の人、雌雄識別士とでも言えばいいのでしょうか。彼らが一匹一匹をほんの一瞬で分けていきます。どちらかの性別と識別されたヒヨコは識別士のそばにある何段かんつまれたカゴに放りこまれ、その性別ではないヒヨコは彼らの立つ場所から始まるベルトコンベアに放りこまれます。私は一度、卵を産まないヒヨコがどうなるのかを養鶏場の従業員がどうするのかを答えた映像を見たことがあります。彼は『良い肥料になるんですよ。』と無邪気そうな笑顔で答えていていました。もちろん、私は、彼が残酷で恐ろしい人間だ、とは言うつもりはありません。一度、幼い姪を連れて繁華街にあるデパートのレストランで親子丼を食べる彼女が、(彼女はとても聡明な女の子です。私は彼女といると緊張します。もしかしたら、彼女が密かに頭の中に隠し持つ、では私は取り返しようの無い無知で愚かな人のリスト、その列の一行に分類されているかもしれません。)「ねぇ、親子丼ってね、にわとりとそのたまごを一緒にした料理でね、たまごはにわとりの子供なの。」と、私は彼女がそのとき、邪悪な全てをはねのけるような意思の強い、彼女がそういった全ての欺瞞を彼女だけが持つ、強力な槍で貫くような、そういった何かに包む膜のようなものが見えました。そして、そのとき、わたしは、親子丼なんて、何の変哲の無い食事が持つ矛盾や残酷さ欺瞞に気付かされました。そして、彼女にとって私達はその養鶏場の男と変わりない、無神経で偽善的な一群(そう、餌を群れてついばみ、ベルトコンベアに詰まれてよりわけられ、死ぬまで卵を産み続け、肥料にされ、そして’生産’され、そのことは覆い隠され、いつかひとつの食事になることに気付かない、動物のような。)の一匹のように見えたのかもしれません。彼女は14才の時に自殺しました。遺書はなく、彼女の死体は腐っていて、彼女の面影は無かったそうです。もしかしたら、いや、間違いなく、彼女は自分を殺す前に、自分もその一群の一人であることを十分に分かっていたと思います。輪はまた別の輪を持ち、彼らは工場を持ち、その工場を動かす彼らもまた別の仕組みの中を運ばれて生産される人間の農場のひとつであることを。」男はカロリーメイツがライブで歌っているあいだ、その文章を読んでいた。まったく陰気な女だと思った。男がアルバイトで編集の補佐を始めたころ、何度も彼女にゴーストライターとして文章を書く理由を問いたことがあったが、そのたびに、肩をすくめたり、話をごまかしたりして、やがて諦めたが、この文章を読んでいて(といってもまだ文章のずっと最初だが)、彼女が人、人そのものを軽蔑しているかもしれないと思った。彼女は人が持つ愚かさを呪っている。カロリーメイツが『アンチビーガン』を歌っているのが聞こえる。彼らのプロデューサ(曲と歌詞を作っている。彼女達のヒット曲(200万枚売れた)『肉肉肉肉肉野菜』の歌詞はカロリーメイツのメンバーが歌詞を考えることになったが、思いつかないと泣きついてきいて、手伝ったことがある。)のタニハシが彼らの企画をレコード会社に出して、左遷扱い(社長に紹介した愛人が俺のセックスフレンドの一人だったことがバレたせいだ。)で、彼女達のマネージャーになったが、今でも彼らがなんで世の中に受け入れられたのかがいまだに理解できない。クラブに着くと、ムラカワがカウンターでビールを飲んでいて、カウンターにあるビデオの映像をぼんやりと眺めていた。隣にはムラハシのことを好き(なように僕には見える。)な女の子(彼女はシマという有名な美容室のチェーン店の専属のカットモデルをしていて、アメリカからの帰国子女で、歌手を目指していた。)がいたので、僕は挨拶を後回しにして、トイレに行ってそれからフロアに行こうとすると、ムラハシのことを好きな(ようにしか見えない)女の子が僕を呼び止めた。無口な男を喋らせるにはうってつけなんだろう。
