もう一年近く会ってない友達なんだけど、疎遠感が無い。
結びついて、ほどけない。ほどかない。弛まない。

ポカリス

2009年1月6日 日常
ストレスたまるとひとのことを、とやかく言いたくなるもんだ。

他人には期待しないって、学んだはずなんだけど。
メール送って返ってないと送る気がなくなる

明日からしばらく更新その他諸々滞る

怒っているわけじゃないし
嫌いになるわけでもない
ただどうでもよくなるだけ


物凄くストレスが溜まっているんだけど、
それをどう解消すればいいのかよく分からない。

自分のことだけ考えて生きていれば、楽だけれど、
寂しくなるし、人にかまってもらおうとすると、
そのひとは無反応だったりして余計に傷ついて嫌になる。

沢山のストレスと重苦しい孤独が混ざり合って、とても暗い気持ちになると、何かの拍子に酷いことを言ったり、行動を起こして、その人をできるだけ深く傷つけようとしてしまうことがある。それが起きそうで、今、自分でもそれが怖い。

どうすればいいんだろう。

たるみ

2009年1月4日 日常

昨日のに追記した
http://74401.diarynote.jp/200901031055087216/


起きるのが遅い。
休日になると弛む。
自分を甘やかすのは簡単だ。
他人を甘やかすのは難しい。


技術や能力や習慣を身につけるのは、早ければ早いほど得をする。

余命20年の人より余命50年の人が、その力を使える期間が長い。
本屋で10分くらいで和訳を全文立ち読みした。
久しぶりに、図書館で借りるのでなく、買いたくなる本(=手元に置いてこれから何度も読み返したくなる本)に出会った。