もうゴールデンウィークって一年過ぎるの早すぎ
2008年4月26日 日常なのでなのでなので今年は何か残してやろうと、作り上げてばちっとお見せしましょう、したいです。したいです。あとあと、好きな女の子とか、そういうのも、ばちっと、こう、ぐりっと、にきっと、そういう擬態、態度で。
2008-04-26
2008年4月26日 日常クラブで寝てて、僕をそっと起こして、文字通り身を寄せた女の子が、ストレスとホルモンのなんとかで子宮切り取ることになった、と話していて、僕は彼女に恋をしているわけでもないのに、なんでか全然うまく話せなくて、途切れ途切れの会話とか、そんなこと言ってどうするんだ、っていうようなことばかり言って、自分自身にうんざりした。誰かが傷付いてて、そのことに気付いていたのに何もできないのがもどかしかった。
2008-04-25
2008年4月25日 日常クラブに遊びに行って寝てるっていうダメさを「もったいない、っていうか、最近いつも寝てるじゃん。」って指摘された。ダメ期に入ってるのかもしれない。
表参道歩いてたら、男が彼女(仮にAとする)ではない女の子と一緒にいて、その男(仮にBとする)のほうとは顔見知り程度で近しくもないんだけど、でも、目の前でA(ちなみにAとも顔見知り程度。名前すら知らない(知りたいけど))とBが俺の目前で付き合ってる感丸出しだったんだけど、でも、あー、でも、そのとき俺が瞬発的なカップル批評では「はいはい、君たちみたいなカップルが、結婚とか、子供の数とか語ったりしたら僕は吐き気がしますね。しますよ。クソっ、お前ら別れちまえ、っていうか、絶対その女の子、お前より俺のほうが各上扱い!」とか憤慨(無理くり高慢になるほど)してたけど、なんかなんかなんか、酷い話だ。本当に最初から最後まで傷付ついてたのは、俺だけみたいだ!エセカップル(もといエセ夫婦)なんてみんな別れちゃえばいいんだ!!
追記
去年の秋だか冬にAが違う男と腕組んであるいてたけど、それがBと付き合ってた時期と被ってたら笑えるな、と思った。
追々記
もっと込み入ったあれこれもある(と、推測。っていうか確信。)んだけど、それは俺の利害が向こう側的に勝手に処理されたっぽくて、云々であれこれ、とにかく、これでその件のGUDAGUDAも前の件のGUDAGUDAも俺内部で勝手に消化。これ自体も足のひっぱりあいなんだけど、人の恋愛を邪魔する奴は、もうほんと、空気読めるとか読めないとかそういうレベルじゃないから、ほんとどっか行ってほしい。一方的に殴られても怒らないけど、そこらへんはちょっと俺も怒るから(怒)もう嘲笑気分もうんざりするのにも飽きて、世の中にいるやつは一人残らず誰かの足をひっぱるようにできてるんだろうな!とか達観気味。泣かないけどね!
追々々記
あえて、逆にもっと突っ込んで書くと、しょせん打算とオマンコにまみれるのが恋愛ってもんだよねー、とか斜に構えて、言いたくなる。内心泣きたい。
追記
去年の秋だか冬にAが違う男と腕組んであるいてたけど、それがBと付き合ってた時期と被ってたら笑えるな、と思った。
追々記
もっと込み入ったあれこれもある(と、推測。っていうか確信。)んだけど、それは俺の利害が向こう側的に勝手に処理されたっぽくて、云々であれこれ、とにかく、これでその件のGUDAGUDAも前の件のGUDAGUDAも俺内部で勝手に消化。これ自体も足のひっぱりあいなんだけど、人の恋愛を邪魔する奴は、もうほんと、空気読めるとか読めないとかそういうレベルじゃないから、ほんとどっか行ってほしい。一方的に殴られても怒らないけど、そこらへんはちょっと俺も怒るから(怒)もう嘲笑気分もうんざりするのにも飽きて、世の中にいるやつは一人残らず誰かの足をひっぱるようにできてるんだろうな!とか達観気味。泣かないけどね!
追々々記
あえて、逆にもっと突っ込んで書くと、しょせん打算とオマンコにまみれるのが恋愛ってもんだよねー、とか斜に構えて、言いたくなる。内心泣きたい。
書くことについて(仮) 7/100
2008年4月22日 コミューンと記録メモと書くこと部屋のガラス張りからは東京の景色を220度眺めることができた。男が僕の書いたレポートを読んでいる間、僕は自分で用意したビール(ワインを用意していたが、僕はまだ、それに見合うだけの働きをしていなかったのだ。)の缶を持って、蛍光灯と建築と都市計画の産物を睨んでいた。「夢がみれないって?じゃあ、きみは何がしたいんだ?」という歌詞を思い出した。フルカワが僕にいくつかレポートの足りない部分を質問して、その場で答えられるものに全て答え、分からないものは調べて置くと振り返りもせずに答えた。彼が眼鏡を押し上げながら、ソファに身をうずめると、僕は振り返って、部屋一面一杯に生えて天井に届きそうなレコードの一群を眺めて、飢えることについて考えていた。「昨日の夜、こういう夢を見たんです。太った女がひたすら肉を食っている。部屋には僕と彼女以外にはいなくて、ひたすらその女は肉を喰っているんです。僕は恐ろしくなって、彼女を止めようとしたんですが、彼女は構わずひたすら肉を喰っていました。それで、朝目が覚めて、その女の子こと、彼女はアイドルだったんです。ほら、最近流行ってる、あの太ったアイドルの一人で。」僕はビールを一口飲んで、それからフルカワのいつもの会話を引きちぎって全く別の会話に繋ぐ返事を待ったが、あいにく無かった。無かったので、その続きを話した。「実は、一度、僕が書いているブログ、ほら、例の。」「いつか、匿名で書いててもバレるよ。言葉は人の全体を表す。分かる人間なら、すぐにね。」「構わないです。それで、あそこでその夢のことを書いたら、コメントが書いてかって。それが、どうにも、その顔の人からの書き込みたいなんですよ。」フルカワが手前のテーブルに置いてあるノートPCを膝に載せて、開いて、ページにアクセスした。「奇妙な話じゃありませんか?」「確かに。」「でも、もしそうなら、僕はその真相を知りたい。」フルカワは眼鏡を押し上げて、僕を一瞥した。
2008-04-22
2008年4月22日 日常眠い。
6/100がつまんなすぎて失神か失禁をしそうになった。その両方を交互に繰り返しそうになった。
少し疲れている。
寝よう。
・
1.「知らないです。見たことも聞いたこともないです。」
2.「見ました聞きました。○○は良かったけど、△△はいまいちでした。」
3.「見ました聞きました。○○良かった。」(△△も見たり聞いたりしてるけど。)
4.「見ました聞きました。○○も△△も両方良かった。」(△△を良いとは思っていない。)
5.「知ってます。見たことも聞いたこともありませんが。」(本当は○○も△△も見たり聞いたりしてる。)
6.直接批評を求められない限り絶対に批評しない。
・
+、大苦戦。
ピアノ(というか、鍵盤。)、全然うまくなる実感なし。
が、弾きます。
伝導力、伝導力。
・
平日の昼間に街を歩いてると主婦率高くて、やっぱり女に生まれたかったと思った。
死ぬほど退屈な人間として楽して生きるか、きつくても楽しくてしょうがない、の2択なのだ。
6/100がつまんなすぎて失神か失禁をしそうになった。その両方を交互に繰り返しそうになった。
少し疲れている。
寝よう。
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1.「知らないです。見たことも聞いたこともないです。」
2.「見ました聞きました。○○は良かったけど、△△はいまいちでした。」
3.「見ました聞きました。○○良かった。」(△△も見たり聞いたりしてるけど。)
4.「見ました聞きました。○○も△△も両方良かった。」(△△を良いとは思っていない。)
5.「知ってます。見たことも聞いたこともありませんが。」(本当は○○も△△も見たり聞いたりしてる。)
6.直接批評を求められない限り絶対に批評しない。
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+、大苦戦。
ピアノ(というか、鍵盤。)、全然うまくなる実感なし。
が、弾きます。
伝導力、伝導力。
・
平日の昼間に街を歩いてると主婦率高くて、やっぱり女に生まれたかったと思った。
死ぬほど退屈な人間として楽して生きるか、きつくても楽しくてしょうがない、の2択なのだ。
書くことについて(仮) 6/100