バフェットが「人の才能を引き出すことができる能力」について喋っていて、それに注目した。
あと、最後に、人生の成功について語った部分。

追記
ネットで全文アップロードされてた
内容が全く同じなので、本を買う必要はない。

上巻 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/c515054b2c36c262e3a5aa280d2fad47
中巻 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/a3ffa33cec7894f048a4439a502ba35d
下巻 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/56ce9d7765541a9f45550fd8c943375e
土曜の昼、青山のビアガーデンのテラスで、フルカワは、のどかに洋服を渡された。バンダナ、ダンロップのリュック、スーパーで買った1000円くらいのスニーカー(これはきっと子供向けの戦隊モノの絵柄のスニーカーの柄の靴の隣においてあったはずだ)、よれた熊の大きなアップリケが真ん中に張ったシャツ、漂白されたような生地のジーパン、などなど。のどかは得意気な顔で「そのシャツは私が作ったのよ。アップリケを探すのが大変だったの。」と言ったが、フルカワは呆然と、「きちっと刺繍が出来ていて良いね。」と言い返した。「それで、どうすればいいの?」と、いちおう付け加えると、のどかは「着るのよ!」とはっきり言った。これ以上ないくらいの自信を持って断言したので、そこに反論の余地がないように思えた。畳んで渡された赤いバンダナを広げてみると、彼女のいたずらっぽい茶目た笑顔がもっと、楽しそうになった。「明日、秋葉原に行くの。行ったことある?」「昔、IT屋を兼業してたときによく行ってたけどさ、こんな格好してるやつばっかりじゃないんじゃないか?」と提案をすると、のどかははっきりそれを断った。「こんなのってなかなかないわよ?」フルカワは髭を撫でながら、唸ると、「仮に着るとしてさ、」「着るのよ。」2秒間の沈黙。「仮に着るとして、君はどんな格好をするつもりだい?」「まだ迷ってるのよね。」と、のどかはペリエをグラスに注ぎ足して、通り過ぎていく、洗練されている、けれど、同じような顔つきをした人たちを眺めていた。「いくつかあって、一つ目はファッションパンク風キャバギャル経由病み系ゴスロリ。二つ目はアニメ好き自演系メガネっ子、あと、ほかも色々あるけど、まぁ、ざっくり言うとそんな感じ。ねぇ、いつも思うんだけど、なんで人って自分に似た人間を好きになるのかしら?」スニーカーのサイズを確認しているフルカワは、値札を外した。「人は一番身近にいる人間を好きになるから。」「鏡よ鏡よ鏡さん、って?」「君だって例外じゃない。」「そう?」すこし挑戦的な目つきで微笑んだ。「そうだね。特に、君みたいにはっきりした性格ならなおさら。」「あなたほどはっきりしてないわ。」「俺は欲しいものがはっきりしてるだけだ。性格の問題じゃない。君は違うね。」「欲しがってるものがはっきりしてない?」フルカワは秋葉原コスプレ一式を鞄に詰め込れて、髭を触りながら(それが物事を考えるときの癖だった)言った。「例えば、この通りを歩いて行く人、この店にいる連中。彼らは君に似ている。」挑戦的な目つきは、だんだんと、攻撃を予感させる警戒する目つきに代わり、グラスを持つ手の落ち着きがなくなり、それは緊張が始まったことを密かに示していた。「どう似ているっていうの?」「似ているっていうのは、公平な言い方じゃないな。本当は抱えている欲望は同じさ。人から賞賛されたい、優位に立ちたい、もっと沢山欲しい。君は自分が世俗の欲望から解き放たれて、そういう他人との競争を軽蔑しているフリをしている。たとえば、ある金持ちが慈善事業に打ち込んだとしても、施しを与えた相手が後に自分より裕福になることは許せない。もし、そうなったときは、その金持ちは表向きにはその相手と仲の良いフリをするだけで、内心では葛藤することになる。こいつはいったい何様のつもりなんだ、ってね。」「私は慈善事業をしたことなんてないけど。」「たとえ話だ。君は金を持っているのに金持ちを軽蔑している。そして、自分より金を持ってる金持ちはもっと軽蔑している。その軽蔑を解消するために小説を書いているのさ。注目を集めることで、金の差以外の価値観で優位に立とうとしてる。君もそこら中にいる連中と一緒だよ。ステータスを使って、他人より幸せそうに見えるようにしていないと幸せを実感できない人間だ。」そのときには、もうのどかの顔からは笑みは消えていた。「そういうものの言い方は好きじゃないわ。」「君が小説のなかで絶望として書こうとしているものは全部からっぽだ。君の書く文章は確かに優れている。文体も内容も洒脱で、隙がない。けれど、そこには痛みが無い。君は誰かの痛みを形の整った商品に仕上げることはできる。たいがいの人は、そういったことには気付かない。」「馬鹿いわないでよ。それで、散々儲けてるのはあなたの会社じゃない。音楽、出版、芸能、あなたのいうステータスを作り出して人を食い物にして金儲けしてる会社のオーナーじゃない。欺瞞よ。」「そう、欺瞞だ。君は物わかりがいい。ただ、自分が不利な立場に立つことを絶対に許せない、どこにでもいる女だ。本当は自分でも分かってるんだろ?」通りを歩く人たちはみんな洗礼された格好をしていて、誰もがその生活に不満がないように見えた。富める人間は富める人間同士で集まり、貧しい人間もまた同じだ。「本当は席を立ちたいんだろ。でもそうすると、自分が指摘を認めたように見えるからそうしない。」「あんたの言うことなんて全部デタラメよ。」「君の物語はパッケージ化された絶望だよ。テーマパークのアトラクションと同じだ。血が騒ぐアトラクションは絶対に事故を起こさない。」フルカワはのどかの息づかいが荒くなっていることに気付いた。人を傷付けたかったら、そいつの大事にしているものを思い切り蹴飛ばせばいい。「あなたって不愉快よ。」「誠実なだけだ。」大きく息を吸って吐いたのどかはバッグに手を突っ込んで、普段は絶対に吸わないマルボロを探したが、手をつっこんでから、それが相手のポイントに加算されることに気付いて、代わりに時間を確かめるフリのために携帯電話を取り出して時間を確認した。「私、予定があるの。」「ご自由に。」のどかは席を立ってはっきりとこう言った。「私より優位に立てて安心した?あなたがいくら他人を打ち負かそうとしても、自分より弱い人間に縋り付いてもらえないと生きていけない、弱い人。あなたは自分以外の人を餌食にしてるつもりだろうけど、その人達よりあなたのほうがずっと惨めよ。」フルカワは黙って立ち上がり、彼女の頬を手の甲で打った。ほかの席は一斉に静まり返って、普段テレビを見ることしない人たちは、息を飲み、即席のワイドショーに集中した。のどかは、赤くなった頬に触れながら、勝ち誇った表情をした。バッグを手に取って、店の通りの方に歩き始め、ふと思い出したように振り向いて、こう付け加えた。「明日はちゃんとあれ着て来てね。それで、今のはチャラよ。じゃあね。」彼女がいなくなったあと、フルカワはそれが自分の身体のように思えず、痛みの無い手を眺めながら、昔のように心の壁の外側が無感情になっている自分を発見した。
帰り道、のどかは、心が触れることは、傷に触れることに似ていると思った。もしかしたら、それらは同じことなのかもしれない。