2008年4月22日 コミューンと記録メモと書くこと電話を切って、もうひと組の年次報告書を読み終えて、彼女が最近書いた短篇の収録された雑誌を開いた。ツタヤの本を売る店舗と、スターバックスが複合した店で、裕福な人達と、着飾った人達と、その両方である人達が椅子に座っていて、彼らが読んでいるのは誰かが作った生活の仕方が書かれた雑誌か、もしくは、その生活の仕方を作る人達になろうとするための本か、どちらかだった。ふと煙草を吸いたくなったけれど、店内は禁煙だったし、何よりも僕は煙草を持ち合わせていなかった。急速に需要と供給を拡大させていく後進国の喫煙する人々と僕は何かしらを共有したかったのだ。ここには居ない記号を取り扱わない純朴で、粗野な彼らと。日が暮れていくのが少し眩しくて、目を細めて、それから荷物をまとめて、店を出た。高校に入ってから僕が好きになった女の子達、一人目:クラスが一緒だったバスケットボール部の女の子で、黒い短いショートカットで、明るくて、笑うと男の子みたいに見えた。高校に入ってからの僕の友人の何人かは彼女のことを好きだった。彼女とは何度も何度も何度も目が合ったけれど、結局、単語と単語を繋ぎ合わせるような会話をせずに終わった。彼女とは高校の3年間クラスが同じだった。僕は目立たないようにしていたけれど、(坊主刈りで決して女の子と話すことはせず、いつも授業中は小説(村上春樹、アーヴィング、オースター、サリンジャー、クープランド、有名な古典文学、無名な日本人の小説家。)を読んで、小説を読む気分ではない時は、授業の始まりにトイレに行って、学校の近くの漫画喫茶に入ってマンガを読んで、授業の終わりに、「トイレ行ってきました。」と、教師に言って授業に復帰した。そうした退屈な授業の退け方を僕の友人達も学び、剣道部の友人は、ロッカーの中に『ジョジョの奇妙な冒険』の単行本で埋め尽くした。やがて、それらの学校生活はバリュエーションを増して、司書に見つからないように、図書室で本を読んだり、保健室で寝ている女の子とペッティングをしたり、中庭の人口の小さな川に木の葉で組んだ船を流したり、ラグビー部(僕はマネージャーで幽霊部員だった。部室の鍵は何個も複製された。)の部室にテレビとテレビゲームを持ち込んで『大乱闘スマッシュブラザーズ』で4人で対戦したりした。僕たちは全国の高校生の平均と比べればずっと創造的だったように思える。)それでも、気にかける女の子達を意識しては、それでどんな風に思われるかなんて、分かり切ったうえ、友人と猥談したりした。2年目になると、僕の好奇心は別の女の子移った。彼女はダンス部の女の子で、僕が彼女のことを好きになったとき、彼女は年上の男と付き合っていたらしい。放課後、情報処理室(沢山のPCが置かれている。)で課題を終えて、廊下を歩いていると、教室に残って机に向かっている女の子(ショートパンツに白地に青のジャージという格好でひとめで彼女だと分かった。、僕は彼女がダンス部にいる女の子だと分かった。白い肌と薄い茶色い髪。)が座っていた。なぜ僕がその時、今では考えられないほど、あれ程大胆になれたのかは、今でも分からない。唐突に授業を抜け出して、どこかに行く分別の無さが役に立ったのかもしれない。彼女のそば言って、僕は彼女に声をかけた。彼女が選んだコースの授業の他の学生は、自分よりずっと優秀で、追い付くために、こうやって勉強しているの。それで、僕は彼女の声、控えめな笑い方、女の子的な女の子の持つ特有の我儘さや不安定さ、無邪気さが一緒くたになった、その態度が僕の心を引きつけた。彼女のジャージの下のマリリンモンローを模したキャラクター(名前なんだっけ)が、なんとなく、控えめな態度とは裏腹に、彼女の高慢な性格が隠されているようにも思えた。会話を終えたあと、教室を出ると、「お腹が空いた。」なんて言ってたこと思い出して、瞬発的に購買部に一直線で向かって、サンドイッチと飲み物(イチゴオレとグレープフルーツジュース)を買って、彼女のいた教室に戻って、「あげるよ、これ。どっち飲みたい?」とか、ルイ・ヴィトンの店舗の前の坂を登りながら、僕は大胆だった、あのときなんであんなに大胆に振る舞えたのか、自分が不可解だった。靴紐が解けている。僕はその革靴のことをしばし考えて、紐を結び、それから、また歩き始めた。学校の中で彼女と目が合うと僕は何度か照れながら、笑ったりした。(これは自慢になってしまうけれど、)別棟に向かう廊下ですれ違った時、彼女が夕暮れの光を受けて、僕の顔を見て、微笑みというには微か過ぎるし、それは何かにジェスチャーというには、深く、繊細で、二度とそれが繰り返されない種類の、本当に本当に人が生きていく中でトータル1時間満たない、その記憶に含まれていた、そのとき、僕は彼女に恋をしていたし、彼女は僕に恋をしていた。完璧な、。坂を登り終えると、何台もの車が目の前の大きな道路を走っていく。彼らにもそういった時間があったことがあったんだろうか。僕は周りにいる、あらゆる階層にいる、階層に括られた、サラリーマン、外国人、婦人、芸術家、みんなに尋ねて回りたかった。「あなたの人生の中で最も価値のあったときのことを教えてください。あなたが存在した意味を肯定した、特別な一コマのことを。」と。けれど、そう、それらは、通り過ぎてしまったことですが。
47→42だった&tabbacco→tabacco
2008年4月21日 日常・
凡ミス。
『○○を知らないと楽しめない』はスノッブ(スノッブという言葉自体がスノッブだ)でダメだ、から、これは修正リスト行き。
・
口を閉ざしていれば、失わなかったものが沢山あった。
口を閉ざしていたら、見つからないものが沢山あった。
・
『ニーチェ詩集』読みたい。
・
何の得にもならないどころか、損するだけのことでも、それを言葉にするとき、自身への敬意を守ることができる。
必要な量の偽善や嘘しか抱えることができない。そういったことも含めて、でも、それは小さいことの集まりに過ぎないのだ。
凡ミス。
『○○を知らないと楽しめない』はスノッブ(スノッブという言葉自体がスノッブだ)でダメだ、から、これは修正リスト行き。
・
口を閉ざしていれば、失わなかったものが沢山あった。
口を閉ざしていたら、見つからないものが沢山あった。
・
『ニーチェ詩集』読みたい。
・
何の得にもならないどころか、損するだけのことでも、それを言葉にするとき、自身への敬意を守ることができる。
必要な量の偽善や嘘しか抱えることができない。そういったことも含めて、でも、それは小さいことの集まりに過ぎないのだ。
書くことについて(仮) 5/100
2008年4月20日 コミューンと記録メモと書くことam04:10と表示された時計にアラームを設定して、男は、女に声をかけた。髪を撫でようとすると、振りほどいて、身体を折るように(まるで幼児のようだ。)して、横たわった。空調の静かな低音以外には何も聞こえない箱の中で、彼女はじっと動かなかった。涙を流さず、嗚咽を漏らすことなく、泣く方法がある。恋人に拒絶されたまま、だからといって、彼女の隣で眠るわけにもいかずに、煙草を吸った。煙を吐きながら自分が前に泣いたのがいつかを思いだそうとしたが、すぐにどうでもよくなって、女をそのまま置き去りにして寝た。六本木のスターバックスで、彼女の忘れ物の名刺をつまんで眺めていた。イヤフォンからTony Hymasの『Just calling for you』が流れている。表(だと思われる)には『山下のどか』とだけ黒字のゴシック体で書かれていて、裏には下4桁が4242だった。確か、’42’は『銀河ヒッチハイクガイド』という小説の中で鍵になる、そして意味が解かれることのない数字だ。さっきまで端から端まで眺めていたbritish american tabaccoの年次報告書の上に置いた。昼間、海から戻ってきて、webでその名前と電話番号を検索したけれど、’山下のどか’と一繋ぎの結果は無かった。yamasita nodokaでも同じだった。ついでに、僕の名前を検索してみると、東京の地名が表示されて、携帯電話にその電話番号を打ち込んだところで、やめて、家を出た。イヤフォンを外して、震える指で電話番号を押して発信する。1コール2コール3コール4コール5コール6コール7コール8コール、8コール目で留守番電話に切り替わって、僕は電話を切った。男は彼女の机の上に置いてある原稿をまとめて、封筒の中に仕舞って、マンションの鍵を締めて、彼女の家を出た。彼女はあのベッドの上で死んだようにあの姿勢のまま眠っているだろう。いつも見ないようにしていた原稿をなぜか少し読んだ。(なぜそうしているのか自分でもよく分からない。発刊されていない彼女が手で書いた原稿を読むことで、彼女の中の複雑で抜け出すことのできない領域に近付きたくないと思っているからかもしれない。彼女が自分をセックスに誘ったとき、彼女の目には何の感情もなかった。)こんな出だしだ。「私があなたに出会う直前に観た映画は、大量生産される食材に関するドキュメンタリーという内容でした。その最後の場面で、肉牛にされる牛が頭に何かを打たれて、一瞬で死ぬ場面があります。そのあと、屠殺場は真っ白な洗剤で一掃されます。あなたと話しながら、私はその場所についてずっと考えてました。」