書き足し

2009年1月2日 日常
小説を微妙に書き足した。

http://74401.diarynote.jp/200812300917508484/

なんか、最後の部分がおかしくなってるから、あとで書き直すかも。
(気付いたら達人、的な。 の続き)

ちなみに、毎日少しの時間弾いてて(ずっと弾いてると飽きるから)、すこしづつなんだけど、確実に自分がうまくなっている実感があって、それが楽しい。ゆっくりなんだけど、弾ける範囲が広がっていく感じ。

バガボンドの単行本だったと思うんだけど、井上雄彦のコメント欄で、「絵を描き始めたいちばん最初のころ、マンガ(ドカベン)を紙にひたすら模写していて、描くごとに自分がうまくなっていくのが分かって凄く夢中になっていた。」的なことが書いてあって、こういうボディービルディング的な楽しみってあるな、と思った。

たぶん、こういうのは、自発的に取り組んでないと気付かない感覚だと思う。

追記
あった。これ http://www.bmshop.jp/cgi-bin/bms/item.cgi?item_id=it_10

あれはいつだったか、初めて買った漫画本は、ドカベンの13巻だった。いくつものお気に入りのシーンを探しては、夢中になって模写したものだった。昨日本屋.てその当時のままの装丁のドカベンが並んでいるのを見つけた。1〜3巻が欠けていたが、4巻の初版は昭和48年(1973)だった。思わず棚から出した28巻の表紙を見て、不意に胸の奥が熱くなった。この絵も模写した。その時の気持ちがありありと蘇った。あやうく涙が出そうになった。   井上雄彦


別に描くほどうまくなっていったとかは書いてないな。

こんなのもあった。
http://www.bmshop.jp/cgi-bin/bms/item.cgi?item_id=it_28

高校生の頃、
好きなことを仕事にするのはつらいよ、
そこそこ好きなことを仕事に選ぶといいと助言された
僕はその言葉に逆らった
そして今それで良かったと思える
この仕事がそこそこ好きなことだったら
もう投げ出していただろう
好きなことと自分はイコールだ
自分を投げ出すわけにはいかない
井上雄彦

ピアノが思うようにすぐに上達しないんだけど、焦らず、焦らず。
そういうものだ、と自分に言い聞かせている。
まぁ、最初のまったく弾けなかった頃に比べたら凄い差なわけだし、まったくの初心者だったのに独力でよくここまでうまくなった。自画自賛、で、気持ちを維持。

それに、焦るも何も誰かと競争してるわけじゃない。
楽しんでやってるうちに、気付いたら上手くなってたっていうのが理想。

このことにしたってそうだ。
楽しくないなら弾かなければいい。楽しいからやる。好きだからやる。
飽きそうになったら、別のことに切り替えればいい。小説でもいいし、絵を見るんでもいい。友達と遊ぶんでもいいし、映画を見るんでもいい。
見終わった。
観ている最中に引用の意味が解せなくて、消化不良気味だった。

次は原作を制覇するか。
オタクのスウィートスポットをこれでもかっていうくらい刺激する動きと絵!!幼い頃にロボをいじってた男の子/女の子にはたまらないはず。
作者がオタクじゃなかったら、ここまでクールでコクのある世界と話を作れなかったと思う。電脳、サイボーグ、などなど。そのうえ、あの絵の描き込みの緻密さ!
しかも台詞かっこよすぎ。

「他人を隔てるための顔。それと意識しない声。目覚めたときにみつめる手。幼かった頃の記憶。未来の予感。私の電脳がアクセスできる膨大な情報やネットの広がり。それらすべてが私の一部であり、私という意識そのものを生み出し、同時に私をある限界に制約し続ける」


って、これは原作マンガっていうより、小説の領域で発揮される瞬発力のある言葉とか、練り込まれた設定のうえに乗っかって、喋る、撃つ、消える。

サイバーチックなものが好きなひとにはたまらないし、濃い映画や世界観が好きなひとにはお勧め。5分間のプレビューはこちら。
http://tinyurl.com/7ayv96

それと、このサイトの文章がかなり的確で冴えてる。ネタバレなので、観たあとにどうぞ。
http://www.geocities.jp/nueneko2014projectcontacttovega/koukakukidoutai.html

書き足した

2008年12月31日 日常
小説微妙に手直し&書き足した

混同されたら面倒なんで、わざわざ言わなくっても、って思うだろうけど、あの小説と現実は別ものです。

相談したい

2008年12月30日 日常
自分の間違いや思い込みを減らすには、誰かの客観的な意見と、知らなかったことが必要。その意見は種類が多ければ多いほどいい。
答えが料理だとしたら、自分が知っていることは、持ち合わせの具材で、それは冷蔵庫の残りもので、大した物は作れないかもしれない。

あと、相談に向いている事柄と、向いていない事柄がある。

それと、相談はある意味、独白で、自分のなかで答えは出来ているけど、意識できていないことを言葉にして、無意識から意識に引き上げることができる。

相談っていうのは、どうすればいいのかを一つだけ教えてもらって即採用するんじゃなくて、参考にするだけで(だからこそ沢山の人から多くの種類の意見が必要で)、どの意見を使うかは、その人の裁量だ。
彼女の視線を受け止めきれなくなった僕は、どうしようもなくなって、本屋を出て歩き始めた。いつもそんなようにして、物事に向かい合うことができない。陸橋を渡り、交差点を超えて、原宿のほうに歩いていくと、小さな都市型公園があったので、ブランコに座ると、6才くらいの女の子が、手綱を離してしまって奔放に走りまわる若いゴールデンレトリバーを追いかけて一緒に公園に入ってきた。女の子は必死に追いかけるけれど、いつまでも捕まえることができないようだった。犬は公園のあらゆる場所を通って逃げた。滑り台や、僕の座るブランコの脇、ジャングルジム、10分くらい逃げ続けると、急に女の子は疲れきった顔で息切れを起こしながら立ち止まった。犬の名前を叫び、大きく息を吸い込み吐き出して、小さく息を吸うと、しゃっくりが始まったように見えたと思うと声をあげて泣き始めた。その年くらいの女の子にしかできない、泣くことに抵抗のない泣き方でそれは、見た人の心がぎゅっと潰れるような気持ちになる、つい自分もつられて泣き出したくなるような泣き方だった。僕はブランコから立ち上がって彼女のほうにいって慰めたくなる気持ちでいっぱいだったのに、ただ、それができなかったのは、世間体が悪いとか、怖がられたらどうしようとか、そんなつまらない理由で、ただ、少し身を屈めて彼女を見ていることしかできなかった。ジャングルジムの中の真ん中あたりで尻尾を振っていたはずの犬は、臆病そうに彼女の周りをうろついていて、身体をそっと彼女の足にこすりつけ、それでも泣き止まないので困ったような目で、落ちている枝の切れ端をくわえて、彼女の前で落とした。けれど彼女はまだ泣いている。今度は彼女の前で横になると、腹を見せて、じゃれてほしいそぶりをしたけれど、彼女は両目から涙を流しては拭っては、そしてまた目を腫らして泣き続けた。犬は自分ができる彼女への探しているように見えた。こういうとき、表情のないはずのその顔が困っているように見えるものだ。一度彼女の周りを一周して、じっと彼女を見上げて、それから大きく一度吠えた。ほんの一瞬女の子がびくついて泣くことを止めると、彼女の膝のあたりをやさしく舐め始めた。女の子は困ったような疲れたような表情をして座ると、犬の首に抱きついて頬擦りをして、それから犬の首輪を両手でぐっと握ると、嬉しそうな声で犬の名前を呼ぶと、愛情が全身から流れだすように(その瞬間、彼女の表面がうっすらと白く光ったように僕には見えた。)、正面から見据えてそれから抱き寄せて、鉄琴を伴奏にしてシャンパングラスをぶつけて奏でた音楽のような、あの無邪気な声でじゃれあっていた。
ふと時計を見ると、営業先に着く時間の間際だったことに気付いて、急いで立ち上がって僕は歩き始めた。
その夜、僕は、その公園で出来た出来事を書いて、こう付けたした。「彼女の愛情表現は直接的すぎるくらい真っ直ぐで、あんな風に誰かを抱き寄せることが僕たちにはあるのか、考え始めた。いつも、誰だって、本当はああいうふうに、なんのためらいもなく、誰かを好くことを望んでいるはずで、それなのに、僕たちはいつもためらってばかりだ。」最後に、予定を忘れないように、日曜の予定を書き込んだ。
のどかは画面に映った彼の日曜の予定をメモ帳に書き取ったあと、しばらく腕を組んで、片手を顎に当ててそのことについて考えて、後ろを振り返ってシロにたずねた。「わたしって、素直かな?」シロはユキを探しまわっているのをやめて、振り向くと、彼女に「自分ではどう思ってるの?」と返答して、かくれんぼを再開した。ユキはのどかの洋服の中に入っていて、頭がのどかのスウェットからはみ出していたが、ちょうど、椅子が大きくてのどかの背中ごと、二人の身体を隠していた。「私は、」と、のどかは考えた。「素直とか素直じゃないとか、そういうくくりとはまた別じゃないかと思った。ともかく、シロくんはきっと素直だと思う。」シロは別の部屋でユキを探している拍子に何かを落としたらしくて、物音がした。彼女は、文章を書くときはいつもそうするように眼鏡をかけて、息を深く吸って気持ちを集中させようとすると、ユキが彼女のブラジャーの中身を触って、驚いて、いやん、と、きゃん、の間にひゃんっという声を出して、のどかの中のユキがそれにさらにそれに驚いて、また胸の先を握った。そうすると、その拍子にまた声が出て、ひゃんっに息を吐き出すのが加わって、はひゃぁん、と声を出した。そうすると、服の下の、というところで、シロがユキの足を掴んでを引きづり出そうとすると、掴まるまいと、のどかの身体の一部を握ろうとしたところ、のどかは椅子から飛び上がって回避した。床に張り付いて動こうとしないシロを抱き上げて、家を出て行った。聞き分けの悪い犬だからって、落ち着いたところを見計らって、首輪を標識に括り付けて石を投げつけて怪我を負わせたらしい。ユキのあの暴力的なところは誰に似たのか。動物病院にいる「ヤスタカ」はどうしているだろう。手綱を離してちょっと気に入った顔立ちの男を見つけた飼い主が、勝手に追いかけて行ってしまったら、やっぱり不安にもなるだろうし。それにしても、なんて偶然だろう。帰ってきたら、そのつり目の男の子のことをそれとなく聞き出そう。のどかは首をかしげながら、イームズの椅子に座って、ブラジャーのホックを止めてずり落ちた眼鏡をかけ直して、画面を見据え、そして深呼吸をすると、こう書き出した(これは来月の文芸誌「満潮」に載る分の原稿だ)。「運命というものは、望んだものを反映した別の形で出現することがある。」
夜中の動物病院は、恵比寿で一番高いビルの地下三階にあって、清潔過ぎる空気と、犬猫の鳴き声が何十にも重なり、それ以外の得体の知れない動物達の鳴き声と混ざり合って、混沌という言葉を表しているように思えた。動物の鳴き声や檻に身体をぶつける、金属が揺れる音、たまにすれ違う飼い主達の深夜特有のよれた雰囲気。明るすぎる照明が、そこが救いようのない、逃げ場のない場所であることを効果的に強調していた。うつむいたままのユキは家を出る前から一言も喋らなかった。一年前、ユキを動物園に連れて行ったときも彼女は、同じように何も話さず、黙々と動物を眺めていた。その日の帰り、彼女にそのわけを訊くと「動物がかわいそう。」と言った。もし自分が彼らなら檻の中で死ぬまで過ごすのには耐えられないから、と。「Ghost」、と呟きながら檻を探すと、ユキは目を見開いてシロを見上げた。「Gの5番。忘れないように、ghostっていう英語が5文字なのと引っ掛けて覚えていたんだ。霊っていると思う?」とユキに質問すると、彼女は「スクラブル。」とBの列のゲージに並んだ猫の一群をを虚ろな目で見渡しながらつぶやいた。「ghostの中にはhostが隠れているわ。霊は私たちの宿主。私たちは彼らを通して触れあうの。」と答えた。シロは前々から思っていたが、IQテストを本気で受けさせようかと思った。この頭のキレは誰に似たんだろう。「シロ、white、スクラブルしてごらん。」「we, IT, tie, hit.」と言って、それから彼女は落ち込んだ。ユキはしばらく考えていた。"私たちはITでつながり、tie、男性器の象徴、そして、打つこと、撃つこと。hit, ............hit, hit, hit, hit."「着いたよ。」「お腹痛くなってきた。」「大丈夫だよ。」

楽しむ

2008年12月29日 日常
書くことについて、色々考えてたけど、
書きたくないなら、書かなくてもいいと思った。じゃなきゃ意味も価値もないと思った。’自分が’、楽しいからって、好きだからって、そういうポジティブな理由だけで仮想現実を作り出したいんだ。
素晴らしいことを理解した

僕は恵まれている
本当にそう思った

善意とかボランティアとかそういった類いの話じゃない
娑婆の一端が自分を歓迎していることが分かった

とても貧しい男がいて、彼が住んでいる部屋の壁に不自然な蛇口が設置されている。その男は蛇口という物を知らずに育ってきた。そして、使い方を理解していなかった。ある日曜の午後、彼は気まぐれに自分の部屋のその突起物をひねると、そこからは金砂が流れ出し、男は一夜で大金持ちになった。そういう話だ。ちなみに、今回のこれは金とは関係ない。もっと違った方面の、けど重要なことに関して。

BGM
jelly/capsule
http://jp.youtube.com/watch?v=mkXaqAYteaY

矛盾

2008年12月27日 日常
帰り、自分が書いた文章反芻してたら、見限ったはずの女の子の文章に思いっきり影響を受けてることに気付いて、うんざりして萎えた。書いているときも、書いた直後も全く気付かなかった。無意識だった。くそ。
つか、見限ってるなら、そのひとの文章にも目を通さなければいいのに、俺。そこんとこ潔くなりたい。
腐って捨てるだけのものを眺めて迷ってるあいだに、別の機会を知らない間に見過ごすのは手痛い。停滞。

かけない

2008年12月27日 日常
朝起きてもかけなかった。
時間の余裕っていうか、心の余裕っていうか。
その両方か。

作文できない

2008年12月26日 日常
文章が出てこないから、朝早くおきて書く。

寂しいのには、いまでも慣れない。

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